自分の知り合いNさんが体験した話です。
夏の蒸し暑いその日、Nさんは男女4人でドライブをしていたそうです。
仮にそれぞれをAさんJさんMさんとします。
そんな中心霊スポットに行こうって話になって、近くにある心霊スポットに向かいました。
車内ではみんなちょっとテンションが上がってて、その心霊スポットの話になりました。言い出しっぺのJさんによると、向かうのは「○○の滝」自殺の名所で皆滝壺目掛けて飛び降りて死体が上がって来ないことも有るらしい。昼間でも目撃談が後を絶たない場所で写真を撮ると必ず何かが写り込むというかなり危険な場所らしいです。
ただ1人だけ浮かない顔をして行くのを躊躇っている人もいたそうです。
Aさんは少しだけ霊感のある人らしく、面白半分にそういう場所には行きたく無いと言ってきたそうです。
ですが、Aさん以外は霊感なんて皆無なので、Aさんがこれ以上は危険だと判断したらすぐに引き返すからと半ば強引に納得させて目的地に向かいました。
目的地につくと辺りは真っ暗で、人の気配など全くありません。
車を駐車場に停めて、懐中電灯を片手に滝を目指して歩き始めました。
前列には男のNさんJさん、後列に女性のAさんMさんみんな暗い坂道を滝に向かって下って行きました。
少しすると遠くに滝の見えるちょっと広い踊り場のような場所に出たらしいです。
その時にAさんが「滝壺に何かいるよ。白いものが浮いてる。これ以上は危ないよ帰ろうよ。」ですが、他の3人には何も見えません。Nさん曰くこうなったら何としてでもみてやろうって気になったらしいです。何でそんなことを思ってしまったのか未だに自分でもわからないらしいです。
Aさんの忠告を無視し3人はどんどん坂道を下って滝に近づいて行きました。
仕方なくAさんもついて行くしかありません。
もうすぐ滝に着くというところでNさんは異変に気づいたらしいです。
先頭をいつの間にかMさんが歩いていることに、それもかなりの早足で進んでることにも。
NさんはMさんにもっとゆっくり歩くように言ったのですが、聞こえなかったのか返答はなくどんどん先に進んでしまいます。
その時Aさんが泣きながら「これ以上は本当に行けない!本当に危ない!お願いだからもう戻ろう!!」
その言葉と怯え切った表情を見てNさんとJさんは引き返すことにしました。先に進んでしまっているMさんを連れ戻しに2人でMさんの元へ急いで走って行きました。
Mさんは滝が近くで見える場所まで着いていました。事情を話しすぐに戻る事にしたのですが、Jさんがおかしな事を言い出しました。
「おい!滝壺になにか浮いてるぞ!」
その言葉に反応して滝壺をみるとさっきAさんが言った白い物がありました。見事に宙に浮いた丸い白い透けた物体です。何かはわかりませんが、この世のものではない!そう直感しました。しかも自分たちに徐々に近づいて来ます。
霊感なんかない自分たちにもはっきりみえてしまい、これはヤバイとパニックになりながらもと来た道を必死に走って逃げたそうです。
なんとか車まで逃げて来たのですが、ふと見渡すと3人しかいない事に気づきました。
「Mがいない!」3人同時に声を上げすぐに滝に向かって走り出したそうです。
Mも坂道を上がって来ているなら途中で鉢合わせになるはず、そう思いながら走っていましたが一向にMさんは姿を表しません。
ついには滝壺が見える場所までついてしまい、そこで信じられないものを目にしました。
合掌しながら滝にうたれているMさんがそこにはいたのです。
異常な光景でした。
そこにいたのは3人の知るMさんではないMさんでした。目は血走っていて、ブツブツ何かを呟きながら口からはよだれを垂らして全身ずぶ濡れの明らかに普通じゃないMさんがそこにはいました。
すぐにNさんとJさんで水の中を泳ぎ連れ戻し、車まで走りました。
すぐに車を走らせ、何とかその場を離れましたが、相変わらずMさんは合掌しながらブツブツ何かをつぶやいています。
どんなに声をかけても何の返答もなく、二人掛かりで手を離そうとしてもものすごい力で全く離れません。
途中で塩を買い、叩くように振りかけてもなんの効果もありません。表情とつぶやきも一向におさまりません。
3人は途方に暮れ、Mさんを家に送り泣きながら家族に事情を話し、謝罪しその日は解散となりました。
次の日NさんのもとにAさんから泣きながら電話がありました。
「Mが!Mが!」
「どうしたんだよ?落ち着いて話なよ。」
「Mが…。家族殺して警察に捕まった!」
「は⁉」
詳しく聞くと次の日AはMが心配で、家まで様子を見に行ったそうです。その時に家の周りには警察官や野次馬で溢れていたそうです。そのうちの1人に事な顛末を聞いたそうです。
Mを家に届けてから理由はわかりませんが、家族を包丁で滅多刺しにし返り血を浴びたまま外を徘徊しているところを警察に見つかり捕まったそうです。
その時に相変わら目を血走らせながらブツブツ何かを言いながら、抵抗もしなかったそうです。
ただ合掌していた手は離れ、その手には凶器の包丁が握られていたらしいです。
あの時もし無理やり手を離していたら自分たちがそうなっていたかもしれません。
以上が自分が聞いた話です。
実際に起こった事件なので、新聞にものっていたらしいです。
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作者ナーヨー
素人の駄文で読みづらいと思いますが、お付き合いください。