拝啓、ラッキー君。
君が死んでから、早10年が経ちます。
天国でも元気でやっていますか?
10年前、君が生きていた頃は、毎日が笑顔で溢れていたね。
旅行にも行ったし、遠くまで散歩したりしたね。あの時のラッキーの笑顔が忘れられない。
でも、ちょっとイライラしただけで「こんな、バカ犬いらない!」って何も悪くないラッキーにやつ当たりしてしまったね。
どんな事をしても、ラッキーは我慢してくれたね。「やめて欲しい」とどれだけ思ったか僕には、未だに分かりません
でもねその頃幼かった僕には、ラッキーが死んでしまうっと言うのは思ってもみなかったんだ。
いつも元気だったラッキーは、急に倒れて病院に連れっていったんだ。
お医者さんに、
「ひどい腎臓ガンです。長くは生きられないと思います。」
って言われたんだ。
ラッキーは目を開けたまま、動こうとしないし息をするのも苦しそうだった。
僕と僕の家族は、ラッキーに生きて欲しいから毎日のように病院に通ったし、注射器で液状のご飯を口から流し込んだりしたんだよ。迷惑だったよね。
でも、あの日ラッキーは逝ってしまった。みんな泣いたんだよ。ラッキーにたくさんの水滴が落ちたんだよ。もう一度、目を覚まして元気な顔で尻尾をふって欲しかった。
ラッキーには聞こえるはずないのに、
「ごめんね、ごねんね」
って言い続けたんだよ。
ラッキーを焼いてしまう時は、もっと泣いた。ずっと泣いた。夜も泣いてた。
「もうラッキーには、会えない。ラッキーの元気な顔は見られない。」
って思って、すごく後悔した。何でもっと優しくしてやれなかったのだろう。
でもね、今は2人の家族が増えてラッキーのように後悔しないように頑張ってる。だから、ラッキーはいつでも見守っといてね。
5月30日は君の命日。ラッキー、もう泣かないよ。でも、僕が本当に悲しそうだと思ったら、夢に出てきてね。
ラッキー、ありがとう
これからも、よろしくね。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話