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中編3
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叔父と友人

数年前に急逝した叔父は、2度の離婚を経験し、その親(つまり私の祖父母)も離婚しており、自分の子供(私の従兄弟)は親権こそ叔父にあるものの叔母について行ってしまったりと、家族に縁薄い人でした。

ですが、友人との付き合いは大変良好で、何時も仲間達と楽しく遊んでおり、死ぬ数年前に建てた家で始めた趣味兼商売のガレージには、行けば誰かが来ているという状態に仲間が集まってくる場所になっていました。

叔父が倒れた時も友人が遊びにきていたそうで、おかげで一人暮らしにも関わらず、発見時には既に死亡ということにならずに、すぐに救急車を呼んでもらえて、うちにも連絡がきました。

意識不明の2日間も、外回りのついで等と言いつつ、たぶん休暇や時間休みをとってまできてくれていたのだと思います。病院には代わる代わる誰かが来てくれていました。

式も、しんみりしたのは嫌がるだろうからと、叔父が大切にしていたバイクやギター、沢山の写真が葬祭場の人に無理を言って飾られて、お葬式というよりは送別会で、お通夜は思い出を語る会でした。

仕方なしに葬祭場に泊まる親戚達とは違って、みんな線香番をやると自主的に言って泊まってくれ、焼場や繰り上げ法要まで付き合ってくれました。

こんなに想ってくれる友人が沢山いることが、とてもありがたかったです。

叔父はガレージを友人の一人と一緒にやっていた為、よければガレージは続けてほしいと頼んだので、叔父が亡くなってからもガレージはやっています。

友人達は相変わらず誰ともなく集まっては思い出話をしたりしていました。

そんなある日のこと、友人の一人が自宅で昼寝をしている時、夢を見たそうです。

夢の中で友人は、叔父から電話が掛かってきて

「みんな集まってるよ、来ないの?」

と言われたそうです。

夢と現実との区別もつかないほどリアルで、その友人は

「え?Kさん(叔父)もいるの?」

と聞き、それに叔父は

「見えないかもしれないけど、いるよ」

と答えたそうです。そのとぼけた様子がまた、いかにも叔父らしくてリアルだったそうです。

ハッと目覚めて辺りを見渡し、枕元の携帯を確認し、夢か…と思いつつ、いつもガレージに集まっている仲間の一人に電話すると、夢で叔父が言っていたように、みんな集まっていたそうです。

「もう俺、嬉しくてさぁ。夢だけど、あれはきっと本当にKさん来てくれたんだよ」

と、その友人は目に涙を浮かべながら話してくれました。

ちなみに叔父は、仕事を辞めてそれまでずっとやりたかったガレージをやるようになってから「幸せすぎて、いつ死んでもいい!!」と言ってはいたものの、やはりまだ遊び足りなかったようです。

建てて数年の家を空家にするのは忍びないからと、暫くは従兄弟が住んでいたのですが、夜中にガレージに白いモヤが居たり、戸締まり後で誰も入れないはずなのにセンサーライト(居間とガレージを隔てる戸がガラスになっていて、誰かがくると点灯するので居間にいてもわかる)がよく点灯したり、写真を写すと魂といわれるオーブが写っていたり……と。

亡くなって数年の今も、友人達はガレージに集っています。

命日近くになると誰からともなく今年は何をしようかと計画を立て、車で2時間半も掛かるお墓にもお盆に参ってくれます。

早くに逝ってしまったものの、こんな友人達に恵まれて、叔父は幸せ者だったと思います。

そんな叔父ですが、この程、祖母にこんな夢を見せたそうです。

「俺今度結婚するんだ!!」

三度目の結婚はあの世でするようです。

生きてても死んでいても、楽しい人生を送っている叔父です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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