俺達はダンプの運転手と軽く会話を交わした後、気を取り直して車に乗り込んだ。
念の為にミカちゃんに窓を閉めるよう指示をした。
もうやめておけばいいのに若かった俺達はトンネルへ急ぐ事にした。
さっきまでの山道を右に逸れて、更に細い山道進んだ。
更に細い山道は急な斜面ではあったがきちんとアスファルトで舗装されていた。
そして細い道を挟む様に両脇には等間隔で外灯が並んでいた。
外灯はトンネルの入口付近まで続いている様だったが、トンネルに近づくにつれ異変が起こった。
車が外灯を通過する度に外灯がはじける様に割れ、飛び散った。
まるでトンネルにいる何かが近寄るなと言っているみたいだった。
俺はハンドルを握りながら引き返そうとしたが、道幅が狭い為にUターンすら出来なかった。
もうトンネルに行くしかなかったんだ。
トンネルに着いた時には全ての外灯が弾けて飛び散っていた。
ここではUターン出来ないので、一度トンネルを抜け、出口にあるスペースで引き返す事にした。
トンネルは明治の頃に造られたものらしく、中はボロボロで天井からは水が滴っていた。
何故か真中辺りが少し膨らんでいる構造だった。
とは言え、車が二台すれ違う事は出来ないみたいだった。
俺達はトンネルを抜けたが、流れていたカーラジオがノイズに変わった。
それ以外は何事無く、無事出口に着いた。
安心からか俺は用を足したくなって、車を降りた。
浅野と前田も一緒について来た。
男三人で森に向かって立ちションをして、車に戻るとミカちゃんがいなかった。
俺はミカちゃんも小便か?と思ったけど、前田が探さないとヤバイと言い出した。
前田に言われるまま、辺りを探したけどミカちゃんはいなかった。
俺達が立ちションした場所と車はそんなに離れてなかったから、ミカちゃんは明らかにトンネルの中にいる感じだった。
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 紅天狗さん
作者怖話