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短編2
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埋蔵金を掘り当てた人

すごく短い実話だけど。

私の住んでいる田舎町で100年程前の昔に、山頂で畑を耕していたとあるおっちゃんが、両手サイズの甕(かめ)を発見した。

甕と言うのは胴が丸くて底が深い土器の瓶で、その甕の中には何と大判小判が淵までみっちり詰まっていたらしい。

いわゆる埋蔵金と呼ばれるラッキーな代物。

だが、第一発見者のおっちゃんは生まれも育ちも山奥の小さな農村出身で、学校なんて行った事がないため埋蔵金も知らなければ、大判小判の金の価値さえ分からなかった。

それで、おっちゃんは「これなんやろなぁ〜麓でいっちゃん頭ええお武鉉者(おぶげんしゃ…お金持ちの屋敷)に言って聞いてみよか」と、その屋敷まではるばる訪ねに言って、大判小判の詰まった甕を見せた。

で、結果は、当然だがその甕を屋敷の人間に取り上げられたらしい。

さすがに一割程度はおっちゃんに分けたらしいが、それでも今の価値に換算すれば何千万としただろう。

それでもおっちゃんは文句一つ吐き捨てる事もなく、今まで通り畑仕事に精を出し、その子孫は今幸せに暮らしている。

そして、埋蔵金をパクった屋敷の一族は…

後に一族全員が、その埋蔵金を巡って血生臭い争いを繰り広げたそうだ。

しかも死体を土間の下に埋めたとか、恐ろしい噂が町中に流れたらしい。

その噂が本当かどうかは知らないけど、埋蔵金の発見はちゃんと町史に記録されている。

その屋敷は今はなく、一族の人間も全員が何故か行方不明。

結局、生きた人間が恐い話でした。

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