短編2
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序章

目覚めるとソコには一人の男が、立っていた。

「おはよさ~ん」

まだ夢を見てるみたいだ

俺は再び目を瞑り、眠りに入ろうとした。

カチャ

鋭い音と共に、

頭に鉄が当たったような感触がする。

「お前さ~死んだんだよ」

はぁ?

「お前が居る場所はあの世ってわけだ。

まあ、あの世ってのが今俺達がいるこの世‥‥あ~ややこしい」

何を言ってるんだ?

とうとう頭にキタか?

俺!?

そんな事を考えていると男は、再び口を開き話を始めた。

「覚えてない?嫁さんに殺されたこと?」

あ?

嫁さんに殺された?

何をバカな事をほざいてやがる。

「まあ、別にいいか。もうアンタは死んだんだしなぁ」

悪い夢だな。

妙に感覚がリアルだし、喉元が焼けるように熱い

もう一眠りするか‥‥

「おいおい。まだ終わりじゃねえぞ。眠ったら撃つかんな。お前は永遠に死ぬんだぞ?」

「あぁ?矛盾してねぇか?お前さん。

俺は死んでんだろ?もう一回死ぬなんてことは……」

じゃあ死のっか

バキン!

という乾いた音と共に、意識が遠退いていく。

何だ?

夢か?夢なのか?

死ぬの?俺

「ハハ…アンタはもう死んでるって。今は永遠の死に向かってるトコなんだよ」

それを最後に、俺が再び目を覚ます事はなかった

「龍汰くん、残念だったね」

幼なじみの茜が話掛けてきた。

今は親父の葬式途中。

俺は、詰まらなかったので抜け出してきた。

茜も俺と同じ考えだったようだ。

「……あぁ……」

実際は、悲しくも辛くも何ともない。

むしろ嬉しい。

親父はクソ以下だった。いつも家に帰らず、帰って来たら来たで、俺や母さんに暴力を降り続けた。

そんな親父を、

俺は好きではなかった。

茜「ねぇ。今度、二人で遊びに行こうよ」

茜はいつも明るい。

正直、親よりも自分の良き理解者であった茜を、俺は好きだった。

龍汰「うん……」

俺は軽く頷くと、葬儀場に戻った。

怖い話投稿:ホラーテラー ドラッグさん  

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