僕が小学生の頃、夏休みに一度だけ遠縁の親戚の家に泊まりがけで遊びに行った。
山々に囲まれた、自然が残る田舎町。
年の近い親戚の子供達(AとB子とする)が僕(セリフはCとする。僕=C)の遊び相手兼世話役となった。
僕達は3人で外へ遊びに出かけた。
B子「ねぇ~、どこいこっか?」
A「行きたいとこがある!!」
B子「駄目っ!!」
A「まだどこか言ってないよ」
B子「言わなくてもわかる!!
絶対行くなってパパもママもおじいちゃんもおばあちゃんもみ~んな言ってたでしょ!!怒られるの嫌だもん!!!」
見知らぬ土地でAとB子の2人に会って間もない僕は黙って様子を窺うしかなかった。
A「バレないって!だって誰も行かないから見つかりっこないよ。せっかく来たC君にも見せたいんだ!!」
C「いったい何の話なの?」
B子「知らなくていいよ!!
Aはまだ年下だからわかってないの。
危険なとこだし、行って祟られたら舌取られるんだよ!!
C君とは他のところで遊ぼうよ」
A「そんなの大人が嘘ついてるんだ。
去年のクリスマスにサンタさんにお礼言おうと思って、母ちゃんに内緒で必死で起きて待ってたんだ。サンタが部屋に来たと思って起きたらサンタの正体は、じいちゃんだった!!俺は騙されたんだ。もう信じねぇ!!だから行っても平気だって。C君もそう思うよな??」
C「う~ん、わかんない。何もなかったらわざわざ注意するかな?」
B子「そうだよ。C君の言うとおりだよ。アンタ(Aのこと)のクリスマス事情は知らないし関係ないよ!!」
A「それなら俺1人で行くからいいよ~だ」
B子「お母さん達にバラすからね!!」
A「勝手に言えば、この裏切り者。
もうそんな脅し、怖くないもんね~」
Aは1人で別の道へ入って行った。
C「A君が行っちゃうよ。もし何かあったら1人で行くほうが危険じゃないかな?ついて行ってあげようよ」
B子「…ハァ~…わかった。今回だけね。終わったらAのやつにたっぷりお仕置きしてやる!!!」
B子の据わった目がマジだった。
Aに追いつく僕とB子。3人で目的地を目指した。
徐々に草木の生い茂る道へと進む。
草木の中をしばらく歩いて目の前に現れたのは、金網のフェンス。
奥には線路がある。
A「よっしゃ、それじゃこの金網を今から越えよう!」
C「ちょっと待って。本当に大丈夫?」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話