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短編2
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御左口 8

そこには心身共に疲れ果てたA君の両親が椅子に腰掛けて、うなだれていた。

なんとも気まずい空気が流れていたが、聞かずにはいられなかった。

C「あの…お帰りなさい。A君は?」

すると殺意と憎しみに満ちた鋭い目つきでA君の母親が僕を睨んだ。

僕は怖くて一瞬にして体が硬直した。

するとA君の父親が「おいやめろ!!

子供になんてことをするんだ!!!

この子は何も悪くないじゃないか!!

すまないがC君ね、叔父さんたち今帰ってきたばかりで疲れてるんだ。

Aのことなら大丈夫だよ。

心配してくれてありがとう。

時間も遅いからもう寝なさい」

これ以上は踏み込めなかった。

C「ごめんなさい!!もう寝ます。おやすみなさい」

そう言って頭を下げると、逃げるように布団の中に戻った。しかしそれ以後は眠りにつけず気がつけば朝の6時になっていた。

再び起き上がり、布団を畳むと、服を着替えた。

行き先を書いたメモ用紙をテーブルに残して、こっそりと家を出た。

僕は神社へ走った。神社の境内に着くと、竹箒で掃く音が聞こえる。

「早よう来なすったな」

1人の老人が掃除をしていた。

C「おはようございます!!」

すると老人はニコッと微笑みを返してくれた。

C「初めまして」

「昨日の子と一緒にお祓いを受けたのか」

C「はい!お祓い受けたことまでわかるって凄いですね!」

「お祓いの痕跡が残るからな」

C「痕跡って何ですか?」

「お祓いって術はな、憑いてきたモノを祓うだけではないんだよ。

また他のモノにしばらく憑かれないように結界を張る。

効果は術者の能力で差がある。

数日すれば消えてしまうよ。

坊やを囲っている結界ですぐわかった」

C「凄い…」

「悪いがA君のことで忙しくして、みんな出かけている。せっかく来たから、部屋にあがってお茶とおやつを食べていきなさい」

C「あの、なぜトンネルにあんな家や、見たこともない生物がいるんですか?

祟りのことも箱のことも昨日のこと全てがわけがわからなくって。

A君のお母さんが僕を睨んでいたんです。

もういてもたってもいられなくて、ここに来ました。

お願いですから、教えて下さい!!!」

「私達の先祖はね、代々この辺りを古神道で守ってきた。

信仰には対象となる神様がいてくださらないといけない。

私達が住んでいる世界の現世(うつしよ)と神様が住んでいる世界の常世(とこよ)がある。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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