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俺はその瞬間、気絶してしまった。
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気がつくとどこかの和室のような部屋で目が覚めた。
俺(なんだ?ここどこだ?)
まだ辺りは暗闇だった。体をおこし部屋の周りを見渡したが暗いせいで何も見えない。
でも月明かりでかろうじて障子が見えた。
すると
トットットッ・・・
誰か階段のようなものに上がってくる足音が聞こえてきた。
その音は近づいてくる。
すぐ近くまでその音がくると、障子にシルエットが
見ると人だと分かった。
ゆっくりと障子が開いた。暗くて顔は分からない。でもそこに座ってる様子だ。
そして再び障子が静かに閉じた。
障子手前に何が置いてある。暗くて分からない。
どこか明かりはないものかと上を見上げると照明のスイッチの紐が見えた。俺はその紐を引っ張る。
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パチッ
部屋の中が明るくなった。
周りには何もない。あるのは、障子の前に置いてあった
ラーメンだった・・・
俺(食えというのか?)
空腹だった俺は、食欲には勝てなかった。
何故かそのラーメンに手を付けた。
まずはスープから・・・
ズズッ・・・
生臭いしツーンとくる匂い。これ不味・・・
意識が遠くなった・・・
目の前のラーメンがグニャグニャになる・・・
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ハッと目が覚めた!辺りは明るく廃屋の前に俺は気絶していた。太陽は真上にある。昼頃だろうか
俺(いけね!Rは大丈夫か?)
携帯の電波は届かない場所にいたため、再びRの車の所まで歩いて行った。
ひたすら歩いていると携帯が鳴った。
ここは、どうやら電波の届く場所らしい。
携帯を見ると、Yからだった。
俺「もしもし」
Y「久しぶり!どうしたんだ?昨日から全然電話でないしRも。心配してたよ」
俺「色々あったんだ!とりあえず○○の峠まで来てくれないか?」
Y「どうして?」
俺「訳はあとで話すから、大変な目にあったんだ!」
Y「分かった。ちょっと車だすから」
俺「急いでくれ!」
Y「ああ!」
良かった。Yが神様のように思えた。
ついでにRにも電話したが繋がらなかった。
しかし俺は安堵の気持ちでいっぱいになり早々とRの元へ歩いた。
ようやく昨日のあの場所まで着いた。
しかし見渡しても車がない。
そしてRもいなかった・・・
俺(連れ去られたのか?)
俺は放心状態でその場に崩れた・・そして泣いた・・・
俺(俺はなんでこんなに臆病者なんだ?どうしていつもダメ人間なんだよ・・・)
そんな事を考えていると遠くから一台の車が走ってきた。
中を見るとYだった。
懐かしさとホッとした気持ちでまた涙がでた。
目の前で止まり降りてくると
Y「どうした?なんかあったんか?」
そして俺はYに一部始終を話した。
Y「警察に通報するか?Rが行方不明になってんだ」
俺「とりあえず俺たちだけで探してみよう。面倒になるのはゴメンだから」
Y「どうやって探すんだ?」
俺「あの○○の浜辺まで行ってくれ」
そしてYの車に乗った。
Y「お前腹減ってんだろ?ちょいと先に飯でも食わないか?話もしたいし」
俺「そうだな」
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俺たちは浜辺とは反対方向に車を走らせ峠を下りすぐ近くのファミレスに寄った。
店内に入り、俺は窓際を背にしYと向き合うような形で席についた。
Yはカルボナーラを注文し俺は照り焼きハンバーグセットを注文した。
Y「しかし久しぶりに会ってこんな事になるとわな」
俺「ああ俺もビックリだよ」
Y「ほんとにRは連れ去られたのかなー」
俺「分からん」
Y「連れ去られたとしても、なんでお前は連れ去られなかったんだろな」
俺「さぁな」
しばらくしてカルボナーラと照り焼きハンバーグセットがきた。
Y「今日は奢ってやるよ」
俺「すまんありがとう」
Y「話を戻すけど、奴らとまた会ってどうすんだ?」
俺「会いたくはないけどRを探さなきゃ」
Y「そうだよな。奴らは人間なんだろうか?」
俺「分からん」
Y「そういや昔、お前が蹴って倒した事あるよなー。物理攻撃でも大丈夫なら武器ぐらいは持って行かないとなー」
俺「ああ、そうしよう」
Y「元気だせよ。俺もできる限り協力するからさ」
俺「サンキュー、期待してるぜ」
俺はとりあえずそれなりに元気がでてきた。
そして照り焼きハンバーグをむさぼるように食べ始めると
Y「ん?」
Yが窓の外を見ている。
俺「どうした?」
Y「あれっ!Rの車じゃないか!?」
窓を指さした。
俺も窓の外を覗くと駐車場にRらしき車が止まっている。
俺たちは立ち上がり店内を見渡した。しかしRの姿はない。
食いかけのカルボナーラと照り焼きハンバーグセットを残し急いで会計をすませ外へでた。
車を見ると
Y「ナンバーが同じだ!間違いないRの車だわ!」
俺はすぐさま、またRに電話をした。
がやはり繋がらない・・・
俺「どこにいんだよ!」
Y「店の人に聞いてみよう!」
再び店内に入る。
店員に聞いてみたが、いつから止まっているかも分からないようだ。
俺たちはとりあえずRの車の側で待っていようと思い店を出た。
・・・がしかし
車がない!さっきまであったRの車がなくなっていた。
Y「なんでこの短時間の間で車がなくなんだよ?」
俺「なんなんだよ!Rはもしかして俺たちをおちょくってんのか!?」
Y「ははー意外にそうだったりしてな」
俺「おい!テメーこっちは真剣なんだぞ!」
Y「わりーわりー冗談だ(汗)でもいなくなったもんしょうがない。とりあえずあの浜辺まで行こう」
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俺たちは車に乗りあの浜辺まで向かう事にした。
辺りはもう薄暗くなっていた。
そして峠に差し掛かった。
俺(またこの峠か・・・)
Y「この峠は暗くなるとほんと気持ち悪いよなー」
俺「そうだな」
しばらく走っていると後方から一台の車が迫ってきた。
そしてもの凄いスピードで俺たちの車を追い抜いた。
Y「そんな急いでも世の中いい事なんてないぞー」
するとその車は追い抜いたと思ったらいきなり急減速してきた。
Yはとっさにブレーキを踏んだ。
Y「っんだよ!危ねえーなー!」
俺「おっ!おい!・・・ああ・・・あれ!」
Y「どした?ん?おっ!あれRの車じゃねーかよ」
俺「止めさすしかないな!」
Y「その必要はないな」
俺「なんでだよ!!」
Y「乗ってるのはRなんかじゃねーよ」
Yはスピードを上げRらしき車に横付けした。運転席をみると
shake
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俺「うわっ!あのババァだ!!」
ばぁさんはニヤニヤしながらこちらを見ていた。
Y「俺こういう時って血の気が騒ぐんだよな」
俺「なんだ?何する気だ?安全運転しろよ!」
Y「分かってるって」
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Y
VS
アイルトンババァ
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平行に並んだ二台の車が競争するように走る。
すると対抗車線から軽トラが!
俺「危ない!!」
Y「クソッ!!」
Yはハンドルをきり急ブレーキを踏んだが車はスピン!
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shake
ドーン!
山壁に俺たちの乗った車がぶつかる。
俺「うっ・・うう・・・」
俺はどうやら、奇跡的に軽くフロントガラスに頭をぶつけただけで意識はあった。
しかし隣を見るとYが頭から血を流しグッタリとしている。
俺「Y!!大丈夫か!?」
応答がなく気絶しているようだった。
外をみると、軽トラが止まっている。
そしてばぁさんの乗ったRの車も止まっていた。
Rの車からはばぁさんがゆっくりと降りてきた。
そして軽トラからなんとあのじぃさんが降りてきた。
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続く・・・
作者バウ