人間の理不尽な思いというものが怖いと思った話です。心霊系は出てきません。すいません。
学校が終わり、帰りのバスの中で暇を持て余していたとき、携帯にメールが入った。知らないアドレスで、誰からだろう?と思ったが一応開いてみた。メールはなんと同じ学校の女の子からだった。名前はTさん。メールの内容は、
はじめまして(^o^)/
Tです。って言ってもわからないかな?(笑
友達からアドレス教えてもらっちゃった♪暇ならメールしない?
少し変えてあるけど、大体こんな感じ。ただ、Tが誰なのかは俺はわからなかった。その時超絶暇だった俺は、すぐにメールを返信した。
メールありがとう。でもごめんなさい、誰かはわかんないや、何組なの?
みたいな内容だったはず。TはE組で、ああ、どうりでわからないはずだ。と思った。俺たちの高校は、前半クラスと後半クラスで教室がある建物がちがう珍しい?高校だった。だから、A組の俺が後半クラスの人を見る機会は少ないのだ。そんで、その日はそのまま夜までメールしていた。
次の日学校に行った俺は、俺がずっと狙っていたYちゃんとアドレスを交換することに成功した。ずっとニヤニヤしてたから友達のリュウに気持ち悪がらたのを覚えている。学校が終わり、帰りのバスでもニヤニヤしていると、携帯にメールが入った。俺は、早速Yちゃんからメールかな?と期待してメールを見ると、YちゃんからではなくTだった。その時テンション上がっていた俺は、Tとも楽しくメール出来た。その時Tは俺に、今彼女とかはいるの?とか好きな人いるの?とか聞いてきたが、俺は曖昧に誤魔化していた。家についてもまだTとのメールは続いていたが、俺は愛しのYちゃんとのメールをするため、Tとのメールを一方的に切った。
その日のYちゃんとのメールはとてつもなく楽しかった。まさにこの世のヘヴン
。夢心地だった。
俺は次の日もYちゃんとメールをした。Yちゃんとメールの途中、Tからメールが来たが、Yちゃんとのメールに集中したかった俺は、忙しいから、といってTとはメールを2回くらいで終わらせた。Tに悪い気もしたが、気持ちがないのに思わせぶりなことをするのはもっと悪いと思ったのだ。
Tからは、毎日メールが来たが、俺はあまり返信はしなかった。返信したとしても、1、2通で終わらせていた。それでもTからのメールは毎日来ていた。俺は正直Tに気がないことをはやく気づいて欲しかった。
そして、そんな日々が続いたある日、
遂に俺はYちゃんと付き合うことになった。幸せすぎてヤバかった。この時の事を書いたら止まらないので今は自粛する。
Yちゃんと一緒に帰り、バイバイしたあと、携帯を見るとTからメールが来ていた。Tからは、
好きな人出来た?
みたいなメールが来ていた。俺は意を決してTに
俺彼女出来たからもうTとメール出来ない。ごめん。じゃあサヨナラ
みたいなメールを送った。Tからの返信は来なかったが、これでいいのだと自分に言い聞かせ、その日は寝た。それから一週間、何事もなく幸せに過ごしていたが、ある日Yちゃんに呼び出された。呼び出された学校の中庭でYちゃんはいきなり俺の頬をビンタした。そして、最低っ!っと言い残して走り去った。俺にはビンタされる心当たりはなかった。そこで、Yちゃんの友達に何が原因なのかを聞いてみた。すると、
あんた、Tって子とYとフタマタかけてるんでしょ?最低。
と言われた。なんと、俺が、YちゃんとTとフタマタをかけていたという噂が広まっていたいたのだ。しかも、本命はTで、俺はTに夢中。そんな意味不明な噂が広まっていた。
有り得ない。俺は、自分の予測できない他人の気持ちを心底怖いと思うと同時に激しい怒りがこみ上げてきた。まず俺はTの顔すらわからないのだ!俺はTのいるA組に突撃した。
「オイ!Tってのは誰だよ?!出てこい糞女!」
静まり返った教室で俺が叫んだ、すると、一番後ろの席から、Tと思われる女が席を立った。
「あなたが悪いんじゃない!私がいるのに他の女に手をだして!」
俺はびっくりした。そこにはポケモンのルージェラそっくりの女がいたのだ。ルージェラはそのまま続ける。
「あなたが私に思わせぶりなメールばかりするから悪いんでしょうそれにあなた○●◎%#&*§@☆★¥■▼※」
と鳴き声で俺を攻撃してきた。俺があまりの驚きに黙っていると、Tが叫ぶ言葉の中にYちゃんの名前が聞こえた。俺はすぐさまそばにあった机を蹴り飛ばした。びっくりしたルージェラが叫ぶのをやめた瞬間
「Yちゃんになんかしたらテメーわかってんのか糞女!!ルージェラのくせに人間界に混じってんじゃねぇ!」
と叫んだ。
俺は言い過ぎたかとも思ったが、Yちゃんのことは抑えることは出来なかった。ルージェラは黙って教室を出て行き、その日から学校に来なくなった。今ではやっぱり言い過ぎたと反省しているが、その後Yちゃんとはすれ違いが多く結局別れることになってしまったので、もうどうでもよかった。
俺はTの理不尽な思いが怖かったので投稿しました。人間の思い通りにいかないところが俺はとても怖かった。通り魔に襲われるような感じと同じだ。自分の意志ではない何者かに理不尽な理由で、反撃する間もなく攻撃される。自分の意識外から。これがとても怖かったので投稿しました。
そして後からわかったことだが、Tに俺のアドレスを教えたのはなんと俺の友達リュウだった。俺がリュウになんであんな奴にアドレス教えたのか聞くと
「いやぁ、まさかあんなことになるとは思わないじゃん。しかもあんな可愛い子に頼まれたら教えないわけにいかないだろ。」
だと。
勘違いの激しいTも怖かったがTのことを可愛いと思うリュウの感性の方が怖かった(笑
俺はそう思った。
怖い話投稿:ホラーテラー ペロンチョさん
作者怖話