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短編2
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欲しがりさん

これは私が中学校の時のお話です。今でも思い出すと震えがとまりません。

私はバスケ部に入部していました。バスケ部は毎日暗くなるまで練習をしています。今日も部活が終わり、友達と別れて帰りました。私の家と友達の家はかなり離れていて帰るときはいつも一人でした。

人の通りも少なく、小さい頃から暗いのは苦手だった私はいつも怯えていました。

ズリッ。ズリッ。

後ろから何かを引きずるような音が聞こえ、私は敏感に反応し、立ち止まりました。

ズリッ。ズリッ。

距離は確実に近づいています。怖くて振り返ることはできませんでした。

私はちょっとずつ足を速めて怖くて走りました。帰宅する時はこの先にあるバスからなので困りました。このまま待っていたら追いつかれるんじゃないかと。

バス停を見つけましたがちょうど行ってしまいかまわず走りました。

私を追いかけているという確信はありません。聞こえるのは私の足音だけ、けれど走りました。

しかし、限界はあります。私は膝に手をあて呼吸を整えていました。

ズリッ。ズリッ。

「!!!」

そんな…あんなに距離を離したつもりなのに。

私は怖くて怖くてまた走りました。バスで20分かかる道のり、走るとかなりかかります。

「あっ」

ズサササッ。

私は石につまずき、転んでしまいました。

ズリッ。ズリッ。

立ち上がろうとすると足に鋭い痛みが走りました。

それでもズルズル体を引きずり進もうとしました。

突然寒気がきてブワッと全身に鳥肌が立ちました。私は後ろに気配を感じました。

ガシッ。肩を掴まられ私は悲鳴をあげました。青白いゴツゴツした手です。

私は怖くて逃げることもできません。

「いやだぁーあっち行ってー!!!」

私は泣き叫びました。

ジャキッ。

何かを切るような音が聞こえました。

私の髪の毛です。

長かった私の髪の毛は短くなってしまいました。

しかし突然気配が消し去りました。後ろを振り返ると誰もいません。

私はヨロヨロ立ち上がり、足を引きずりながら帰りました。

家につくなり遅いのと髪が短くなっている私を見て両親にいろいろ問い詰められました。信じてもらえないのと心配かけたくないのでただ黙っていました。

次の日、私はオカルトが大好きな友達に聞いてみました。

友達がいうには私が会ったのは「欲しがりさん」だそうです。

人の体のどこか一部を切り落とし、自分のものにするらしいです。

髪でよかったと思いました。

怖い話投稿:ホラーテラー ひじきさん  

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