B子「ねぇねぇ、これ絶対ヤバい!!!もう帰ろうよ。トンネルの中も真っ暗で何も見えないし。
この上、気持ち悪くて歩きたくない!!祟られるよ!!!」
C「A君、僕もこれ以上は行かないほうがいいと思う。B子ちゃんが震えてるし可哀想だよ(内心では僕も怖がっていた)」
A「ただの羽だし、俺は全く怖くない。クラスで話したら盛り上がるって!!
ここからが面白いのにな」
Aはリュックから懐中電灯を2つ取り出し、1つを僕に渡した。
A「トンネルは俺1人で行ってくるよ。
2人はここで待ってて。気が向いたら入ってきなよ」
C「どうしても行くの?でもすぐ戻ってきてよ」
A「わかってるよ」
Aは1人でトンネルの暗闇に入って行った。
Aが入って30分は経っただろうか、Aはまだ戻ってこない。
B子「遅いね。何かあったのかな?」
C「そうだね。もう少し待ってみよう」
B子「…うん…」
僕もB子も心細かった。
更に30分が経過、Aがトンネルに入ってから1時間になる。
C「心配だから、僕が様子を見てくるよ」
B子「1人は絶対嫌!!私も行く」
僕とB子はA君から渡された懐中電灯を手に、恐る恐る羽の絨毯を歩いてトンネルへと入った。
トンネルの中は烏の騒ぎが嘘のように、再び静寂を闇が包んでいる。
僕とB子は無言で懐中電灯の明かりを頼りに進んで行った。トンネルの中程に差し掛かった頃、何かがぼんやりと姿を現し始めた。
慎重に近づいていくと、鳥居がそこにあった。
B子は沈黙を破り、「鳥居だ…」とつぶやく。
理解できないままに鳥居に近づくと、奥に真っ黒で無数にぼこぼことおうとつした何かが見え隠れした。
僕は立ち止まり、明かりを上下左右に動かしてみる。
思わず息を飲んだ。僕達が想像してもみなかったモノが聳え立っていた。
黒い無数のおうとつした何かは木を炭化させた壁だ。
それが一面を覆い尽くした木造長屋の家……のようなもの。
トンネルの暗闇にひっそり潜む鳥居と黒い家は、死の世界を連想させた。
絶対に近寄ってはならない恐怖を醸し出している。
僕とB子はA君の為に覚悟を決めて、鳥居を潜り抜けた。
何も書かれていない表札がある。
しかし玄関となる入り口や窓がどこにも見当たらない。
半ば諦めかけたときB子が足下で何かを見つけたようす。
B子「C君、明かり」示す先を照らす。
よく見ると高床式で床下に通気口が設けらている。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話