友人の兄が実際に体験した話です
友人が幼い頃住んでいた家の近くには、少し古いトンネルがあったそうです。
ある日、友人の兄がおじさんと近所の知り合いと3人で車で買い物に出かけた帰りに、そのトンネルを通ろうとしたそうです。
田舎から町へ出かけていたので、時間は深夜の1時~2時前後でした。
車の運転席にはおじさん、助手席には兄、後ろに知り合いが乗っていました。
兄と運転しているおじさんには少し霊感があったみたいです。
何も気にせずにトンネルを通っていると、ちょうど中央に差し掛かった頃から、兄が「気分が悪い…吐きそう」と言い出しました。
そのときおじさんが兄に、「絶対に横を見るな。前だけを見とけ。」と言いました。
知り合いも同じように指示を受けて横を見ないようにしました。
何事も無くトンネルを抜けて、家の前に車が止まったとき、兄と知り合いは車から出ようとしたのです。すると…
「まだ出るな!!!!ドアもあけるな!!!!!」
おじさんが怒鳴ったのです。
2人は怖くなって、おじさんの言うことを黙って聞きました。その状態で10分くらい3人はじっと車の中にいました。
しばらくして
「今すぐ車から出て家に入れ!急ぐんだ!」
またもやおじさんが怒鳴り、2人は言われるままに、急いで車から降り、家に転がり込んだそうです。
兄は家に入ってもまだ気分が良くなかったみたいですが、1時間もすると楽になって、おじさんに訳を聞いたそうです。
その訳は
トンネルの途中からずっと
兄の乗っていた助手席の窓に、青白い髪の濡れた女の人が四つん這いになってへばり付いて、兄をじっと睨んでいた。
女の人は家の前までついて来て兄を睨んでいたが、しばらくすると四つん這いのままどこかへ移動した。
その隙に家に急いで入った
とのこと。
この話を友人から聞いているとき、一緒に聞いていた男の子はそのトンネルの近くにずっと住んでいて、
その話を聞いたとき、真っ青な顔で言いました。
「ずっと前、そのトンネルの近くの川で溺れて死んだ女の人がいるんだ…もしかして…その人の幽霊じゃないか?
だとしたら…俺その人知ってるんだけど…」
彼は今でもそこに住んでいて、トンネルをよく通っているそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話