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中編5
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二度と行かない

去年の12月頃の話。

その日私は体調をくずして会社を休んでいた。

だがその日は以前より友人A(女)に

彼氏とその友達(男)に会って欲しいと言われていた為

断るつもりだったが早く切り上げていいのなら…という条件で結局会うことになった。

会うのは晩であったし

午前中ひたすら寝ていたので体調も大分良くなり

何より奢りだということに惹かれつい行ってしまった。

よくよく思えばその彼氏の友人に私を紹介するつもりだったのだろう。

(あ、ちなみに私は女です。前に投稿した時は男だと思われてたので…)

Aの彼氏は運送業で

その日も急に仕事が入った為、合流するのは夜10時頃になったとのこと。

その時点で帰ろうかなと思っていたがAに引き止められしぶしぶ時間をつぶすことに…。

彼氏の友人をAの車で拾ってそこからあてもないドライブが始まった。

段々不機嫌になる私に気を使ったのか一生懸命話題をふってくるAの彼氏の友人にイライラしたのを覚えている。

まあ悪いのは彼ではないし

結局ついて来ている私が悪い。

なんだかんだ話した後

地元でも有名な○羽山へ行くことになった。

夜景が綺麗だとAが言うのでこのまま走ってても仕方ないし了解した。

怖い話等はよく見るがリアルな心霊関係が苦手な私は心霊スポットにはとことん疎い。

これから向かう○羽山は有名な心霊スポットだということはその時は知る由もなかった。

段々と車通りが少なくなり

段々と街頭も少なくなる

ああ山だなーとしか思わず特にわくわく感もなく窓の外をボーっと見ていた。

途中にあった工場のライトが光り輝いていてそれは綺麗だな、と思った。

途中から螺旋状に続く山道に入り若干車酔いし始めた私はますます不機嫌に。笑

あともうちょっとだから(汗

と慌てて言うA。

確かに駐車場の看板が見える。昇る途中に広いトイレらしき建物が見えた。

長い間ドライブしていた為トイレにも行きたかった私はあれってトイレ?と尋ねてみた。

あー…どうだろあれトイレだっけ?

あ、でも灯りついてるしトイレじゃね?

と車内で不確かな話をしている時、ふ、と女の人影が入っていくのが見えた。

今思えば何故女と感じたのかはわからない。

髪の長さなんてわからないしただ人影としてしか見えなかったがその時は女だと確信していた。

あ、今女の人入っていったよね?やっぱトイレ?

その言葉に他の2人が不思議そうに言った

え?誰もいないよね

うん、今ずっと見てたけど人なんかいなかったよ…?

その言葉を聞いた瞬間鳥肌がたった。

あーゆう突発な悪寒は初めてかもしれない。3人とも血の気がひいてしまった。

その時点で引き返せばいいもののここまで来たから、と結局駐車場へ入った。

その時にはもうトイレなんて気は全然なかった。

駐車場に入ってみると他にも何台か停まっており

カップルや天体観測か?というような機材を持ったお父さんと小さな男の子もいた。

他の人の姿を確認して大分安心したのか私を含め3人とも車を降りて意気揚揚と階段を上り始めた。

展望台まで結構な数の段の階段があり高いヒールのブーツを履いていた私にはかなりの動力を要した。

途中振り返り駐車場の方を見ると一台の白い車が駐車場を通り過ぎ展望台へ向かうであろう昇り道をあがって行くのが見えた。

Aも同時に見ていたらしく

ずるいねーなどと話ながら展望台へと向かう。

やっとついた展望台からは○○大橋が見え綺麗な夜景が一面に。何人か人も居て暗闇だが安心できる

…いや。

ちょっと待て。

さっき昇って行った車はどこだ?

Aも不思議に思っていたらしく辺りを見回したが白い車が見当たらない。

その時点で二回目の悪寒。

まあ、でも、うん、

どっか違う道に繋がってるんだよきっと。

などと2人で納得し合いながら夜景の写真をケータイで撮り始めた。

Aの彼氏の友人は仕事で遅れているAの彼に連絡を取っているようだった。

へー電波届くんだ。と思いながら視線を右にやると

廃屋?と思えるレストランみたいな建物があった。

中は見えなくてボロいカーテンがひかれている。

何故か近くで見たくなりふらりと立ち寄った。

その廃屋に何があるというわけではなかったのだが

無償に気になり中を除いてみたくなった。

ふらふらと歩いていた私の腕を何かが急にガッと掴み進行を遮られた。

待って。

そっち行かない方がいいって。

Aの彼氏の友人だった。

そのまま腕を引っ張ってAがいる所まで戻された。

Aが心配そうにしていた。

Aは彼氏と電話をしている最中らしく

うん、うん、わかった

すぐ戻るね、などと話をしながら私の腕を掴んでいた。

左はAの彼氏の友人に掴まれ右はAに掴まれ

私は何かヤバイことでもしたのかと不安になった。

電話を切った後Aがすぐに戻ろうと言い出した。

何で?という私の言葉も聞かず結局そのまま2人に掴まれたまま駐車場まで降りて行った。

歩きにくいことこの上ないのだが黙々と歩く二人に逆らえず車まで戻った。

車にのった途端Aが話し始めた。

あのね、信じないかもしれないけど彼氏少し霊感があってねこの○羽山って結構な心霊スポットなんだって。

さっきH(私)が向かって行ったレストランの廃屋に女の人と男の子の霊が出るらしくて有名なんだって。

何か悪い感じはなさそうだけどあくまで電話越しだし

それに夜に山は行かない方がいいからすぐ街に戻っておいでって彼氏に言われたんだ

その時にHがあの廃屋に向かってふらふら行ってるのが見えて本気で焦ったよ…。

それで慌てて話を聞いた彼氏の友人が止めに来たのか。。

私も車の中で落ち着いてみると何故あんな近寄りたかったのか。

何故中が除きたかったのか全然わからなかった。

ただ近寄ってぼろぼろなカーテンの隙間から中が除きたくて堪らなかった。

とりあえず止めてくれたことに礼を言って

山をおりることにした。

Aの彼氏も仕事から戻ったらしくこれから合流できるとのこと。

でも街まで戻ってから何だか急激に体調が悪くなりそのままAに送ってもらって帰った。

案の定次の日は熱を出して寝込んで欠勤。

その後は体調も良くなり特になにか呪われたとか

いかにもな話はありませんでしたが

あの時の無償に行動してしまった感覚が今も体に頭に残っており2度と夜の山へは行きたくないです。

Aはその時の彼氏とは別れてしまい

私とAの彼氏の友人の間にも何も進展はなかったので結局会えずじまいでお礼も言えないままですが

あの時止めが入ってなかったら私はきっと中を除いていたと思います。

除いていたら何が見えたのか。

想像だけでも怖くなります。

創作でなく実際合ったことなので読み手にはつまらないかもしれませんが私にとってはこの上ない心霊体験でした。。(涙)

皆様夜の山へ行く際はお気をつけて。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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