朱水鏡は、もともとこの地域にあった物ではないらしく、何故こんな場所から出てきたのか…かなり不思議だったそうです。
やはり母が祖父から聞いていた通り、昔にひどい扱いを受けて無念の死を遂げた者達…それこそ、一つの大きな村の人々全員分とも言われる程の規模で起きた事件をきっかけに生まれた物らしく、住職自身も噂でしか聞いた事がなかったので、半信半疑ではあったとか。
朱水鏡は、大元の石であって、他にもいくつか念の塊の鏡石が地方に沢山存在していたらしい。
当時、綺麗な朱水鏡や青い鏡石を見つけた何も知らない旅人が高値で売りさばいた結果、地方に分散されてしまい、各地方で災いが起こり、その都度地域のお寺などでそれぞれが独自の方法で浄化されていて、名前も地域によって変わっていたりと、今ではほとんど見かけなくなったそうだ。
その中でも色でも分かる通り、朱水鏡は一番強い念の塊で、未だに残っていたのだろうとの事だ。
住職は木箱を開けて、石を見ると…「だいぶ弱まってはいるが、まだ念が残っています。この石を直接見たのは、あなた方だけですか?」
母と姉は「はい」と頷きます。
すると住職が少し席を立ち、しばらく経つと何かを手に戻ってきた。
手には少し大きめな御守りと、御札が2つずつ。
それを母と姉に渡すと
「この御守りには身鏡石と似た役割を果たしてくれる効果があるので、最低1ヶ月は必ず肌身離さず身につけておいて下さい。」
住職が御守りの中身をそっと見せて下さったらしいのだが、中身は小さな白い水晶だったとか。
御札は1年間、自分の家の居間(家族の集まる場所)に飾っておき、1年が過ぎたら、初詣の時に、破魔矢や絵馬と一緒にお炊き上げの際に一緒に焼くようにと言われた。
朱水鏡は住職が浄化すると言って木箱ごと引き取って下さったらしい。
1ヶ月後に御守りを持って、また来てくれとの事。
その後、母と姉は1ヶ月何事もなく過ごし…無事住職のもとへ御守りを持って行ったらしいのですが………
御守りを住職に渡して、中身の水晶を一緒に見たら、真っ黒だったそうです。
住職いわく、身鏡石も本当は黒くなかったはず…との事。
以上が母から聞いた、朱水鏡の話です。
私的には、もっと詳しい話を知りたかったのですが…
母が「あれは面白半分や興味本位で関わっていいもんじゃない。それだけ悲痛な念のこもった物なんだから。」と、それ以上の話はしてくれませんでした。
皆様の周りに、朱水鏡に似たものをご存知の方がいるかもしれません。
青い石だったり…呼び名が地域によって様々とゆう事だったので、もし詳しい話を知っている方がいたら、是非知りたいです。
読みにくい上に、長くて纏まりもなく、たいしたオチもない話を読んで下さってありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話