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短編2
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天国の祖父

皆さんは魂の存在を信じますか?

自分は信じていませんでしたが、母からこの話を聞いて信じる側になりました。

自分の祖父は今から7年前に 癌で亡くなりました。

癌が発見されてから手術はせず投薬の治療を祖父は選択しました。癌の摘出をしない選択をとったのです。この時点でそれがどういう事かみんなわかっていました。

残された時間を一緒に過ごそうと旅行に行ったり、できる限りご飯はみんなで一緒に食べたり、色んな話をしたりして過ごしていました。

ですが、日に日に体調は悪化していきついには歩けなくなり入院を選択せざるをえなくなりました。

徐々にどころではなく、みるからに痩せて細くなっていく祖父。

「痛い!痛い!」と口にするようになっていきました

何日間もそんな状態が続いた時に祖父は祖母に

「頼むからもう殺してくれ!」

と言っていました。

祖母は泣きながら笑いながら、

「何言ってんの?私を殺人犯にしたいのかい?」

なんて答えていました。

あのやりとりは何年たっても鮮明に覚えています。その時には自分も含めみんな泣きながら笑っていました。

それから数日後、母が病院に様子を見に行った日のことです。祖父は言葉もだせなくなっていて、寝たきりの状態で一日を過ごさなければならないほど癌は進行していました。

祖母も

「そろそろかもしれないね」

と力なく言って来たらしいです。

母が祖父の顔を見ようと祖父の方に目線を移すと、祖父が天井を指してます。

「…?。どうしたの?」

しきりに天井に指を向けています。

「そこになにかいるの?」

すると自分と天井を交互に指をさしたらしいです。まるでそこに自分がいるかのように何度も何度も繰り返し交互に指をさしています。

「そこに自分がいるの?」

すると頷いたらしいです。

母も祖母もビックリしたのと同時にこんな質問をしました。

「どこから出て来たの?」

すると口を指差しました。

祖母は泣きながら喜んでいました。

「よかったね〜。魂は浄化されればされるほど、頭に近い位置から出てくるんだよ。口なんてもうほとんど頭じゃない?浄化された証拠だよ。」

……それから3日後、祖父は深い眠りにつきました。

みんな祖父のことをよく頑張ったね。

もう苦しまなくてすむね。としきりに声をかけていました。

最後は苦しまず、眠るように息を引き取りました。

それが本当に魂だったのかどうかはわからないけど、やっぱり魂だったと信じたい。だって祖父はそれが浄化されたおかげで今はきっと天国にいるんだろうなって自然と思えるから。

ずっと見守っててくれてる!

そんな気がする。

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