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短編2
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迷い森

むかしむかし

大きくはないけれど深い森があったんだ

森には僕と妹ふたりぼっちお母さんはここで待っててって言ったきりどこか行っちゃった

言うこときかなきゃ

僕はいい子だから

ふたりでじっと待ってたらもう森は暗くなってた

ポケットには固くなったパン一切れ

妹と繋いだ手だけが暖かかったよ

“ねぇ、まだかな”“ まだだね”

“お母さん遅いね”“きっと迷子になってるんだよ”

“いつまで待つのかな? ”“手が冷たくてあったかくなるころかな”

あたりは真っ暗で僕らのまわりを囲むのが木なのかそれ以外なのかもうわからなかったんだ

さぁ、暖かくなりに行こうか

森の中をどんどん手をひいて歩く

疲れなんて忘れてひたすら歩く…

そうするとぽつんと明かりがつく小屋を見つけたんだ

“あったかそうだね”

妹は僕につぶやいた

小屋は大きな窓が一つだけあって、にっこり笑いあう男と悪い魔女

テーブルにはご馳走ばかり

僕の大好きなハンバーグも妹の大好きなちょっと甘めのショートケーキも綺麗な男のもの

きっと隣の部屋で焼いている甘く落ち着くクッキーも全部が全部彼のもの

全てが全て魔女のもの

“泣いたらだめだよ?

どんなに優しい顔してもあの人悪い魔女なんだ”

ぼくは妹の涙を拭ったよ

“悪い魔女はどうなるの?”

“暖炉にはいって赤くなる”

“男の人はどうなるの?”

“ご馳走食べ過ぎずっと寝る”

“わたしたちはどうするの?”

“悪い魔女たち懲らしめるんだ

だって僕らはいい子だろ?”

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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