一時期バス釣りにハマってた事があった
仕事の外回りに出るといっつもサボって釣りしていた
その日も俺は仕事をサボってバスを釣りを始めた
ザリガニワームを使って底をさらっていたらナニかにかかって少し重くなった
俺(ゴミだな…)
そう思って巻き上げた。
水面に上がって来たものを見て俺は驚愕した。人の頭だと思ったのだ
しかし冷静に見ると明らかに小さい。すぐに人形だと気付いた
だが、人形だとわかってもなかなか上げる気にならない
悩んだ末に、俺はそのまま糸を切ることにした
糸を切り、沈めようとした時、人形が回転して上を向いた
バッチリ目があった
人形は俺を見つめたまま池の底へと沈んで行った
釣りを続ける気にはなれず、俺は早々に会社へ戻ることにした
その帰り道
赤信号で止まろうとしてブレーキを踏んだ瞬間、車はキックダウンした時のように加速した
俺は慌てて足元を確認する。踏んでいるのはブレーキで間違いない。咄嗟にサイドブレーキをひいた。しかしサイドブレーキは全くきかなかった。さらに車は蛇行を始める
訳がわからないまま、俺は信号待ちしている車に突っ込んだ
一台目の左後ろにぶつかる
そのままガードレールと車にぶつかりながら間を抜ける
最後にトラックの下にめり込んで止まった
俺はハンドルを握ったまま呆然としていた
「大丈夫ですか?」
外からかけられた声で我に返った
外に出てみると俺は五台の車にぶつかっていた
俺の車はぐしゃぐしゃ、しかもなぜかタイヤが全てパンクしていた。蛇行の原因はどうやらこれらしい
俺は奇跡的に無傷だったが、あれだけぶつかったのにエアバックは作動していなかった
事後処理は省くとしよう
サボっていた罰なのか、人形の呪いなのかはわからないが、ともかく俺はバス釣りをやめた
もう変なものを釣りたくはないから
怖い話投稿:ホラーテラー Mさん
作者怖話