中編7
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じよう頭様 ザ ファイナル

まずはこの話の内容は前作見て下さらないと分からないかもです(汗)

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俺はとある不動産会社で働く33歳のサラリーマンです。

東京に出てからもう10年以上が立つ。

結婚し2人の子供も授かり、結構それなりに幸せな生活を送っていた。

そんなある日、友人の同級生Rから電話がかかってきた。

久しぶりに友達みんなと会わないか?というものだった。

友達みんなと言っても俺(N)、R、Yの3人だけのプチ同窓会みたいなものだったが俺は10年以上も会ってなかったため心良くOKした。

今度の土曜日に会う約束をした俺はその日が待ちどうしくて本当に仕方なかった。

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そして会う当日、列車で帰省し久しぶりに帰ってきた地元を懐かしんだ。

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Rは地元の旅館で調理師として働いていたので、とりあえずRの家に行く事に。

家に着きRと出会うと

R「久しぶり!かわってねーな!」

俺「お前こそ!」

懐かしさとちょっと恥ずかしい気持ちもありながら、昔話に浸っていた。

R「ちょっとドライブにでもいかないか?」

俺「いいぜ!」

車の中でも色々な話で盛り上がった。

俺「最近はなにしてる?」

R「趣味でボクシングジム通ってるわ」

俺「世界チャンピオンにでもなるのかよ!」

R「バカいえ!体がなまってるからな。でもまぁ俺はつえーぞ!」

俺「ほぅーなんなら俺と勝負してみるか?」

とまぁガキみたいな会話をしながら車を走らせていた。

俺「Yは?」

R「今日は残業で遅くなるらしいぞ」

俺「そかアイツも大変なんだな」

R「毎日、大変っぽいよ」

車は海岸沿いに差し掛かった。

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夕日が輝いていて凄く綺麗だったから

俺「懐かしい海だしちょいと黄昏ないか?」

R「いいよ」

車を路肩に止め俺たちは浜辺へと歩いた。

俺「相変わらず綺麗だなー」

R「俺か?」

俺「バカヤロ!」

R「冗談だよ」

俺「ったく!」

すると間をおいて

R「なぁ・・・思い出さないか?」

俺はちょっとドキッとしたが

俺「ああ、覚えてる。思い出したくないけどなー」

R「二度と海には潜りたくないな・・・」

俺「臆病だなー」

R「お前は大丈夫なのかよ?」

俺「潜れる訳ねーだろ」

R「だわな」

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少し歩くと廃屋があった。

R「ここだよな」

俺「もうやってねーのか?クソ不味いラーメンまた食べてみたかったのに」

R「嘘つけ!」

入り口までくると、ボロボロになった屋根や塗装の剥がれた壁を見たRが

R「ちょいと中覗いてみない?」

俺「まったくガキだな・・・おたく何歳よ?」

R「ちょっとだけだって、お前も好奇心あんだろ?」

俺「分かった。ちょっとだけな」

中へ入ると、当時使ってたテーブルや椅子がそのまんまだった。

R「確か俺たちここ座ってたんだよなー」

俺「そうだったっけ?覚えてねーわ」

R「思い出のねー奴・・・」

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そんな事を喋りながら再び廃屋から出ると、辺りは結構、薄暗くなっていた。

R「そろそろYも仕事終わったろうから、迎えに行くか」

俺「そだな」

車に戻り、Yの家に直接、迎えに行った。

少しばかり車を走らせていると、道路の脇に軽トラが止まっている。

俺たちは気にもせず、その軽トラを追い越した。

その時だった・・・

Rの顔が真っ青に、なっている。

俺「どうした?体調悪いのか?」

するとRが

R「似てる!」

俺「なにが?」

車のスピードも徐々に上げている様子だった。

R「見なかったのかよ!?あの老夫婦に似てた!」

俺「まさか・・・もう車だって運転できない歳にはなってんじゃねーの?生きてるかどうかも怪しいぞ。考えすぎだ」

R「そうかな・・・?そうだよな」

峠に差し掛かった時、後方から車のヘッドライトの光が猛スピードで追っかけてきた。

R「おい!?ヤバくないか?」

俺「大丈夫だって」

その車は一瞬のうちに俺たちを追い越した。

俺「見ろ。スカイラインだ!軽トラがあんなスピードでる訳ないがな」

R「まぁな」

内心、俺もホッとしていた。気づかなかったが足が震えていた。苦笑しながら

俺「まぁ確かにビビるよなー」

R「ああ、かなり焦ったわ」

俺たちはお互いあの事が相当トラウマになっていた。

そして更に車を走らせていると

shake

ボロボロボロボロ〜ッ!

R「なんだ?この音?」

凄い大きな音がする。後方を見るも何もいない。

なんの、音か分からない。

俺「とりあえず車止めろ!故障かもしれん!」

車を止めエンジンを切るも音は止まない。

俺「すげー音だ!いったいどこからしてんだよ?」

するとRが

「ああ・・・あれ・・・あああ・・・」

フロントガラスの上の方を指さした。

そこには・・・

shake

ボロボロボロボロ〜

なんとヘリが上空から降りてきたのだ。車のすぐ目の前まで降りてきた時、操縦席をみるとヘルメットをしたあのじいさんと隣りにはニヤニヤしたあのばぁさんがいた。

ヘリが着陸した。

俺たちはもう硬直状態だ。

ボロンボロン・・・

ヘリのプロペラが止まりあの2人が降りてくる。

ハッと我にかえり

俺「とにかく車から降りるぞ!」

俺たちは車から降り逃げようとした時

ばぁさん「じゃーらん♪じゃーらん♪」

また、あの曲を口ずさんでいる。

じいさんもまた両手をオーケストラの指揮者のように動かし近づいてきた。

俺たちはもう大人だったせいか、その時は意外に冷静だったかも知れない。

俺はその老夫婦に

俺「あんたら!いったいなんなんだよ!頭おかしいでしょ!!なんか恨みでもあるんですか?いい歳こいて恥ずかしくないんですか!?どうなんだよ!!」

するとじいさんは動かしている両腕を下ろした。

少しため息をつくと・・・

右の手のひらに指をさし

じいさん「信じないだろうが、赤ん坊のお前をここに乗せ持ち上げて母さんに言った 「この子は世界一の人間になる」とお前が成長する姿を見るのが最高に幸せだった」

俺(何言ってんだ・・・?)

じいさん「やがてお前は独立し自力で歩み始めた・・・だがどこかで変わってしまった

人にバカにされても平気な人間になり下がった

自分のふがいなさを「影にかすむ」せいにした

分かってるはずだ・・・」

俺(はぁ?)

じいさん「世の中 バラ色じゃない。厳しくてつらい所だ 。油断したら、どん底から抜け出せなくなる。

人生ほど重いパンチはない!だが大切なのは・・・

どんなに強く打ちのめされても こらえて前に進み続けることだ。

そうすれば勝てる。自分の価値を信じるなら、パンチを恐れるな。他人を指さして自分の弱さをそいつのせいするな!それは卑怯者のすることだ!お前は違う!たとえ何があっても 俺はお前を愛し続ける。お前は俺の息子だ!人生のかけがえのない宝だ!自分を信じなきゃ!人生じゃないぞ!」

するとばぁさんがいきなり

ばぁさん「チャーチャーチャーチャラチャーチャラチャー♪」

ロッキーのテーマを口ずさみはじめる。

じいさんはシャドーボクシングをしながら再び近づきはじめた。

R「もう、やるしかないな・・・」

俺「やめろよ・・・」

R「大丈夫だ。俺だってボクシングやってんだ」

R

          vs

                     ロッキージジィ

カーン!

何故か俺の頭の中でゴングがなった。

ファイティングポーズをとったRとじいさんの距離が狭まった瞬間。

R「なめんなやー!」

左ストレートが炸裂した。

shake

ガコッ!

鈍い音だった・・・

じいさんのクロスカウンターがRの顔面を捉えていた。

Rの両腕は、ダラリと下がり体が前のめりに綺麗に崩れ落ちた・・・

俺「Rーー!!」

ばぁさん「ダウーン!!ワン!ツー!スリー!」

俺は急いでRの元へ駆け寄った。

なおもばぁさんはカウントを数えている。

ばぁさん「ナイン!テーン!」

俺(こいつらイかれてる!)

じいさんは再びシャドーボクシングをしながら、今度は俺に近づいてきた。

臆病な俺は

俺(すまん!Rまた迎えにくるから!)

俺は猛ダッシュで森へ逃げた!

草をかき分けながら、転がり落ちるように山を下っていった。

するとポツンと建つとある廃屋を見つけた。

もう体力は残ってなかった・・・

その廃屋に入ると中は何もなかったが俺は倒れる様に崩れた。

もうどれくらい眠ってただろうか時間は分からないがまだ暗闇だったから朝はきていなかった。

起き上がっても頭はクラクラ

Rは大丈夫なのか?アイツらなんなんだ?俺の頭の中はパニックになっていた。

すると外からシュッシュッ!っと音がする。何が近づいてくる!

俺(ヤバい!!奴らがきた!)

俺はカギの壊れたドアを内側からノブを掴み開かないように息を殺して潜んだ。

シュッシュッ・・・

音が近づいてくる。

俺(シャドーボクシングしながら来たんかよ!)

音はドアの前で止んだ・・・

と思ったのもつかのま凄い力でドアノブが回ろうとする。

俺は無我夢中でドアノブを掴んでいたがそれを上回る力だった!

俺(もうダメだ・・・)

そして最後の手段だった。俺は叫んだ。

俺「分かったよ!父さん!俺、真面目に生きるからー!!」

するとドアノブを回す力が次第に弱くなりドアの向こうには気配がなくなった。

俺(消えたのか?)

とりあえず1時間くらい待ち俺はゆっくりドアを開いた・・・

目の前には誰もいなかった。

ホッとしてドアを閉め外へでた瞬間、ドアの影から・・・

shake

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父さんはここだよ・・・

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続く・・・

Concrete
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