既出かもしれませんが、投稿します。
2chの怖い話だったかで、ゲシュタルト崩壊の実験を自分でやって精神が崩壊した人の話を知ったのは、つい最近のことです。
ゲシュタルト崩壊とは、「あ」と言う文字をじっと見ていると、「あれ?『あ』ってこんな字だったっけ?」と違和感を覚える、と言った感じのものです。
そのゲシュタルト崩壊を利用した人体実験とは、夜に鏡を見て、鏡の中の自分に向かって「お前は誰だ」と言うこと。
ただそれだけです。
しかし、それが本当に怖い。
ホロコーストの時代、実際に行われていたぐらいですから。
私は、「まあ一回ぐらいなら大丈夫でしょ」と完璧にたかをくくり、ある日の真夜中、試してみました。
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洗面台の鏡の中の自分に向かって、「お前は誰だ」「お前は誰だ」と繰り返しました。
鏡の中の自分の目を真っ直ぐに見据えながら。
もちろん、彼女も私の目を真っ直ぐ見つめます。
何度目かの「お前は誰だ」で、私は変な違和感を覚えたのです。
「この鏡の中の人って、本当に私?」
急に怖くなったのを今でも覚えています。
鏡の中には、私であるはずの女が映っていて、私を変な目で見ているのです。
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目の前の女が私のはずだ。
でも、私の顔ってこんなんだったっけ?
そもそも私の顔はどんなの?
思い出せない。
この鏡の女は誰だ。
私はすぐに洗面所を飛び出しました。
次の日にはもう、鏡の中の女は自分だとわかり、今も私は普通に暮らしています。
もう、あの実験だけはしない、と心に誓って。
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※追記です。
wikiで調べたところ、ゲシュタルト崩壊をもう少し詳しく要約して説明すると、
脳が物を全体的に捉えるのでは無く、部分ごとにバラバラに切り離して捉え直してしまうことです。
例えば、「歩」と言う字がゲシュタルト崩壊した場合、「止」と「少」に分かれてしまいます。
(私が今、「歩」をゲシュタルト崩壊させたときの感想です。)
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2chの怖い話の内容は、実験をやった投稿者の友人が、次第に自分の名前を忘れたり、鏡に向かって話しかけたりし、最終的には自分が誰だかわからなくなってしまったと言う話でした。
ナチスドイツの記録によると、普通、完全な自我崩壊には3ヶ月程かかるそうですが、三面鏡を使うと、もっと早くに崩壊します。
その間に物が認識できなくなるなど、頭になんらかの異常があります。
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ゲシュタルト崩壊の治し方は、軽い場合はとにかく休養すること。
それでも治らない場合は、精神科行きましょう。
酷い場合には、「自分」を無くしてしまう病気です。
試すのは個人の自由ですが、程々にしましょうね……。
作者祀離