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中編4
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禁忌の神社

見える人ってのは少なからず存在しています。

その中できちんと払ったり出来る人は大変少ないそうです。

僕のばあちゃんは一応生業としてそういった霊的な関係のスペシャリストです。

相談者の年齢や性別、職業などは様々ですが、気のせいって場合が多々あります。

そして憑いてる場合はほとんど生きた人間の念でいわゆる「生霊」ってやつだそうです。

嫉妬や執着心が大半みたいです。

嫉妬や妬みが実際に多いのは実は男性らしいですが、女性の嫉妬の念は大変強いケースが目立ち、さらにしつこいみたいです。

こういった風にほとんどが知り合いの誰かが対象者を妬んだり、恨んだりした念が弱っていたり、またはその家族などで一番弱い人に作用する。こういった相談がほとんどです。

あとは土地が原因になる事が多いみたいですね。

原因に多く挙げられるのが井戸です。水や便所ってのは祟りやすかったりするようです。

昔からよく言われている事ですが、見落としがちな事みたいですね。

さて、ここまでのような内容はいくらでも紹介出来るし、ケースが多いので話しを載せる事は出来るんでしが、あんまりおもしろくないだろうし、ありふれた話です。

 せっかくだからこの道のプロが戦慄した相手の話しにしましょう。

ばあちゃんが「これはヤバイ」となった件です。

何年か前にばあちゃんにある寺の住職の知り合いから相談があった。

その知り合いはなんか仏教系の大学からの同期でその人は密教系の宗派らしい。(以後密教さんで)

密教さんの寺は山をいくつか管理しており、その山の中の一つに昔から禁忌の山があったそうだ。

寺なんだが昔は寺も神社も同居していた時代があって(神仏集合?だったかな、習合だったかな?)、神様も祀っていたそうな。

でも神様と言っても、人間から見れば完全に悪そのもの神様で、神社はご利益などは一切なく、ただただこの悪い神様が外に出たりしないように閉鎖してある神社だったらしい。

たまーに管理と監視として関係者が訪れるだけであり、知らない人には神社である事も分からない、ただの荒れた薄気味悪い山。

だから人など来るはずはなかったんだがある時、密教さんが定期的にする掃除も林道の草刈りや管理に入山した時に異変に気付いた。

山の雰囲気が異様。

ちょっと小高い見晴らしのいい場所から神社のあるだろう方角を見ると「青い」煙みたいなものが見える。

密教さんは多少霊感はあるがあまり強くはない。感じる事ができたり、匂い、嗅覚の方が優れている。

でも見えた事はない人。

その視覚で感じた事のない彼が「色」を見てる位だから、きっと何か普段と違う事が起きてるに違いないと感じて急ぎ境内に向かう。

その神社は神様を閉じ込める為の神社で、本当に極僅かの人しか知らない存在なので鳥居に格子状に柵が打ち付けてある。(格子状なのは迷わせる為?らしいがよくは分からない。)

柵が壊されて人が入った形跡がある。

嫌な予感がして行ってみると御神体を納めてある箱がなくなってる。

誰かが盗んだ事は明らかだがいつ、誰が、そして今どうなってるか等はさっぱりらしい。

で、失せ物探しもするばあちゃんにたどり着いた。

ばあちゃんはそんな変な神社なんかある訳ないって最初は断っていたそうです。(そういう荒神さんとは別のヤバイ山神がいるのは知ってたが、関わりたくなかったので)

しかし、密教さんが泣いてお願いしてくるので、引き受けたそうです。

結果、盗んだ相手はもう死んでる。

何故盗んだかは分からない。

御神体はその山のある隣の県のある廃屋にあるのが見えたそうで、一緒に向かいました。

無事見付かったけど、ばあちゃんも密教さんも御神体を確認する時にうっかり目で見てしまったのがいけなかったのか、二人して嘔吐が止まらなかったらしい。(御神体は見たらいけないものもある。大社さんもそうらしいし、皇室関係の神様もらしいです、ハイ)

一応それで一件落着という話しであっさりした、山場も盛り上がりも無い話しですが、こんなもんです。

ばあちゃんがヤバイと感じたのはマジです。

色んな相談も受け、強い悪霊も払ったりして、時には神様みたいに強いものと対峙した事もあるばあちゃんですが、この件が一番怖かったそうです。

「お外道様」と呼んでましたが、影名というもので、正式名は教えて貰えませんでした。

後にも先にも最怖最悪な存在だったそうです。

もし、まともにこのお外道様に関わったら家族みんな悲惨な末路を迎えてるって言われたんで、僕もそれ以上は聞きませんでした。

久しぶりの投稿にしてはあまり面白くなかったかもしれません。

次回は感動出来るものか、ハートウォーミングな話しを聞いておきますね。

なんか犬や猫の話しもあるそうですから。

怖い話投稿:ホラーテラー 松葉さん  

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