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第4回 コロナをぶっ飛ばせ 秋のリレー怪談2021開幕!

第4回「コロナをぶっ飛ばせ!」 2021秋のリレー怪談 スタート!!

◯小説の形式及び登場人物
2021、11月21日現在

  舞台;私立鳳徳学園高校;明治時代に建てられた地方の進学校。元は男子校であったが平成に入り共学制に。
旧校舎には時計塔あり。ロンドン塔によく似ている。 敷地内の一角に英国人墓地と併設して礼拝堂がある。

主人公;秋永九十九(あきなが つくも)。ごく普通の男子。部活は未定。残りの書き手さんに任せます。
ヒロイン;甘瓜美波(あまうり みなみ)、転入生。すらりとした体系のボブカットの美少女。背は高め。周囲に溶け込む気が余りないが敵は少ない。悪夢の中で主人公に会う。父の都合で引っ越してきたことになっているが、実はストーカー被害に悩まされていたことが原因。

甘瓜花波:甘瓜美波の母。鳳徳学園の新米英語教師。

因みに甘瓜家の家系。
雪波→月波→花波→美波。

校長;ロビン・ウィルソン。片言の日本語を話す英国人。顔の怪我を隠す為に半分白い仮面で覆っている。あからさまに怪しすぎてかえって怪しまれない。ニックネームは便器。
マリア・ウィルソン:故人。ロビン・ウィルソンの娘。
大神遊平の元妻であり、大神遊輔の母親。
八島弘:ロビン・ウィルソンの側近。

大神遊人:大神遊輔の祖父。
大神遊平:大神遊輔の父。妻はロビン・ウィルソンの娘、マリア・ウィルソン
オカルト研究部部長・大神遊輔。金色の目を持つ。甘瓜みなみにフラれる。狼一族とヴァンパイ◯一族のハーフ?※超難関キャラw
気水百香:大神家に仕える鳳徳学園の教員。

護摩堂アキラ:鳳徳学園生徒会長。自信が秀才である事に自負を持つ、完璧主義者。 生徒会長の権限として、彼だけが校長との面談を許されている。 八島の存在に疑問を持つ。

沢カレン:鳳徳学園二年。オカルト部の幽霊部員。今どきのギャル風女子。好奇心旺盛。体育は嫌い。放課後はデートと称したパパ活。

ユウタ:沢カレンの中学の同級生

月島聖良(つきしませいら)……進路に悩む鳳徳学園の2年生。甘瓜美波の母、英語教師の甘瓜花波と親交を持つ。魔夜中に取り込まれノイローゼになり入院。その後、学園の旧校舎から身を投げる。生死は不明。
日本生まれの日本育ちで和食党だが、曾祖母が英国人のため瞳は碧眼。曾祖母はロビン・ウィルソンの父の、姉にあたる人物。

麻希子……聖良のことを「セーラ」と呼ぶ友人。普段はいい加減だが、友だち思い。聖良にトドメを刺す。

時系列は以下の通り。
・約20年前。2001年頃。甘瓜花波とマリア・ウィルソン、鳳徳学園に在籍。教師になる夢を語り合う。
・鳳徳学園卒業後、ふたりとも学生結婚をし、大学を中退。花波は美波を、マリアは大神遊輔を出産。マリア死去。
・約10年前。2011年(美波、遊輔は小学生)。英語教師として赴任してきた花波と、月島聖良が出会う。
ふたりとも魔夜中に取り込まれ、花波の魂は八島の手中に落ちる。聖良はノイローゼになり、文化祭の前後に旧校舎から身を投げる。
・現在。2021年。魔夜中の中で、聖良と護摩堂アキラが出会う。

魔夜中;悪夢の中を指して甘瓜美波がつけた呼称。

魔夜中に持ち込めるもの;ない。だが鬼火の怪人(ジャック・オランタン)を倒せるものは夢の中にも存在する。英国人墓地、といえば○○が埋まっているはず。ただこの〇〇を使うかは残りの走者次第。

◯リレー順および〆切り(※順不同・敬称略)

第一走者:ゴルゴム13(掲示板〆:10/9 23:59/「怖話」投稿予定:10/10)
第二走者:五味果頭真 (掲示板〆:10/16 23:59/「怖話」
投稿予定:10/17)
第三走者:ロビンⓂ︎ (掲示板〆:10/23 23:59/「怖話」投稿予定:10/24)
第四走者:rano_2 (掲示板〆:10/30 23:59/「怖話」投稿予定:10/31)
第五走者:あんみつ姫(掲示板〆:11/6 23:59/「怖話」投稿予定:11/7)
第六走者:一日一日一ヨ羊羽子(掲示板〆:11/13 23:59/「怖話」投稿予定:11/14)
第七走者:綿貫一(掲示板〆:11/20 23:59/「怖話」投稿予定:11/21)
第八走者:珍味(掲示板〆:11/27 23:59/「怖話」投稿予定:11/28)
第九走者:車猫次郎(掲示板〆:12/4 23:59/「怖話」投稿予定:12/5)
第十走者:ゲル(掲示板〆:12/11 23:59/「怖話」投稿予定:12/12)
○ 控え走者 (およびリレー順希望)
・ふたば

□物語の形式
①「前半オムニバス+後半なぞとき」
メインキャラ5人(前後)分の導入となるオムニバスを4~5話続けて
残り7~8話+エンディングで、たっぷりと謎解き(および恐怖体験)。

②「途中オムニバス」
主人公視点で物語が進んでいく途中途中に、主人公以外の視点で語られる話がある、という形式。

⇒(意見)まあこれについては、いざ始まってみたら自然に決まるかもしれませんね。。

□最終話について
①合議制で内容を決め、代表者1名が執筆を行う。

②マルチエンディング →その場合、複数の希望者がそれぞれ結末を用意する。

⇒①をトゥルーエンド、②はアナザーエンド(ifのエピソード)とするなら、両立するかもしれませんね。

□タイトル 候補

タイトル候補;魔夜中の殺人鬼、魔夜中の狩人、鬼火の狩人、鬼火舞う学園、鬼火の牢獄、鬼火舞う牢獄、旧校舎に鬼火舞う刻、魅惑の旧校舎~紅蓮の狩人。

・放課後の獄舎 ~転校生と鬼火の狩人~
・ミッドナイト・パーティー
・神無き月の狩人
・Faceless sneaker(顔のない 忍び寄るもの)

○現在までのダイジェスト(綿貫様まとめ)
2021.10.16 現在。

■第一話(秋永九十九)
□シーン1 悪夢の中
九十九が、どことも知れない建物の中を歩いている。
建物の1階で、頭部が縦長のカボチャのような、背の高い、謎の人物に遭遇する。
男の手には紅蓮の炎をまとう、大ぶりの鎌が。
男の背後には制服姿の少女の死体があった。
ガツンという衝突音とともに、悲鳴が響く。男の背後にもうひとり誰かがいることに気付く。

□シーン2 学校/教室の外
九月下旬。十月末に行われる文化祭に向けて、学校中が盛り上がりつつある。
転校生の甘瓜美波が、九十九に話しかけてくる。
美波は親の都合で九月に転入してきたばかりだが、その美貌とふるまいから、当初は注目を集めていた。
しかし、オカルト研究部部長・大神遊輔のラブレターを破り捨てた事件で、「甘瓜さんは甘くない」と噂が立ち、今では男女ともに彼女から距離をとっていた。
そんな孤高の美少女に話しかけられドギマギする九十九であったが、「昨日、夢を見なかった?」という美波の言葉に戸惑う。
美波は九十九をある場所へと誘う。

□シーン3 旧校舎
美波は「あなたの見た夢の場所は、この旧校舎である」と告げる。
たしかに窓の外に見える時計塔に覚えがあった。
「校内に礼拝堂と英国人墓地があるのを知ってる?」
「私は昨日、殺されかけた」
次々と謎の言葉を紡ぐ美波。
聞けば、紅蓮の鎌を持った化け物―ジャック・オー・ランタン―に、廊下の突き当りで殺されかけたのだという。
それがただの夢でない証拠にと、美波は首の付け根に現れたミミズバレを見せる。
夢の中で彼女よりも先に女生徒が殺されたが、美波の調べによると十年前に死んだ生徒であるとのこと。
「あなたも私の夢の中にいたのよ」
ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン、
鳴らずの時計塔が突如鳴り出す。

■第二話(大神遊輔)
□シーン4 自室
オカルト研究部部長・大神遊輔は、先日、甘瓜美波にラブレターを出したものの、ビリビリに破かれ玉砕。そのことを校内の裏サイトにもさらされ、ショックから不登校になっていた。
悪夢を見て飛び起きる遊輔。手元の時計はPM4:44を示している。
夢の内容を振り返り、気になることが出てきた遊輔は、それを確かめるため学校に行くことにする。

□シーン5 祖父の部屋
出がけに祖父に呼ばれ、父とともに祖父の部屋に。
不登校を責められるかと思いきや、
「そろそろ文化祭だ。文化祭といえばなんだ?」と謎の問いをされる。
祖父も父も遊輔の通う高校のOBだが、私立鳳徳学園は元々は男子校で、また時代柄男女交際のチャンスなど文化祭以外になかった、と告げられる。「恋愛については奥手な家系だ」とも。
大神家には遊輔の物心がついた頃から、すでに祖母・母親の姿がなかった。

□シーン6 旧校舎①
遊輔は、美波に惹かれた原因のひとつは「甘い香り」であると考えていた。
学校に到着すると、悪夢に見たであろう旧校舎へと向かう。
現場に着いて、場所の確信を持つ遊輔。
彼は悪夢の中で、美波が何者かに襲われるのを見ていた。

□シーン7 旧校舎②
遊輔は旧校舎で美波と九十九の姿を目撃し、逢引きであると思い込む。
九十九に首筋を見せる美波に、嫉妬から正気を失う遊輔。
思わず走り出し、旧校舎の裏側、英国人墓地へと足を踏み入れる。
遊輔は旧校舎に、美波とは別の魅惑的な香りが漂っていたことに気が付く。
墓地には、誰かが掘り返したような跡があった。
墓穴の中にはあるべき棺桶の存在はなくなっていた。
頭上の空を大きな鳥のような影が横切る。
空に浮かぶ真っ赤な満月を見て、自分の身体が大きくなり、全身を毛が覆いつくす感覚を得る遊輔。
その時、突然鳴らずの時計塔が鐘を鳴らし始め、それにあわせ、遊輔は吠えた。

@あんみつ姫 様
ご心配おかけしてすみません。
恐らくもう大丈夫だと思います。

返信

@珍味様
執筆、お疲れ様でした。拝読はしていて、感想をと思っていたのですが、遅くなってしましました。カボチャの秘密、魔夜中の秘密、大きな謎がまた解き明かされた、壮大な回でした。
大神祖父は死を悟っていたのか…自らの命と引き換えに、若者達に望みを託したのでしょう(間違ってたらすみません)。月島聖良の啖呵がカッコよくて、ここから一気に、若い力の奔走が始まる予感を感じられました。

返信

@車猫次郎 様
本編「怖い話」から 車猫次郎様作の第9話が消えてしまいました。
それまでは、404エラー表示が出ていたのですが。
操作を誤って再アップ再投稿するはずが、削除を押してしまったとか。
もしくは、何らかの不具合が起きたのでしょうか。
エラーの原因が分かり、早急に解決出来ることを願っています。

返信

@ゲル 様
ご指摘ありがとうございます。
早速本編を見ましたところ、確かに作成中になっており、慌てて本編に再アップしました。
自分としても、どうしてこのようなことが起こってしまったのか、当惑している次第です。
もしかしたら、ウイルソン家の呪いかもしれませんねwww www

返信

@車猫次郎さん
第九話お疲れ様です。昨日、猫次郎さんの作品まで読ませて頂きました。第三話辺りから登場人物が複数登場しているので現在混乱中です。笑
ここから辻褄を合わせるのは至難の技でしょうね…
ところで、昨日まであった第九話が本編から消えているのですが、修正中ですかね?
私としては猫次郎さんが登場させた赤いドレスを纏った人物が何者なのかを軸に考えているのですが、なにか不具合でもありましたか?

返信

さあ、猫お兄様からゲル様にバトンが渡されたようですね。過去一番の長きに渡るバトンリレーもいよいよ大詰めに近づいて参りました。
残るお二人。ゲル様とふたばお兄様は、これまで皆さんで繋いできたこの物語をどう料理されるのか?いや、決してプレッシャーを与えているわけではございません!
ここまでの難関を突破するとなれば、物語がどう転んだとしても皆さん暖かい拍手喝采を送ってくださると思います。
さあ、今からの二週間。恐らく全世界が注目しているこのリレー怪談の結末は「ガキ使」よりも楽しみになって参りました!年の瀬でくそ忙しいというのにロビンのワガママで始まってしまったこのイベントに参加してくださった皆さんには本当に感謝しております!まだ完結もしていないのに、ロビンはもうウルウルとしております!

返信

立候補される方がいないようですので、僭越ながら、指名の方をさせていただきます。
ふたばさんは既にラストランを予約されているということを噂に聞いておりますので、ここは大長編の「自殺村」という超問題作を描ききったゲルさんにバトンをお渡ししようかと思うのですが、いかがでしょうか?
もうここまで来ると、10作めも11作めも、ほぼ結末みたいなものだと思いますので、ゲルさん、ぜひ、
その力量を思う存分発揮してください!
よろしくお願いします。

返信

猫お兄様!第九走者の激走、お疲れ様でございました!
ロビンと遊平の手に汗握るやりとりは興奮致しました!
しかし、ロビン学園長の野郎は日本国民全員でボコボコにしないといけませんね!…ひ…
とにかくここまで描かれるのは相当なものだったと思います!感動です。素晴らしい走りをありがとうございました!

返信

ええ、皆様、本日午後5時に本投稿をしようと思っておりますので、もしも何かご不明ご不審な点などがございましたら、ご指摘願います。
それと、第10走者に立候補なされるご予定の方はぜひ名乗りを上げてくださいませ。
よろしくお願いいたします!

返信

@綿貫一 様
的確なご指摘ありがとうございます。
早速に変更を加えたいと思います。

返信

@車猫次郎 さん
ちなみに、以下は気になったところです。

・花波の容姿・瞳の色
第七話では「私の憧れる、日本的な顔立ちの美人。特に、オニキスのような美しい漆黒をまとった、強い意思を感じさせる瞳が魅力的だ。」としておりました。
今回では「その顔は彫りが深く、欧州系の美しさを醸し出しており、豊かな褐色の髪のところどころには白いものが混じっているのが見て取れる。」「女は鳶色の澄んだ瞳を目一杯見開き」となっておりましたので、調整をお願いいたします。

・人物名表記の統一
「ロビンウイルソン」→「ロビン・ウィルソン」

・聖良さん27歳
「制服姿の女子が二人とスエット姿の中年男性。」
ずっと眠っていましたし、若作りなのかもですが、聖良は私服の方がよいかもしれません……。

返信

@車猫次郎 さん
第九走者お疲れ様でした!
九十九君にもスポットが当たり、ジャックオーランタン、秋永家にかけられた死神の呪い、ブードゥーの神が一本の線で結ばれました。
主役の存在感が出てきましたね!(第九話にして……笑)

また、ここに来て、ロビン学園長が暗躍し始めましたね。
前回、遊人老に「あいつは自身の目的のためなら、仕える主人さえ裏切る」と言われていた八島さん、今回は一転、忠臣っぽかったですが、これすら演技なのか……? 八島一族と甘瓜一族は所縁がある、と言いながら、「魔夜中で決着をつけよう」と言ってるし、まったく掴めない男です。

いよいよクライマックスが近づいてきました。

ロビンの恐るべきウィルス計画が発動するのか?
マリア復活?
決戦はハロウィン? 文化祭?
すべてはBIGBOSSの手のひらの上なのか?
というか、本当にあと2~3話で完結するの?

手に汗握る展開に、目が離せません!

ひとまず猫次郎さん、お疲れ様でした! 

返信

@車猫次郎 様
ブードゥの死者の祭り の下りは、ワタシ的には面白かったですね。
秋永九十九君の家庭生活、私生活には、今まで一度も触れられて来ませんでしたから。
バランスと流れを考えれば、大神遊輔や護摩堂アキラと同格か、もしくは、もっと早めに光を当てたほうが良かったかも。
って、私がおかしくしたんだぁと。やっぱり今更ながら後悔・・・・・・。
ですが先に立たず。

珍味様が設定した ITを利用して「夢と現」を操る黒幕的存在は、ある意味、今までの設定を壊したくて作った世界観だと推察しました。マトリックス的な世界観を狙ったのかなとも思いましたが、確かに、唐突に出現したので、困惑されるのも無理はないかと。
でも、今後の展開として、魅惑の旧校舎が魔夜中での全開バトルに変わる際、更に深みを与える設定だとは思います。前半は、古い屋敷内を逃げ惑うだけだったB級ホラー映画「青鬼2」も、最終的には、コンピュータお宅が介在していましたから。

って、また余計なチャチャを入れてしまってごめんなさい。m(_ _)m

車様、お疲れでしょうから、とにかくお休みください。
コメントへの返信は後からでもよろしいので。
これは、あくまでも好みの問題なのですが、第10話は、起承転結、物語の展開が分かりやすく、回りくどい表現もなく(私のことです。(^_^;))文章もスッキリとして読みやすかったです。諸々、お手本にしたいと思いました。

おやすみなさい。

返信

@あんみつ姫 様
早速の感想ありがとうございます。
今回は少々悩みました。
自分の中では、ウイルソン家対四人の因縁を背負った若者という図式があったので、珍味さんの生み出した新たなラスボスの登場には、かなり焦りました。
これをいったいどう料理するか?
いろいろと考えましたが、結局スルーという安易な結論にしました。
これにつきましては、後続のランナーにお任せしようと思っております。
秋永九十九くんにつきましては、彼の異国での過去に触れ、この死神との遭遇による悪夢が、ジャックオーランタンの生誕に大きく関わっているということに繋がっていけたら、と思っております。

返信

@車猫次郎 様
大満足。
面白かった~
です。
\(^o^)/
続きが早く読みたいです。
秋永九十九!!
君の出番だ。
全集中の構え
心臓を捧げよ。
覚醒。暴走。

あと一週間後。ううううう。
師走というくらいだから、きっと、あっという間ですよね。

第10走者様も、頑張れ!!
応援しています。

少々でしゃばりすぎているので、来週、再来週は、静かにしています。
おやすみなさい。
皆様。m(_ _)m

返信

@車猫次郎 様
こんばんは。
第9走者のお役目、お疲れさまでした。
見事な走り(ストーリー展開)に驚嘆すると同時に、この複雑怪奇に絡みついた因縁と過去を、わかりやすく丁寧に捌き、前作までの主要な部分を崩すことなく、見事にまとめあげ、次の走者へとたすきを渡すまでの鮮やかな書きっぷりに、ただただ感動しております。

他の作家様たち同様、掲示板にアップされたことを知り、仕事帰りに行きつけのドトールに飛び込み、貪るように読ませていただきました。
スラスラと読みやすく、それでいて、肝心の押さえるべきところは、しっかりと破綻なく語られており、素晴らしい!!
さすが、車様だけあって、走りは確かですね。
また、猫のようにしなやかで繊細なタッチ。そのスマートな走りは、まさしく猫を思わせます。

あっという間に読み終わり、「え???もう、終わり。ウッソー。」
と思わず嬉しい悲鳴を挙げてしまいました。
週末は土曜日の夕暮れ時の店内で、ちょっと恥ずかしかったです。(^_^;)

ロビンも八島も悪いやつですが、その根拠もしっかりと描かれており、なによりわかりやすい点が良かったです。えてして、人を恨んだり憎んだり僻んだりといった感情は、始末におえないほど、人の心や魂を蝕むものですから。歴史的事柄を背景に、私が第5話で書きあぐねていた部分も説明的にならず、誰にでもわかり易い内容にまとめていらっしゃって、
流石だなぁと。
そういったところも、珍味様の描いた世界観と乖離することなく描かれており、とても良かったと思います。主要キャラたちを脇で支えるだけでなく、本作のキーマン的な存在として登場した花波さんの覚醒。かつて教え子だった聖良さんとの感動的な再会。
幼い頃、無意識のうちに自ら封印したはずの怨念にまつわる『謎」に気づき、「魔夜中」へと果敢に踏み込もうとする秋永九十九。などなど。よくこれだけの内容を、この字数に収めましたね。私など百ぺん生まれ変わっても、こんなに上手にまとめられないだろうなぁ。
今回、リレー階段に参加してみて、良かったこと。つまり、一番の収穫は、「自分に欠けているものに気付かされたこと」ですね。
まだまだ、精進が足りません。
なにより、そのことに気づかせてくださった車様、皆々様に感謝です。

ゲル様、そして、ふたば様
どちらが、アンカーを務めることになったとしても、きっと納得のゆく作品となることと存じます。えぇ、大丈夫。もう、お二人の中には、遠大かつ壮大なストーリーが展開されていることでしょう。

車様、この度は、ほんとうにお疲れさまでした。
ゆっくりとお休みくださいませ。
来週は、寒さ厳しくなりそうですが、くれぐれもお身体ご大切になさってくださいますよう。
年内に終わりそうなこの壮大なイベント。
複数ラストでもよし、合議制ラスト?? コラボする??
いずれにせよ、今年最後を締めくくるにふさわしい作品となりますことをお祈り申し上げます。

ではでは、このへんで。
夜分失礼いたしました。
この1週間、いえ、本イベント企画に参加して以来、ずっと。
ハラハラドキドキ 落ち着かない日々だったのではないでしょうか。
今宵は、どうぞ、美酒に酔うようなお気持ちで、ゆっくりとお過ごしくださいませ。

おやすみなさい。

返信

@珍味 様
早速の感想、ありがとうございます。
ロビンウイルソンと八島の悪辣ぶりがさらに強調された展開になりました。
ブードゥの死者の祭りを秋永九十九の秘められた過去にリンクさせたのですが、少々強引だったかな?と少し反省しております。
また、珍味さんが登場させた新たなラスボスに関しましては、今回は一切触らずにスルーという形にしてししまいました。
というのは私の発想力では、どうしても、ラスボスの背景を描くことが出来なかったからです。
ここにつきましては、残るお二人の発想力に期待したいと思っております。
いやぁ、このリレー小説、、、後半になればなるほど、難易度が増すんだということを思い知らされました。

返信

@車猫次郎 様
第9話脱稿お疲れ様でした!
ロビンの悪役ぶりがいかにも生き生きと描かれていて、読んでいてとても楽しく思いました。花波先生も無事覚醒して良かったです^_^。
そして、公約通り?九十九君の生い立ちも肉付けされて来ましたね。ここで詳しく書くとネタバレになってしまいますが、そういう経緯があったという設定は、非常に面白いと思いました。これがやがて彼の運命につながっていくのでしょうか。
小生のぶち込んだ変な展開で悪路になった道を、テンポ良いストーリー運びでまたスムーズな舗装路に戻して頂いた感じです。今後の展開を残り二名の皆様に託しつつ、楽しんでいきましょう。お疲れ様でした!

返信

皆様ごきげんよう、猫次郎です。
第四回リレー怪談 第九話掲示板投稿させて頂きます。
ご高覧ください。
当初の予定よりもコンパクトになり、さらに謎を深めるようなものになっていると思います。
皆様のご意見ご感想お待ちしております。
※早めにアップしたのは、皆様のご意見を参考に加筆訂正する時間が必要と思ったからです。
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魅惑の旧校舎 第9話
「そうか、あの老いぼれ、ようやく、くたばったか、、、」
ロビンウイルソンはそう言って満足気な笑みを浮かべると、グレイに滲んだ水彩画のような雲の立ち込めた空をゆっくりと見上げた。
彼方に連なる山の端には既に、黄金に輝く巨大な太陽がその姿を隠そうとしている。
彼のすぐ左下方には、ビックベンのごとき時計塔と十字架を呈した白い礼拝堂が、まるで一枚の印象派の絵のような黄昏た情景を醸し出していた。
ここは鳳徳学園旧校舎の屋上。
立ち入り禁止のこの場所に出入りする者はほとんどいない。
コンクリートだけの殺風景なだだっ広いスペースの突端の、フェンス向こう側の危険なエリアに彼は立っている。
あと一歩歩を進めると、地上のアスファルトに真っ逆さまだ。
下半身は黒のスラックスを纏っているが、なぜか上半身は裸だ。
ロビンの背後に立つ、細身にダークグレイのスーツ姿の八島弘が、彼の白い背中に向かい答える。
「はい、街をたむろするホームレスの若い男を利用して、買い物中の大神遊人を襲わせました。私たちの力を持ってすれば、小賢しい人間どもなどを洗脳することなど容易いこと。
魔の力を有していない時の奴を殺めることなど、赤子の首を捻るより簡単なことでした」
「ふふふ、、、とすると残るは、あの憎き大神遊平のみか」
そう言ってロビンは顔面を覆う白い仮面に触れた。
「はい。
ここは一つ、奴に特別な怨念をお持ちのロビン様自らの手で、、、。
そして、明治の頃から続く大神家との因縁にケリをつけてください」
八島の言葉の後、ロビンは虚空を見つめながら話し続けた。
「いや、因縁は大神家だけではないぞ。
秋永、甘瓜、護摩堂。
この三家との間にものっぴきならぬ因縁が残っている。いや、八百万(やおろず)の神とやらを信仰する日本人すべてに対してもだ。
そしてさらには、ビクトリア朝時代後期に我々ウイルソン家を、スコットランドの片田舎に追いやったあの小賢しい司教どもにも!」
「その通りでございます。
そのために誇り高きウイルソン家は中世の昔に、悪魔と契約を結んだのです。それから着々と魔の力をつけていき、ようやくこの混迷の時代に至り、我々の理想とする闇の世を実現することが可能になってきたのです」
「その手始めが『黒死ウイルス』」
「はい。
先日、私が悪魔の手下から手に入れた『黒死ウイルス』は、今全世界を覆っているウイルスの比較にもならないくらいに純度の高いもの。一旦罹患すると、ほぼ百パーセント致死に至る代物です。
これを間近に迫った10月末のハロウインの夜の前後に、あの時計塔からばら撒くのです。
「見える。私には見えるぞヒロ。黄色い猿どもがもがき苦しみ、死んでいく姿が。
中世ヨーロッパの暗黒時代。
黒死病:BLACK・DEATH(ペスト)が大流行し、全市民の三分の一以上が虫けらのように亡くなったと聞く。
そして栄華を極めたビクトリア朝の末期、あの恐ろしい血友病に苦しめられた我々ウイルソン家と同じ、否、それ以上の苦しみを世界中の人間どもに味合わせてやる」
ロビンのこの言葉の後だった。
突然、彼の白い背中の肩甲骨辺りがモコモコと隆起しだしたかと思うと、始祖鳥のごとき巨大な羽が一気に両横に張り出した。
黄金の陽光に包まれたその姿は、さながらヨーロッパルネサンス期のミケランジェロの力強い彫刻を思わせる。
変貌したロビンの後ろ姿を目の当たりにした八島が、思わず声を漏らす。
「ああ、ロビン様、お美しい、、、」
「ヒロ、今宵私はとても気分が良いようだ。
少しこの陰鬱な空を散歩した後、大事な人に会ってくるぞ」
「お気をつけて、旦那様」
八島の言葉の後、ロビンウイルソンは暗い虚空の向こうに一気にダイブした。
…………………………………………
同じ頃のこと、、、
白で統一された清潔な雰囲気の寝室。
壁際のベッドに、薄い青のネグリジェ姿の女が横たわっている。
年齢は30代半ばあたりだろうか。
その顔は彫りが深く、欧州系の美しさを醸し出しており、豊かな褐色の髪のところどころには白いものが混じっているのが見て取れる。
安らかな吐息を微かにたてながら、微睡の波間に揺れているようだ。
女の傍らには三人の者が並び立っていた。
制服姿の女子が二人とスエット姿の中年男性。
制服の一人は甘瓜美波、もう一人は月島聖良。そして男性は、美波の父である義人。
三人は緊張した面持ちで、横たわる女を見守っている。
美波は、ゴルフボール大の白い球体を、両手で大事そうに抱え込むようにして持っていた。
彼女は、安らかに眠っている女の横顔を真剣な眼差しで凝視ながら、白い球体をゆっくりと近づけていく。
やがて球体は鈍い光を明滅しだした。
まるであたかも生命を吹き込まれたかのように、一定のテンポで繰り返していく。
それと同時に光の強度は少しづつ少しづつ強まっていき、終いには部屋の隅々までもあからさまにするほどにまでになった。
次の瞬間、一羽の黄金色に輝く鷹のごとき鳥が球体から元気よく飛び出した。
しばらく鳥は、水を得た魚のように天井辺りをぐるぐると自由に滑空すると、最後は眠っている女の胸元に吸い込まれるように消え失せるとともに、光の明滅が途絶え、室内は普段の状態に戻った。
その時奇跡は起こった。
横たわる女の瞳がぱっちりと開いたのだ。
感極まったかのような美波が「母さん!」と声を漏らし、女の手を握りしめる。
「美波、、、美波なのね」
女は鳶色の澄んだ瞳を目一杯見開き、美波の顔を見ながら、掠れた声で呟く。
「良かった、先生、、、」
今度は美波の隣の聖良が声を掛ける。
「ああ、月島さん、、、生きていてくれたのね」
そう言って女は聖良の顔を見ると、ニッコリと微笑んだ。
女の名は甘瓜花波。
10年の長き時を経て覚醒。
…………………………………………
その夜、、、
鳳徳学園旧校舎敷地内にある礼拝堂の正面扉は開け放たれていた。
欧州の古い教会を模して作られたドーム型のゴシック様式の建物。
吹き抜けの高い天井に近い壁のあちこちには、イエスに纏わる宗教画の描かれたステンドガラスが張り付けられている。
壁のあちこちに配置された洒落たランタンには火が灯されており、室内は荘厳な雰囲気を漂わせていた。
整然と並んだ木製の机と椅子。
その一番奥の一段高いところに、神父の説教のための教壇がある。
そしてその背後の床には何故か、巧妙な掘り細工を施した白い棺が置かれていた。
その傍らに、羽を閉じたロビンウイルソンが立っている。
彼は徐に片膝をつき白い仮面を取ると、そっと床に置く。
醜く歪んだ顔があからさまになった。
それから胸元で十字を切ると、ゆっくりと棺の蓋をずらしていく。
中には、ミイラのように干からびたおぞましい骸が横たわっていた。
頭部に僅かに残された長いブロンドの髪と高い鼻から、それは欧州系の女のようだ。
「ああ、マリア、、、こんなに変わり果てた姿になってしまって、、、」
ロビンはそう言って手を差しのべると、いとおしげに骸の額を撫でる。
「お前とはもっともっと楽しい時間を過ごせたはずだった。なのに、あの忌々しい大神遊平にたぶらかされたおかげで、早々にこんな醜い姿になってしまって、、、
でも安心しろマリア。
この父さんが、あの野蛮なバンパイア一族を必ず殲滅してやるからな。
手始めにまずは一人、ついこの間、あの大神遊人を地獄に送り込んでやった。
次は、、、来るハロウィンの夜だ。
死した者たちの魂が集う日に。
それからお前を暗い冥界から救い出してやる。
その後に、地獄の門が開かれる」
そう言ってロビンが、変わり果てたマリアの額に、そっと唇を近付けようとした時だった。
地の底から湧いてくるような低い男の声が、室内に響き渡った。
「そういうことだったのか」
驚いたロビンは顔を上げ、声のする先へ視線を移した。
そこは開け放った扉の前。
黒いパーカーを羽織る男が立っていた。
男はゆっくりとフードを取り去る。
ロビンは立ち上がり、改めてその顔を見て口を開いた。
「久しぶりだな大神遊平。
どうして、ここが分かった?」
「我らバンパイア一族は人間の100万倍鼻が利く。ましてや、昔狂おしいほど愛した女の亡骸の香りとなると格別だ。」
「ふふふ、野蛮な一族にも、それなりの能力があるようだな」
「うるさい!」
遊平の声がドーム型の室内を反響する。
彼はゆっくりとロビンの方へ歩きながら続けた。
「姑息な手を使い父の命を奪い、今度は我ら一族の壊滅までも企んでいるようだが、そんなことを許すわけにはいかない」
その時だ。
室内にある全ての蝋燭の灯火が消え、辺りはすっぽり闇に包まれた。
すると、
ゴーン!、、、ゴーン!、、、ゴーン!、、、ゴーン!、、、
荘厳な鐘の音が地響きを伴って鳴り響く。
礼拝堂隣にある時計塔が日を跨いだ証の鐘を鳴らし出したようだ。
飾り窓の向こうの暗闇に浮かぶ血の色に染められた満月が輝きを放ち、室内の様子を不気味に浮かび上がらせている。
それは正に魔夜中の到来。
室内の中央には、いつの間にか一頭の巨大な異形の獣が佇んでいた。
血塗られた月光に浮かび上がったその姿は、銀色の豊かな毛並みに包まれた体躯に長い尻尾を垂らしている。
尖った耳をピンと立て三角の瞳を赤く光らせたその姿は、さながら狂暴な狼。
変異した大神遊平の姿だ。
狼は憎々しげに鋭利な歯を覗かせながら唸り声を漏らし、ジリジリと正面奥の壇上に立つロビンの方へ近付いていく。
するとロビンの背中から、あの原始鳥のごとき羽が飛び出した。
狼は後ろ足に力を込め、ロビン目掛けて一気に跳躍した。
ロビンは器用に羽ばたくと、狼の攻撃を寸でのところでヒラリと上にかわし、瞬時に入口扉近くまで飛ぶと、宙に浮かんだままの状態で叫ぶ。
「貴様からは娘を奪われ、孫を奪われ、さらにこのような醜い容貌にまでされた。
今この場で白黒つけても良いが、お楽しみはまたいずれ」
そう言って、ロビンは笑いながら暗闇の向こうに溶け込んでいった。
後を追おうと、狼が壇上から扉の方へ向かおうとした時、突然無数のカラスが室内になだれ込んできた。
カラスたちの一部は狼の行く手を阻み、他は壇上の白い棺に次々集まっていく。
すると棺はフワリと宙に浮かび、ロビンの後を追うようにして、カラスたちとともに入口から暗闇に消えた。
…………………………………………
その翌日、朝のこと。
「そんな!なんでこんなギリギリの時期にまで至って、中止なんですか?
後一週間しかないというのに、、、
生徒は皆、納得しないですよ!」
と言って護摩堂アキラは、正面に立つ八島弘に詰め寄る。
朝、学園に登校した彼は、校長室に呼び出しを受けたのだが、そこで、八島から今回の文化祭の中止を告げられたのだ。
奥の窓際に立つロビン校長が背中を向けたまま、口を開く。
「君もこの現在の世界の危機的状況を理解しているだろう。最近に至ってはまた新たな変異株が発生し、今朝、日本政府は外国人の入国を全面的に禁止した。
そんな状況下で、クラスターの温床にもなりかねない文化祭やハロウィン等という行事を挙行することなど出来かねるというのが、本校の方針だ」
アキラは忌々しげに俯き、唇を噛む。
「それと、つい最近、本校にも所縁のある大神遊人翁が、こともあろうに学園近くのスーパーで刺殺された。
犯人は頭のイカれた若い男だったらしいのだが、保護者会の方々から不安の声が挙がり、今回の行事の中止を望む声が多数寄せられたのだよ。
だから、アキラくん、優秀な君ならこのような大人の事情を理解出来るだろう」
そう言って八島は、俯くアキラの肩に手を乗せる。
彼は八島の手を邪険に振り払うと、不敵な面持ちで口を開く。
「どうなんでしょうかね。
それはあくまでも表向きの理由で、本当の事情というのは、別にあるのではないのですか?八島さん」
すると八島はそっとアキラの耳元に顔を近付けると、こう言った。
「言葉に気をつけろよ、護摩堂。
貴様も私もロビン様も、呪われた家系の末裔。
いわば、同じ穴のむじなという奴だ。
そしてロビン様も私もようやく近頃、この現世においても魔の力を利用出来るようになったんだ。
であるから貴様ごときをこの場で消し去ることなど、容易いこと。
だがどうせやるのなら、後の三人もろともにやるのが、手が掛からなくて良い。
ふふふ、いずれ魔夜中で決着をつけよう」
…………………………………………
秋永九十九はひたすら歩いていた。
暗い廊下は真っすぐ果てしなく続いているような感じがする。
左手の窓からは、怪しげな月光が差し込んでいる。
はるか前方には白い霧が立ち込めていた。
いったいどうして、僕は歩いているんだ?
分からない、、、
ただ、この先のどこかに大切な何かがあるような気がして、九十九は歩き続けている。
そしてふと前を見た瞬間、彼は思わず立ち止まった。
数十メートル先に立ち込める霧の中に人影がある。
それはまるで砂漠に忽然と現れた陽炎のように、ボンヤリとして揺らめいている。
その天井付近には数羽のカラスが周回していた。
彼は目を凝らす。
それは女だった。
女は濃いワインカラーのドレスに身を包んでいた。
豊かなブロンドの髪。透き通るような白い肌。彫りの深い上品な顔立ち。
すると、
カラカラカラ、、、カラカラカラ、、、
背後から何か金属のようなものを引き摺るような音が聞こえてくる。
九十九は振り返ると、思わず息を飲んだ。
僅か数メートルほど後方の暗闇に、巨大な何者かがのっそりと立っていた。
無数の赤黒い毛糸のようなものに包まれたずんぐりした体躯。
天井付近にある頭部には、バッファローのごとき雄々しき角が生えていて、顔面には埴輪のような無表情の白い面を付けている。
そしてその右手には、凶暴な大鎌が握られていた。
ザンベト様、、、
九十九の口から無意識に言葉が発せられた。
ザンベト様、、、ブードゥー教死者の祭りに現れる神様。
それはまだ彼が幼い頃のこと。
商社マンだった父が西アフリカはベナンの地に赴任し、数年間家族ともども移り住んでいた時のこと。
ある日彼は、家族で招待された現地で毎年行われている「死者の祭り」に連れていかれた。
夜、焚火の前で現地の踊りを披露する原住民たちに紛れて現れたのが、死を司る精霊ザンベト様。
ザンベト様は、見学している観光客らの前をゆっくり進んでいき突然、幼い九十九の正面で立ち止まると、じっとそのあどけない顔を見つめる。
恐怖のあまり彼はその場に尻餅をつき、金縛りにあったかのように全身は固まってしまう。
次の瞬間、意識は彼方に飛び、気を失ってしまった。
その日から数日間、九十九の意識は戻ることがなかったが、ようやく意識を取り戻したその日から、彼はあの恐ろしいザンベト様の悪夢に苦しまされるようになったのだ。
…………………………………………
その日も大神遊輔は、祖父遊人の突然の死がショックで、自宅の自室に引きこもっていた。
壁際のベッドに仰向けになった遊輔の傍らには、生徒会長の護摩堂アキラ、クラスメイトの秋永九十九がカーペットの上で寛いでいる。
「そうか、中止か、、、それは残念だったな。
でも、今のこの世の中の状況なら、しょうがない部分もあるかもな」
遊輔が天井を眺めながら、呟く。
するとアキラが口を開いた。
「確かにそうなんだけど、それは表向きの理由で、本当は別の理由があるんじゃないかと」
「それは?」
「それが今朝、校長室に呼び出されて文化祭の中止を言われた時、八島から変なことを言われたんだ」
「変なこと?」
隣に座る九十九が尋ねる。
「うん。僕らや甘瓜さんの4人と、いずれ魔夜中で決着をつけようって」
「あいつら、いったい何を企んでるんだろうな」
アキラのこの言葉の後、三人は黙りこんでしまった。
すると九十九が口火を切る。
「実は最近また、変な悪夢を見るんだ」
「どんな?」
前髪をかきあげ、金色の瞳を大きく開いて、遊輔が尋ねる。
「いつもの旧校舎の暗い廊下を歩いていると、先の方に真っ赤なドレスに身を包んだ女の人が立っているのが見えるんだよ。
窓からの月明かりで分かるのは、きれいな金髪に透き通るような肌をしていて、見た目は恐らく日本人では無さそうなんだ。
女の人の頭の上には無数のカラスが飛び回っていて、何かすごく不気味な感じで、、、
そしたら唐突に背後から、白い仮面をした巨人が現れて」
「実はそれ、俺も昨晩の夢で見たんだ」
「俺も」
「え!遊輔とアキラも?」
「なあ、今晩また、旧校舎に行ってみないか?」
アキラの提案に、九十九と遊輔はしばらく迷っていた様子だったが、最後は承諾した。
《つづく》

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@一日一日一ヨ羊羽子 様

おはようございます。珍味です。労いのお言葉とご感想を頂きまして、有難うございました。
翔子様がスポットライトを当てた聖良さんに、綿貫様が本格的に肉付けし、これから聖良の物語が始まる…というところでバトンを引き継いだので、さてどうしようか、とにかく流れを切らないようにしなければ、と思い、三段跳びではないですけと、一気にジャンプみたいな感覚で、覚醒という形にしました。いわば翔子様が発掘したキャラが、今後物語のコアな役割を担っていくような気もします。
遊輔の戦闘シーンも気に入って頂けたとのこと、有難うございます。冥利に尽きます😀。変身した後の姿をどうするか、二足歩行の獣人タイプか、四つ足の狼そのものにするか迷いましたが、昔読んだ人狼絡みの話では、割と四つ足型が多いような印象だったので、そうしました。繋がり上、7話を跨いで6話から引き継ぐ形になりましたが、翔子様の文章がとても明快で読みやすかったので、とてもやり易かったです。ともあれ、これから後続の皆様が大団円に向かって、まだまだ盛り上げて下さると思いますので、楽しんで参りましょう。有難うございました!

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