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何年か前の夏の話です。
その日は、夏休みで実家に帰っていました。 高台に立つ団地の3階で、エアコンも要らないほど風通しが良い部屋で贅沢に昼寝をしていました。
少し日が陰って来たころに目が覚め、外をボーッと眺めていると自転車に乗った人の良さそうなオジサンが釣竿を担いで窓の外の坂を昇っていました。
「今日も暑いねー」とオジサン
「そうねー、これから釣りですかー?」
「まぁねー、釣れるといいんだけどねー」
「まだ暑いから気をつけてー」
そんな他愛の無い会話をして、オジサンを見送りました。
そして、気が付いたのです。
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ここは三階だってことに・・。
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でも、不思議とのんびりした午後にピッタリの風景でした。
恐怖も何も無く、何だかクスリと一人で笑ってしまいました。
オジサン、魚連れたかな?
作者怖話