僕のボロアパートの部屋には14インチのアナログテレビとベッドしかない。
そのテレビなんだが73チャンネルに合わせると、どこかの地方のケーブルテレビなのか、砂嵐まじりで何かが見えていた。
そんなことは特に気にせずに毎日機械的に仕事に行っていた。
金曜日のある夜、次の日仕事が休みなので、発泡酒とするめなんかを買ってテレビを見ていた。ふと73にチャンネルを合わせるといつもより鮮明に映像が見える気がした。
『いつも気になっていたがなんだろう…』
なんて考えているとそこにはベッドとテレビを見つめている『僕』
……さらには上半身がはだけてげっそりとやせ細った女性が僕の後ろに立っているのがテレビ越しにわかった。
怖くて後ろが向けない… ただテレビを見ていると女性がだんだん『僕』に近づいてきていることはわかった。
そのとき、ガッと両手で肩をつかまれた。とともに意識がもうろうとしていくのがわかった。。。
気がつくと朝になっていてテレビは砂嵐、飲みかけの発泡酒が置いてある。
『なんだただの夢だったのか』
なんて思っていたけど、肩が痛い…
鏡で見ると手形がしっかりと肩についていた。
恐ろしくなって管理人のところに昨日の出来事を話しに言った。
『ちゃんと説明してほしい。』と言ってもなかなか渋って話をしてくれなかったが、説得のかいあってかようやく重い口を開いてくれた。事の全容はこうだ。
『あんたが越してくる二ヶ月前になるか、あんたの部屋には30歳くらいの無職の男が“ひとり”で住んでいたんだ。もともと近所付き合いも軽薄な男だったし、無口で無愛想なもんだから、誰も関わりたがらなかった。
その男の部屋からなんだがある日を境にドタドタと音がするようになった。単刀直入に言うな。男は近くの“ナミ”というOLを襲って部屋で監禁して、暴行、虐待わ繰り返したんだ。そのうちに部屋からは異臭が漂い、隣人もこれはおかしいと思い私に相談してきてな。案の定、女性は亡くなっていたよ。茶色く変色して。部屋には男の姿はなく、コンビニのおにぎりの袋や、菓子パンの袋が散乱していた、そしてビデオカメラがセットされていた。その男がセットしたものだろう。その後男は近くの森で首をつって死んだらしい。私が話せるのはここまでだ。』
ビデオカメラを通して、僕や他の人に助けを求めていたのかな…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係員さん
作者怖話