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短編2
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S山

高校を卒業してすぐに就職したのはガソスタだった。

実家から車で30分はかかるし、町から外れた田舎のスタンド。かろうじて国道沿い。

毎年1人ずつ新人を採用していたので、私と1つ上のG先輩、さらにその1つ上のA先輩と3人で仲良くしていた。

仕事が終わってからボーリングに行ったり、G先輩宅でゲームしたり、夜中にドライブしたりしていた。

ある日スタンド近くのS山に夜景見に行こうって話になってG先輩の車で山を登った。

S山は桜がきれいなことで有名な山で、城跡って聞いたことがある。普通に自車校に通っていた時もコースに使われる平和な山だった。

今思い返せば自殺の名所とか言われてたけど。夜景の名所だったし、駐車場の隅に使われなくなった電車が1両置いてあり、子供がよく遊んでいた。

その日全員仕事上がったのは19時頃。飯食ってからS山に着いたのは22時近かったと思う。

G『誰もいないしw』

私『みんな夜景見るって行ったら普通I山行くでしょ~』

G『でもここもキレイじゃん。あ、電車走ってる。』

A『銀河鉄道ぽいw』

私『つか寒いんだけど。』

なんて普通の会話してた。

I山はS山より町に近く、走り屋も多いが遊園地や動物園がある本当の夜景の名所。

G『…帰るか。明日俺早番だし』

私『もはや眠いし。あ、でもあの電車入ったことないや。』

A『入る?オバケでるかもよw』

私『おばけ~w』

G『ライトで照らしててやるよ』

私『いや、いいって。寒いし帰るって』

A『まぁ、中は普通の電車だし、別にいいか。』

G『根性ねぇなw』

私『うっせ。』

A『じゃ、解散しますか』

と何事もなく終了。

3人とも霊感ないし、翌日も普通に仕事してた。

昼近くなって給油を担当したお客さんはS山の管理人さんだった。

私『あ、こんちわ~。昨日夜景見に行ったんですよ^^』

管『あ~…ホントに~。昨日?何時くらい?』

私『22時くらい?』

管『夜景だけ見てまっすぐ帰ったな?』

私『?はい。電車入るとか言ったけど結局寒くてすぐ帰ったけど…』

管『あ~そりゃ良かったな。昨日山で首吊りあってな。』

私『マジすか…』

管『今まで警察と話してたんだけど、現場は電車の中だったんだわ。マイッタわ~』

私『…』

管『時間的にもし電車入ってたらお前が第一発見者だったなwあんまり夜遊びすんなよ。じゃあな』

私『ありがとございましたー…』

地味に一番怖かった話です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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