俺は今アパートに猫と一緒に住んでいます。
アパートの近くには、湧き水が出る神社が距離にして50メートルの所にあり、
近いんだが交通量のある片側2車線の道が横切ってるから、遠回りして信号をわたらにゃいかん。
なぜか家猫である俺の猫はそこで車に轢かれて死だんだ。
俺と猫の出会いは、子猫の時アパートの近くのゴミ置き場が初対面だ。
がりがりに痩せていて、にゃ~って鳴くけど、鳴き声はかすれててうまく鳴けない感じだった。
その時はなんも思わんかった。でも次の日の朝、ゴミを出しにいくと、ゴミ置き場にババァ達と生ごみを荒らすカラスと猫をつつくカラスがいた。「あ~死んだんだ」程度に思ってゴミを置く瞬間、猫と目があった。
助けを求めるような目だった。ただそう見えただけかもしれない。
次の瞬間カラスを追い払って、猫の首の皮つかんで持ち上げてた。
そこにいたばばぁ達が「その猫昨日からいるのよね~」「かわいそうだけど保健所に電話しとこうかしらね~」なんて聞こえてきた。こいつ死ぬしかないのかって思ったらなんか腹立ってアパートまで持って帰ってしまった。
それからはゴミ出しに行くとババァ連中から猫の事で話しかけられる事が多くなった。病院にもいったから猫は元気になった。名前は考えるのがメンドウなのでネコにした。ドラえもんが首輪をつけてた事を思い出して黒の革の首輪も買ってつけた。金はそれなりにかかるが、めんこいやつだった。いつのまにかよい友であり家族であった。
数年たった夏に俺の仲間達と2泊3日で旅行に行く事になった。
その話が決まってから旅行に行く日1週間前にネコがいなくなった。部屋の網戸をやぶって外に出たらしい。旅行に行くまでの一週間は会社に行く以外の時間は必死に探したが見つからなかった。出発日に仲間が車で迎えに来たので、ついでにゴミを出して行くかとゴミ置き場に行くと、ババァがネコにそっくりの猫が道路を渡って神社方面に行くのを見たと言ってきたので、仲間を待たせて神社を探しに行ったが見つからなかった。
気分がのらないまま出発した。1週間も探して見つからなかった事で諦めもあってか、それなりに楽しんでしまった。そして帰りの峠で事故を起こした。対向車が反対車線をはみ出して突っ込んできた。俺は後部座席に座ってて擦り傷程度ですんだ。運転席と助手席に座ってるやつと対向車のおっさんは、重症だったが奇跡的に死人は出なかった。
そのあと現場検証だとか病院だとかいろいろあり家に着いたのは次の日の夜中だった。疲れ果ててそのまま布団に倒れ込んだ。
「にゃぁ・・・」
薄れていく意識のなかでネコの鳴き声が聞こえたような気がした。目を開けるとそこにはネコがいた。
うれしさで涙がでた。起き上がり「いままでどこ行ってたんだよ~」とか言いながら撫でまわして、ネコの器にエサと水を入れてから寝た。
次の日の朝インターホンの音で目が覚めた。眠い目を擦りながらドアを開けると近所のババァ達が小さめの段ボールをもって立ってた。俺が「どうしたんですか?」と聞く言葉にかぶるように一人のババァがこう言った「神社に水を汲みに行ったんだけど、境内にある小さな社の前にたおれていたのよ」と、わけがわからん俺は「え?なにが?」と箱を見た。ババァは箱を玄関に置き中を見せた。そこには布にくるまった物があった。俺は布をめくって頭の中が真っ白になった。変わり果てた黒い革の首輪を付けたネコだった。昨日の夜帰ってきたのになんでかわからず固まって動けない俺を余所目にババァが見つけた状況を説明して帰った。
一昨日の夕方、水を汲みに行ったら道路からその社の方まで血が点々と地面についているのを発見して、気になって見に行き発見したらしい。俺が不在の為今日になったと。
一昨日は事故にあった日だった。本当は俺が助手席に座るはずだった。仲間が迎えに来たときは助手席があいていたがネコを神社に探している間に別の仲間を迎えに行ったみたいで、必然的に後部座席に座った事がきっかけで席が変わらず帰りも同じだった事を思い出した。
泣きながら「おまえが身代わりになったのか?」と声をかけ、優しくネコの亡骸をなでた時、ネコの鳴き声が聞こえた。
ネコのいない今も、ネコの器に毎日エサをあげる事が日課になった。
作者欲求不満
怖くはないです。しかも小学校以来の文章なので幼稚でごめんなさい。
実話なんですが、従兄弟の話を自分が体験したかのように書きました。
このネコの話は亡くなってからもいろいろあるみたいなので、また聞けたら書いていいですかね?