今から数年前の話です。
その日地元で親友達と自分を含め3人で、飲みに出掛けた日の事です。
まぁ「飲み」なんて云うのは言葉だけで、ひとりは運転手、ひとりは妊婦、自分は下戸なので晩飯に行くとお考え下さい。
地元は田舎なので、遊ぶ場所も無く毎度適当に集まり、腹を満たし、適当に騒ぎ解散。この流れを毎度繰り返すのです。
いつも通りでした。
いつもと違うとすれば、一人は人妻妊婦なので早めに家に送り返そうとしたくらいだった。
しかし、もぅひと騒ぎしたかったので『母校の小学校に足を伸ばさないか?』…と、多分自分が云い出した気がする。
勿論悪友は話にのる。運転手と云うポジションをフルに活用してあっという間に目的地。
親友(人妻)は怖い話が大嫌いなので嫌がる嫌がる。
此処で前にあった事を思い出したに違いない。
あまり調子にのると彼女に酷く殴られるのは、長い付き合いでわかっているので、程好く「夜の小学校は気味が悪い」体験をしたのち彼女を送り届けた。
さて、と。
当然の事の様に運転手は元来た道を戻り、小学校へ到着。
「遊び足りねぇだろ!」
と云う奴の笑顔は悪意に満ちていた。
自分もそこそこビビりだからである。
『ですよねー。』
抗え無い、抗わない。好奇心が勝るものだ。
車を降り、今回は校庭へ向かう。
小学校のグランドすぐ隣に幼稚園、反対方向には小さな林がある。(所によれば観察の森とか生き物の里、といった名前があるような場所)
脇にある幼稚園を過ぎて校庭に入る。
不気味だ。グランドの端にある林が真っ暗な上ざわざわとないているのだ。
『(何があってもあそこは行かない。)』
親友の少し後ろを歩きながら、心に決めていた。
彼は場数を踏んでいる。
サクサクと進む、が、ピタリと止まり不意に振り向いた。
グランドの校舎寄り、時計が正面に見える場所だった。
『何?』
「…。何か云った?」
『いや、急に止まるからビビったwww。つか、向こうは無しなガチで怖いwwwチビるwww』
笑いに持っていかないと、本当に気持ち悪い雰囲気だった。場所が、と云うより。彼がいつもと違ったのだ。
『てかトイレ行きたい、コンビニ行こうてか連れてってwww漏る漏るwww』
異様過ぎて親友に喋りまくる。
ホレ、車に戻るぞー等と云いながら。
それでも動かない。喋らない。
『…行くぞ。』
バシッと肩を叩いた。ついでに車の鍵を奪い取った。
「…T、悪りぃ。」
『キリキリ歩け、足www』
一瞬いつもの空気に戻った。
~プルルルルル~
「…聞こえた?」
電話の音だ。しかも職員室辺りから。
真夜中では無いもののこんな時間に?
『あぁ、んな時間に間違い電話とかあんの?』
『びびるよなー』
『コンビニ寄ってトイレなー』
気をまぎらわす様に喋っていた気がする。
その間親友も相槌を返してくれていた。
車迄の道程がやけに長く感じた。
無事にコンビニ、トイレを済ませ一服。
静かな親友が気味が悪い。
『…なんかあったわけ?』
「Tは聞こえた?」
『いや、Sも聞こえただろ?』
「何が?」
『電話の音。』
「俺が云ってんのは子供の笑い声。」
「聞こえた?」
作者Яёу.
はじめましてです、おはこんにちばんやぁー。
つたない文お読み下さり、ありがとうございます。
此方は自分T、悪友S、親友人妻で基本的にお話は構成される予定です。
この小学校であと2つ程お話があります。
時間軸で云うとこの話以前になりますが。
捕捉と致しまして。
Sには聞こえた子供の笑い声、全く聞こえませんでした。
あの電話の辺りからうまく動けなく、体も声もヤバかったらしいです。
「恥を忍んで、手を引いてもらおうかと思った。あれはマジでヤバかった。/by,S」
との事でした。
このような体験談をチラホラ上げる予定です。
最後までお付き合いありがとうございました。