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私が小さいときに体験した話です
当時私は極度の怖がりで、夜になるたびに泣いていたそうです(まあ私は覚えてはいませんが)
そんなある日、母が近所の公民館で、会合を開いていました
その時父は留守。母は嫌がる私を連れて、公民館に向かいました
行く途中、「女の子怖い―!」
と私は何度も絶叫していたそうですが、母は焦っていたこともあって、まあ、いつもの怖がりだろう。程度にしか受け止めませんでした
公民館に着くなり、私は大泣き
「ちょっと廊下の所でテレビ見てなさい」
と母が言うと
「女の子がいるからやだ!」
と言って聞かなかったらしいです
そのまま廊下にほったらかしにしておくと、あまりにも暴れるので、叱るために母は襖を開け、大声で怒鳴ろうとしました
「うわ!」
母は私の服はぼろぼろ、顔には引っ掻き傷、という無惨な姿を見て、思わず叫んでしまいました
すると私が屋上に続く廊下を指差し、怖い―!と叫んだそうです
見かねた最年長の人が、
「あんたの娘さん見えるようだねぇ。厄介だから、気をつけて。」
と言い、嫌がる私に塩をドバドバ振りかけました
「何が見えるんですか?」
と聞くと、
「何。悪霊の五段位下の奴さ。まだとりつかれはしてないようだから、帰ってから気をつけなさい。」
とめちゃくちゃ曖昧な言葉を放ったそうです
後日隣のおばさんに聞いた所
昔ふざけて屋上で遊んでいた女の子が、お母さんに内緒で財布を盗んで来て、友達と度胸試しをしていたそうです
そのお母さん激怒し、娘を屋上に置いたままにして、反省させました
そろそろ反省したかなと思い、鍵を開けると……
そこはもぬけの殻…
なんて事が昔あったそうです
今でもこの話を人にすると、ドアがバタンバタン勝手に開いたり閉まったりします
作者ジキル