2才年上の兄貴はバイト感覚で“拝み屋”“祓い屋”みたいな事をしてる。
そういう家系らしいのだが、俺はしてない。
いつものように、俺の部屋で友達のAとBとだべっていると、
『ガラッ』
扉を開いて兄貴が顔を覗かせた。
俺達を見回す兄貴。
俺「なに?」
すると、Aの目の前で、
兄「出て失せえぇぇェェっ!!」
と、一喝!!
ビクゥっ!…とする、俺達。
A「スミマセン…」
泣きそうな声が聞こえた。
兄「いや………お前らドコ行ってきた?」
俺「〇〇トンネル行った。……買い物帰りにドライブがてらに通っただけやけど…。」
兄「ふーん……
あんまり変なトコ行くなよー。」
広げてあったポテチをつまみ、出て行こうとした。
俺「ちょっ……!何か憑いてたんかっ!?」
兄「ん……
デッカい金魚。」
兄貴の言葉に3人で思わず吹いた。
怖がらせまい、気にさせまい、と思って出た言葉なんやろうが、もっと別なモノがあるだろうに。
AもBもガキの頃から親しみを込めて『あにやん』と呼んでいる。
俺はそんな『あにやん』を誇りに思う。
怖い話投稿:ホラーテラー 徳銘さん
作者怖話
あにやん2 story12238