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短編2
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彼の正体

一人暮らしの女の子がストーカー被害に悩まされていた

アパートの郵便受けには差出人の名もなく切手もない一方的な愛の言葉を綴った手紙や、時には隠し撮りされた写真まで入っていることも

警察にも相談したが、戸締まりをしっかりして夜間は極力出歩かないよう注意を促されただけで何も変わらなかった

元気のない彼女を見て、友人が「気晴らしにおいでよ」と合コンに誘ってくれた

一人で家にいるのも嫌だし、彼女は誘いに乗ることに

その合コンで一人の大学生と意気投合

話に聞くと、彼のアパートは彼女のアパートの近所で二人の距離は急速に近づき交際することになった

彼氏ができたおかげかストーカー被害はパッタリおさまった

彼はまるで昔からの知り合いのようにとても居心地が良かった

ある休みの日

彼のアパートでまったりしていると「煙草買ってくる」と彼がコンビニに出掛けた

一人になるといつも以上に色んな所が目についた

ベッドの下の端からなにかはみ出している

‥アルバム?

他のアルバムはきれいに棚にしまってあるのに何故これだけ?

まるで隠すかのように‥

もしかして元カノとか?

少し躊躇したが彼女はアルバムを拾い上げた。

なにかが床に落ちた。

手紙?

四つ折りにされた手紙を開いて絶句した

「好きです。好きです。君はぼくのもの。いつも見ていてあげる。好きです。好きです。好きです。好きです。好きです。」

これ‥ポストに入ってた手紙‥

全身から冷や汗が吹き出した

恐る恐るアルバムを開くとほとんど彼女の写真で埋めつくされていた

鼓動がどんどん激しくなる

最愛の彼が自分に嫌がらせをしていたストーカー‥

その時、窓の外に彼の姿が見えた

まずい!帰ってくる!

彼女は急いでアルバムをベッドの下に戻した

「ただいま〜」

「おかえり。早かったね」

彼女は精一杯平静を装った

「どうしたん?何か手震えてるよ?」

「何言ってんのー普通だよ」

笑う顔も引きつる

その時彼がにっこり笑い振り向き

「じゃあさ〜これ何〜?」

彼の手には例の手紙‥

やばい!手紙だけしまい忘れた‥

彼をつきとばして靴も履かずにアパートを飛び出した

その日は自宅アパートには帰らず実家に帰ったが彼から連絡はない

数日後、友達に彼を監視してもらい私の近くにいないことを確認しアパートを引き払い実家に戻ることに

彼は実家の場所を知らないし、アパートから離れているので突き止められることはないだろう

その後、彼の姿を見る事はなかった

風の噂で、自殺したとか行方不明だとか聞いたけど真相は分からないまま

彼女は、一人暮らしと合コンはもう二度としないと語った

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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