これは自分が高校の頃に体験した話です。
その日自分は夏休みだったんで、友達のYくんの家に泊まりに行ってたんだ。田んぼと畑しかなくて、街灯もない本当に田舎町でもちろんゲーセンやボーリング場はおろかコンビ二もない。やる事といったら2人で部屋でプレステしたり漫画読んだりして過ごしてた。
だけど夜中の1時をすぎた辺りから、2人して暇だね〜。って感じになって寝るのもなんだしね〜って思ってたら、Yくんが「近くに心霊スポット有るけど行く?」って言って来た。
今まで心霊スポットと呼ばれるところには行った事が無かったし、暇だったし、なによりちょっと面白そうだなって思って「いいね〜行こう!」ってなんとも軽いノリでいく事になった。
(今考えると男2人で心霊スポットに行くって寂しい奴らだな。)
Yくんの家から自転車で10分くらいのところに有るらしく2人で自転車で夜道を軽快に走って行った。向かってる最中にどんな場所か聞いたんだ。
その建物自体は昔は給食センターだった建物で、確か5階建てだったかな?
一階がでっかい厨房で二階が会議室やら大広間やらがあってその上の階すべては居住区になっているらしい。
なんでも、そこで実際に殺人事件があったり自殺者が出たりとかなり曰く付きみたいでした。
建物に着くとさすがにちょっと後悔した。
まさに廃虚だった。ガラスは割れてるし、ゴミは散乱してるし何より空気が重い!さすがに怖い。
でもここまで来て引き返すのもって思って、覚悟を決めて足を踏み入れた。
建物内は真っ暗で空気が冷んやりしてて、いかにもなにか出て来そうな雰囲気。
床にはガラスが散乱してて歩くたびにギシッギシッと音がなってた。
一階を見て回ると、次は二階へ。
2人で正直ビビりながら、何故か音を立てないように静かに階段を登って行った。
二階の各部屋を回ってる最中にYくんがとりあえず屋上行かないって言って来た。正直外の空気を吸いたかっていうのと怖かったっていうのがあって2人で屋上を目指すことにした。
階段を上がるだけなのにやたら時間がかかったのを覚えてる。
上からなにかが降りてくるんじないかとか変な想像ばっかりしてすぐに下りられる準備をしつつ階段を登ってた。
要はビビってたんですよ。
でも何もなく屋上へ到着。
暗い空間から解放されてちょっと安心した。
2人で何にも起こらなかったね。などとはなしてた。
(階段を5階まで上がるだけで20分位かかった。メッチャビビってた証拠です。)
手すりにもたれかかって下を見ながらタバコを吸ってたその時だった。
遠くの方から音が聞こえて来た。
かなりの数の音。
それも段々ちかづいてくる!
あっという間に建物が取り囲まれた!
ヤバイ!!暴走族だ!!
事もあろうに建物に入ってこようとしている。
なんてこった、こいつらも肝試しか⁉
「ヤバイ!逃げるぞ‼」
Yくんの声で我に返った自分は一目散に階段へ走った。
Yくん曰くこの町の暴走族はタチが悪いらしい。捕まったら何をされるか分からないから鉢合わせにならないように裏口から出ようって事になった。
必死にYくんの後についていく。階段は一つしかない。奴らが一階を散策している間に降りきらなくてはならない!
なんとか無事に見つからず裏口から外へ逃げる事に成功した。
自転車も予めちょっと遠くに置いていてよかった。
自分でビックリしたことは、登る時はビビりながら20分もかかったのに、いざ逃げる事になったらたったの2分……。
幽霊やその類より人間の方がもしかしたら怖いのかもしれない。
逃げてる時、2人で自然と笑ってました。
アホです、自分たち。
作者ナーヨー
こんな感じで逃げました。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘