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もしも あなたの周りに 意思の疎通の出来ない人間がいたら どうでしょう
何を言っても通じない人間がいたら
これはある人間の物語です
彼は お笑い芸人になるために東京に上京してきました
来る日も来る日も稽古を続けました みんなを笑わせるために
辛いことがあったときも みんなが笑顔になってくれたらいいなと 思っていた
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そして お笑いコンクールで 初優勝して テレビで活躍するようになった
その日もテレビの収録で夜遅くまで 収録が続いていた
これはある種 会社帰りのサラリーマンと同じような境遇だ
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その日の収録が終わり 家に帰る途中 不良に絡まれた 20歳前後の不良集団だ
「お前 〇〇〇〇 だろ!!!!」
その時 僕は 有名人となっていたので よく声をかけられるように
なったのだが
まさか 不良集団に声をかけられるとは思っていなかった
俺は 黙ってその場を離れようとした
しかし「何か面白いことやってみろや」
突然のフリに少し戸惑いながらも
俺は
とっておきのギャグを披露した
しかし・・・・・・・・
ウケなかった
その後も 何度も 何度も 持ちネタを披露したが ウケず
「お前 面白くないから」 そう言われた のがショックだった
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その日から 何度も 何度も その不良集団に絡まれるようになった
スタジオの観客に大ウケしたネタも 全くウケず
そこで どうしても 不良集団を 笑わせたくなり
必死で ウケそうなネタを考えた
そして 必死に 考えたネタを 不良集団に披露した
初めは まったく笑っていなかったが 徐々にウケてきて 最後のほうでは 大爆笑で 拍手喝采だった
気分がよくなった俺は
早速テレビでも 同じネタを披露した しかし 全くウケず
その日から 人気に陰りが見え始めた
その後 世間ではすっかり 忘れ去られ ラジオ番組にも 呼ばれなくなり 地方の営業を こなす C級芸人になってしまったのである
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そんなある日 また あのときの 不良集団が やってきた 「また 面白いことやってくれよ」
そこで あのとき本気で笑ってくれた 不良集団達の 少年のようなさわやかな笑顔を思い出した
世間では冷たい目でみられてる彼らが 俺には 神様に見えた
そしてあの時のように 必死で ネタを見せた
爆笑の嵐だった
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その時 売れっ子芸人になってしまって有頂天になってしまっていた 自分がいたことを思い知らされた
俺はみんなを笑わせるためにこの仕事をやってるんだ
その日から 一生懸命 初心に戻って 人を笑わせるために 尽力を尽くした
その日から また仕事が増え始めた
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あの時 不良集団に出会わなければ 俺の人生は終わっていた
そのことを考えると ゾッとした
作者ダダ