高校を卒業してすぐに就職したのはガソスタだった。
実家から車で30分はかかるし、町から外れた田舎のスタンド。かろうじて国道沿い。
毎年1人ずつ新人を採用していたので、私と1つ上のG先輩、さらにその1つ上のA先輩と3人で仲良くしていた。
仕事が終わってからボーリングに行ったり、G先輩宅でゲームしたり、夜中にドライブしたりしていた。
ある日スタンド近くのS山に夜景見に行こうって話になってG先輩の車で山を登った。
S山は桜がきれいなことで有名な山で、城跡って聞いたことがある。普通に自車校に通っていた時もコースに使われる平和な山だった。
今思い返せば自殺の名所とか言われてたけど。夜景の名所だったし、駐車場の隅に使われなくなった電車が1両置いてあり、子供がよく遊んでいた。
その日全員仕事上がったのは19時頃。飯食ってからS山に着いたのは22時近かったと思う。
G『誰もいないしw』
私『みんな夜景見るって行ったら普通I山行くでしょ~』
G『でもここもキレイじゃん。あ、電車走ってる。』
A『銀河鉄道ぽいw』
私『つか寒いんだけど。』
なんて普通の会話してた。
I山はS山より町に近く、走り屋も多いが遊園地や動物園がある本当の夜景の名所。
G『…帰るか。明日俺早番だし』
私『もはや眠いし。あ、でもあの電車入ったことないや。』
A『入る?オバケでるかもよw』
私『おばけ~w』
G『ライトで照らしててやるよ』
私『いや、いいって。寒いし帰るって』
A『まぁ、中は普通の電車だし、別にいいか。』
G『根性ねぇなw』
私『うっせ。』
A『じゃ、解散しますか』
と何事もなく終了。
3人とも霊感ないし、翌日も普通に仕事してた。
昼近くなって給油を担当したお客さんはS山の管理人さんだった。
私『あ、こんちわ~。昨日夜景見に行ったんですよ^^』
管『あ~…ホントに~。昨日?何時くらい?』
私『22時くらい?』
管『夜景だけ見てまっすぐ帰ったな?』
私『?はい。電車入るとか言ったけど結局寒くてすぐ帰ったけど…』
管『あ~そりゃ良かったな。昨日山で首吊りあってな。』
私『マジすか…』
管『今まで警察と話してたんだけど、現場は電車の中だったんだわ。マイッタわ~』
私『…』
管『時間的にもし電車入ってたらお前が第一発見者だったなwあんまり夜遊びすんなよ。じゃあな』
私『ありがとございましたー…』
地味に一番怖かった話です。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話