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短編1
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あにやん

2才年上の兄貴はバイト感覚で“拝み屋”“祓い屋”みたいな事をしてる。

そういう家系らしいのだが、俺はしてない。

いつものように、俺の部屋で友達のAとBとだべっていると、

『ガラッ』

扉を開いて兄貴が顔を覗かせた。

俺達を見回す兄貴。

俺「なに?」

すると、Aの目の前で、

兄「出て失せえぇぇェェっ!!」

と、一喝!!

ビクゥっ!…とする、俺達。

A「スミマセン…」

泣きそうな声が聞こえた。

兄「いや………お前らドコ行ってきた?」

俺「〇〇トンネル行った。……買い物帰りにドライブがてらに通っただけやけど…。」

兄「ふーん……   

あんまり変なトコ行くなよー。」

広げてあったポテチをつまみ、出て行こうとした。

俺「ちょっ……!何か憑いてたんかっ!?」

兄「ん……

   デッカい金魚。」

兄貴の言葉に3人で思わず吹いた。

怖がらせまい、気にさせまい、と思って出た言葉なんやろうが、もっと別なモノがあるだろうに。

AもBもガキの頃から親しみを込めて『あにやん』と呼んでいる。

俺はそんな『あにやん』を誇りに思う。

怖い話投稿:ホラーテラー 徳銘さん  

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