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短編2
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変死体

これは、警察官として働いていた知人から聞いた話です。

知人は、いわゆる刑事課に所属していてよく変死の現場へ行っていたそうです。

普通の死体から腐乱した死体まで様々な現場へ行っていたようなのですが、やはり不可解な現場も少なからずあるようで、一緒に飲んでいる際にその時に体験した話を聞かせてもらいました。

知人が刑事課になって数年目の春、住宅の一部で異臭騒ぎがあり、確認のため現場へ行くことになったそうです。

通報があった内容からして、変死であると思った知人は、先輩方と共に現場へ向かったそうですが、いつものことなので、早く終わらないかな~などと思っていたそうです。

現場は平屋タイプの住宅で、現場へ着くなり独特の腐乱した匂いがしていたので間違いないと確信した知人は、臭いの元となる一室へ向かいました。

ドアを開けて中へ入った知人と先輩が部屋を確認するも、死体がある様子はなく、あるのは6畳ばかりの部屋の中央に黒ずんだ血溜まりのような跡があるだけだったそうです。

その血溜まりは、真上に位置する天井の板と板との間から滲みでた液体が原因であったため、一番後輩であった知人が屋根裏へ上がることに。

だいたい想像ができた知人は、恐る恐る押し入れの天板を外し中を確認すると、辺り一面を多い尽くすハエの中、正座したまま前のめりに倒れ込んでる腐乱死体を発見したそうです。

現場検証の結果、死んでいたのは中年くらいの男性で、寝袋やカセットコンロ、包丁など、数ヵ月の間その場で生活していたと思われるような跡があり、死後、一週間程度経過していたようでした。

しかし、その男は住宅の住人ではなく、現場である住宅に元々住んでいた若いカップルは10日ほど前に引っ越ししており、いわゆる空き部屋状態であったとのことでした。

結局、この男性については身元が分からず、特に事件として扱われることなく市へ委託して火葬してもらったようですが、そんな話をしてくれた知人が話の締めくくりに、

「けど、何にもなくてよかったわ~、屋根裏にあった包丁だけど、あれだけ全く使った跡なかったんだわ。もしお前なら何に使う?」と…

前に住んでいたカップルは、数ヶ月前から下着や整理用品などが時々なくなる被害に遭っており、警察官に何度か相談にきていたようで、カギを替えたり色々したそうですが、被害が絶えないことから最近引っ越したとのことでした。

もし、前に住んでいた人が包丁を持った男と鉢合わせしていたら…

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