●『人間の怖い話』含有率100%です
●小話しかありません
●まとめられたお話をお求めの方はスルーで
ご了承のうえ どうぞ。
(元)大学助手です。
今回は大学在職中に経験した恐怖体験のうち、その理由も経緯も結末もイマイチなので、投稿用の話としてまとめきれない出来事を詰め込んでみます。
起承転結を求めないフワッとした気持ちでお付き合いいただければと思います。
仕事が忙しかったある時期。
女子学生に「助手さん♪」と呼ばれ振り返った瞬間、鉄ヤスリで頬を殴られ(擦られ)た。
恨まれた覚えはない。
理由を尋ねたところ「最近かまってくれないんだもん」とふて腐れて泣き出した。
依存型『かまってちゃん』は意外と多い。
夏前あたりになると、各学科で『新入学生ブラックリスト』のようなものを作成し、他の研究室・課・購買部に手渡しする。
学生の『悪いクセ』はだいたい三ヶ月付き合えば見えてくる。
素行面で注意が必要な学生の情報の中に、自傷癖がある学生への刃物類の貸出しと販売の自粛をお願いする一文があるのが毎年恒例。
イライラした時に物にあたる癖を持つ女子学生。
ある日、腺ノコを持ち込んで教室備品の木製イスをバラバラにしてくれた。
教授に説教してもらっている間に助手が変わり果てた備品の亡骸を後片付け。
何の気なしに欠片を元の形に並べてみたところ、表面に男の名前らしきものと侮蔑言葉が見てとれた。
一応、気付かないフリをした。
同じクラスの男子学生ほぼ全員(約30名強)に一度限りの肉体関係をせまった女子学生がいた。
打率はさすがに不明だが、ノーヒットに終わったわけではなかったらしい。
幸い都市伝説のようなエイズ蔓延というものではなかった様だが、今でも彼女の真意はわからない。
学生の悲鳴でトイレへ駆けつけると、便器に真っ赤な吐瀉物。
傍らに口の周りを真っ赤に汚した学生が座り込んでいた。
血にしては鮮やかすぎる赤にすぐ気付き、問い質すと「絵の具を食べて吐いた」と白状。
彼氏とケンカした憂さ晴らしにやったらしいが、家のトイレを汚したくなかったので学校でやったと勝手な言い分。
ケンカ + 腹が立つ = 吐いてやる(絵の具付き)
・・・・途中式がさっぱり解らない。
梅雨の季節になるとカタツムリを捕まえてきては非常階段から投げ落として遊び殺す学生がいた。
何度注意してもやめようとしない。
それ以外の普段はいたって普通な子なのが逆に怖い。
ある朝、出勤すると研究室の鍵がこじあけられていた。
助手のデスクや保管物は無事だったが、壁に貼ってあった学生の顔写真一覧表にドロドロの石鹸水が塗りたくられていた。
掃除が地味に大変だったので恐怖より怒りが先に立った。
構内の至るところで男性のものと思われる住所・氏名・電話番号・メールアドレスが書かれたメモが落ちているのが多数発見された。
気になって職員会議の時に雑談の話題にあげてみたところ、他科が拾った分を合わせると50枚ちかくバラ撒かれていたことが判明。
全て手書きで書かれたメモに執念を感じる。
無断欠席の多い女子学生がいた。
電話が繋がらないうえにかなり自傷癖がある子だったので、冗談抜きで生きているかどうか心配になる。
どうしたものかと悩んでいたところ、なぜか彼女とはそれほど親しくない学生から彼女のブログの存在を知らされる。
ロリコンコスプレで写る彼女のキワドイ自撮り画像が毎日更新されていた。
「ソレ見ればいいじゃん?」そしらぬ顔で告げる学生に静かな悪意を感じた。
落ち込むと『冬彦さん』になる男子学生。
なだめたいけど正直近寄りたくない。
(年代がバレますね)
落し物の財布(男物)が届けられた。
免許証か保険証か、名前がわかるものがないかと中を探ってみたところ、中に全裸のお爺さんがブランコに乗る姿のポラロイド写真(チェキと思われる)が入っていた。
病院かなにかのカードで持ち主は判明したが、見てしまった事にしたくなかったので学生課の落し物担当職員に押し付けた。
ごめんなさい。
ゴミ箱の蓋をあけたら、頭と胴にタオルを巻かれてゴミ袋に入れられた子猫がはいっていた。
幸い子猫は生きていたが犯人はわからないままだった。
文化祭前の大掃除をさぼる学生に「きちんと作業に参加しないと今日は欠席扱いにする」と注意を出し、背を向けた瞬間、階段に向かって突き飛ばされた。
「なにやってんの! 人殺しになりたいの!?」と、小学生並みの説教をしてやったら「私にばっかり注意して意地悪する!!助手さんのケチ!!」と、幼稚園生並みの反論を返して家に帰ってしまった。
その日のうちに母親から「女の子に無理に掃除をさせなくたっていいじゃありませんか! お宅おかしいんじゃありませんか!?」とクレーム電話があった。
オタマジャクシがカエルに成長する過程を見た気がした。
皆様も人間の多い職場へお勤めになられる際はお気をつけて。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話