目覚めるとソコには一人の男が、立っていた。
「おはよさ~ん」
まだ夢を見てるみたいだ
俺は再び目を瞑り、眠りに入ろうとした。
カチャ
鋭い音と共に、
頭に鉄が当たったような感触がする。
「お前さ~死んだんだよ」
はぁ?
「お前が居る場所はあの世ってわけだ。
まあ、あの世ってのが今俺達がいるこの世‥‥あ~ややこしい」
何を言ってるんだ?
とうとう頭にキタか?
俺!?
そんな事を考えていると男は、再び口を開き話を始めた。
「覚えてない?嫁さんに殺されたこと?」
あ?
嫁さんに殺された?
何をバカな事をほざいてやがる。
「まあ、別にいいか。もうアンタは死んだんだしなぁ」
悪い夢だな。
妙に感覚がリアルだし、喉元が焼けるように熱い
もう一眠りするか‥‥
「おいおい。まだ終わりじゃねえぞ。眠ったら撃つかんな。お前は永遠に死ぬんだぞ?」
「あぁ?矛盾してねぇか?お前さん。
俺は死んでんだろ?もう一回死ぬなんてことは……」
じゃあ死のっか
バキン!
という乾いた音と共に、意識が遠退いていく。
何だ?
夢か?夢なのか?
死ぬの?俺
「ハハ…アンタはもう死んでるって。今は永遠の死に向かってるトコなんだよ」
それを最後に、俺が再び目を覚ます事はなかった
「龍汰くん、残念だったね」
幼なじみの茜が話掛けてきた。
今は親父の葬式途中。
俺は、詰まらなかったので抜け出してきた。
茜も俺と同じ考えだったようだ。
「……あぁ……」
実際は、悲しくも辛くも何ともない。
むしろ嬉しい。
親父はクソ以下だった。いつも家に帰らず、帰って来たら来たで、俺や母さんに暴力を降り続けた。
そんな親父を、
俺は好きではなかった。
茜「ねぇ。今度、二人で遊びに行こうよ」
茜はいつも明るい。
正直、親よりも自分の良き理解者であった茜を、俺は好きだった。
龍汰「うん……」
俺は軽く頷くと、葬儀場に戻った。
怖い話投稿:ホラーテラー ドラッグさん
作者怖話