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短編2
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お婆さん

我が家にはお婆さんの霊が、いた。

すでに過去形だが。

我が家は社宅扱いの一戸建。

夫の会社の社長のお母さんが住んでいた家を格安で借りている。

誰も住まないと家が痛むし物騒だ…と言う事も有るからだ。

私達が家を借りる前年にお婆さんは亡くなっていてまだ歩けない娘を連れてお葬式にも参列した。

生前には1回か2回しか会った事はない。

二階建てで屋根裏は物置になっている、屋根裏への階段は収納式だ。

引っ越して数日、家族全員が1Fに居るのに2Fを歩く足音がした。

私の気の所為かと思っていた。

別の日、まだ小さな娘が2Fで寝ていた、夫と私は1FでTVを観ていた。

娘は階段を1人では登り降り出来ないが、転落防止の為階段の1番上と下には柵を付けていた。

ミシ

ミシ

ミシ…

階段を降りる足音がする。

夫と目が合う…

ミシ

ミシ…

また、足音が…

柵の鍵は外側に有り娘には絶対に開ける事は出来ない。

柵の締め忘れ?

慌てて階段へ!

柵は閉まっている、一応2Fに娘の様子を見に行くがスヤスヤ寝ている。

足音が自分だけではなく夫にも聞こえていた事にびっくりした。

お化けや霊など全く信じない、霊感0の人だからだ。

私は何回が不思議な体験や金縛りは有るし、霊の存在は信じている。

その日から足音は頻発に聞こえたが、全く怖くない。

夫の口から、「お母さんかな…」この場合は社長のお母さんと言う意味だ。

私もお婆さんの感じがしていたので2人の間では社長のお母さんと言う事で納得していた。

数年たって娘がちゃんと喋るようになった時、「おばあちゃんが…」「おばあちゃんが…」と言う事が何回もあった。

やっぱりお婆さんなんだと確信。

引っ越しで来てから約10年後、だんだん足音がする回数は減り、今では全く気配を感じられない。

娘はお婆さんが居なくなってから窓を外から叩く音がしたり白い女の人を家の中で見たりするそうだ。

守ってくれていたお婆さんが居なくなったから…なのかな?

娘にあげた水晶の勾玉は1週間ほどで茶色く濁ったけど…

Concrete
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