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短編2
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命日

今日が丁度自分の大切な人の命日なので、ここに書き記したいと思う。

4年前の今日

幼なじみのM美が死んだ。

と、言っても俺が殺したようなもんなんだが。

小・中・高と一緒だったM美は、それは五月蝿い女だった。

いつもクラスの中心にいて、底抜けに明るく、M美が笑うと思わず周りにも笑顔が溢れた。

成績も良くてクラス委員長とかにもなっちゃったりして・・・

かたや俺はというと、両親の離婚を期にグレ始め、

夜は妙な漢字がいっぱい書かれた服着て

バイクで騒音立てながら走り回るような典型的落ちこぼれ。

そんなう〇ことケーキくらい違う世界にいた俺たちの繋がりが切れなかったのは

ある意味奇跡だと思う。

20になっても相変わらずブラブラしてた俺を

M美はよくツーリングに誘った。

「また太ったんじゃねーの?」

久々のツーリング

開口一番悪態をつく俺の左のほっぺたを、M美はぎゅーっとつねる。

これは小・中・高から続く慣例行事のようなもん。

M美に初めて彼氏ができた時も涙目でからかってつねられたなぁ。

いらん話はさて置き

その日もM美を後ろに乗っけて地元と山道を飛ばしてた。

見慣れないたい焼き屋見つけて、芋あんとカスタード買って近くの公園で食ったりして・・・

すっかり日も暮れてM美を送る帰路の途中

不注意で飛び出してきた軽トラを避けきれずに転倒。

路肩に飛ばされた俺はM美を探した。

M美は後続車のトラックにはねられていた。

ほぼ即死だったらしい。

それからの事はあまりよく覚えていない。

自分の腕が変な方向に曲がってた事、病院の廊下の匂い、M美の親父さんの鉄拳・・・

あれから3年

M美の両親に何度も墓参りの許しを請い

ようやくM美に会いに行く事ができた。

懲りもせずバイクに跨って、あのたい焼き屋でカスタード味のたい焼きを買い

M美に会いに行った。

墓前に花と線香、たい焼きを置く。

自然と言葉が口をつく。

やっと来れたわ

ずっと、ずっと謝りたかったんよ

ごめんな、M美、ごめん

涙が零れる。

あの日以来泣いた事はなかった。

「また来るな」

フルフェイスのメットを被り、バイクに跨った。

M美の墓の方を何気なく振り返る。

「俺が死ねば良かったんよ」

その時フルフェイスを被ってるにも関わらず

冷たい指の感触が頬に伝わった。

ぎゅーっ

怖い話投稿:ホラーテラー りさん  

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