ある日、私は中学からの友達で、今も同じクラスの友達Mとゲームをしていた
私とMは一週間前から始めたオンラインゲームにハマっていて、夜になるとほぼ毎日ゲームに明け暮れていた
オンラインゲームの中に私とM共通のフレンドも2人でき、その日はその4人でゲームをしてたんだけど、この人たちリアルではどんな人たちなのかなって何となく気になった。
聞いてみると1人はどうやら中学2年の女の子
『さくら』ってキャラ名のかわいい女のコを使っていて、リアルでもかわいいコなのかなぁとか勝手な想像をしてた
もう1人は28歳の社会人男性で、普段関わらないような年代の人。
それが何か新鮮な感じがして面白かった
キャラ名は『おいもマジポテト』
海パンに鯉のぼりを刺すとゆう斬新なスタイルだった
それぞれのリアルの話で盛り上がっていたらMからゲーム内でメールがきた
オンラインゲームではみんなに送れるメールと個人的に送るメールの二種類があって、Mからきたメールは私にだけ送られてきたものだった
メールの内容は
M「何かさくら怖いんだけど」
私はなんで?って返した
M「何かさっきから私たちのことばっか聞いてくる」
私「確かにちょっと住みとか個人情報聞きすぎだよねw」
M「ううん、違うの」
私「え?何が」
M「何か私達のこと知ってて、それを特定しようとしてるってゆうか...」
私「それは考えすぎじゃない?」
次のMのメールに私は少しゾッとした...
M「じゃあなんで私達がリア友って知ってるの?」
確かに2人とも高校生だとは言ったけど、一度もリア友なんて話はしていない
私「きっと私達が最初から仲良かったからそう思っただけだよ」
M「そうだよね。ごめん考え過ぎたw」
その日はそんな感じでゲームをやめた
次の日の夜、私はまた一緒にやろうとMを誘ったんだけど、Mは予備校があるらしく今日はできないと断られてしまった
仕方なく1人で始めたんだけど、チキンな私は1人で知らない人の中に入っていく勇気がないので(じゃあオンラインなんてやるなとか言わないで)
1人で装備を整えたりしながらフラフラしていた
やることがなくなったので、フレンドリストを見てみるとおいもマジポテトがログインしている
私はおいもマジポテトをメールで誘ってみた
それから10分くらいするとおいもマジポテトから返信がきた
おいも「いいダスよ〜♪あっしも今1人でモジモジしてたんで一緒にやりたいダス〜♪」
ぶっちゃけイラっとしたけど、暇だったのでおいものいるロビーに行ってみた
ロビーにつくと海パンに鯉のぼりの男がブレイクダンスを踊っていたのですぐに発見できた
おいも「どこ行きます?もうすぐ緊急ミッション発生しますよ〜。どこ行きます?」
もう緊急ミッション行くしかないような展開にイラっとしたけど、特にこだわりはなかったのでついていくことにした
おいも「そう言えば今日は他の2人はインしてないんすかね〜」
私「Mは今日はインできないって言ってたけどさくらはどうだろう。さっき見た時はいなかったけど」
おいも「ちょっと一回見てみますね〜」
しばらくして
おいも「お!」
私「ん?」
おいも「さくらちゃんがインしてるよ♪」
私「マジで?どうする?」
おいも「もちろん誘っちゃう♡」
いちいちイライラさせる...
しばらくしておいもが叫んだ
おいも「あ!」
私「ん?」
おいも「きたよ!さくらちゃんからだ♪」
私「なんだって?」
おいも「○○ちゃん(私)がいるならきたいって。あっしは?ねぇ?あっしは?」
なんで私?って思ったけどあまり深く考えずじゃあ誘ってみようって言った
おいも「なんか悲しい!でも誘っちゃう♡」
しばらくしてさくらが現れた
おいも「さくらちゃん♪あれ?なんか雰囲気違くない?」
前まではピンクの服とかきて可愛らしい感じだったけど、今日はちょっと地味であまり目立たない服をきていた
さくら「こっちのほうが○○(私)が親近感わくと思って」
意味がわからなかった
そしてなんか空気が重くなった気がした
おいも「んん?あ!緊急ミッション始まるよ♪」
その後は何事もなくゲームをして、その日は普通にゲームを終えた
さくらが終始無言だったこと以外特に変わったことはなかった
次の日私は学校でMと話していた
内容はゲームの話で、昨日おいもとさくらでやったことを告げると
M「さくらどうだった?」って聞いてきた
私「なんか、ずっと無言でちょっと怖かったよ」
M「え、何それ怖...」
私「見た目とかすごい変わってて、この方が親近感わくでしょとかわけのわからないこと言ってた」
M「え...」
Mの顔が青ざめていた
その日の夜はMとゲーム内で待ち合わせしていて、夜の7時くらいから一緒に始めた
しばらくするとおいもからメールがきておじゃましていいか聞いてきた
別に断る理由もなかったので承諾した
しばらくしておいもが現れる...
おいも「ごめ〜ん♪まったー?」
私「待ってない待ってないw」
おいも「なにそれ!マジポテト(*`へ´*)」
M「意味わかんないからw」
おいも「あ!そう言えばさくらちゃんもいたから一緒にきたよ♪」
よく見ると右斜め後ろにさくらがいた
全然気づかなかった...
さくら「こんばんは」
私M「こんばんは!」
正直あんまりきてほしくかなかった...
それからしばらくは普通にゲームを楽しんでた
相変わらずさくらは無言だったけど、あんまり気にするのをやめた
時間も12時近くになりMがそろそろ寝るから落ちるって言い出したので、その流れで今日は解散することになった
みんなおやすみーとか言って解散しようとすると、無言だったさくらが急に話しだした
さくら「ありがとう。あの頃みたいで楽しかった」
意味がわからなかった...
そのあと私は何も言わずパーティーは解散した
次の日の学校でまたMとその話をする
M「最後のさくらの言葉なんだったのかな?
私「わからないよ...全然意味がわからなくて何か気味が悪くなってきた」
M「だよね...」
その後Mと話し合った結果、私たちはさくらをブラックリストに登録することにした
ブラックリストに登録すると、相手からは私達の情報が見えなくなり、パーティーも組めなくなる
私たちが解除しない限り、二度と一緒にゲームをすることはできない
その夜も私とMはゲームを始めた
さくらがこないことに安心した私たちは、いつも以上にテンションがあがっていた
そこにポテトが現れた
M「またあいつきたよw暇人かw」
私「まあ、私達も人のこと言えないけどw」
ポテト「やあ」
M「やあ、とかテンション低くない?w」
ポテト「いや、そんなことないけど」
私「どうしたの?」
ポテトの雰囲気が明らかにおかしい
ポテト「いや、君たちさくらと何かあったの?」
私M「...なんでいきなり?」
ポテト「いやさ、さっきインしたらメールが30通くらいきてて、いつもそんなきてたことないから何だろう思って確認したら全部さくらからで、最初は君たちがどこにいるか教えてほしいって感じの内容だったんだけど、次第にまた逃げるのとか訳がわからない内容になってきてて...」
私達はゾッとした
ポテト「最後のメールはあんまり言いたくないんだけど...」
M「なんだったの?言って」
ポテトはしばらく黙ったあと、しぶしぶメールの内容を教えてくれた
ポテト「今度はあなた達が死ぬばん。私を置いて逃げたこと絶対に忘れない もう逃がさない。こんな感じ...」
私はあまりの恐怖に何も言わずパソコンの電源をおとしてしまった
そして、ある事を思い出してた
昔小学生の頃、私とMにはもう1人の友達Tがいた
私達三人は毎日一緒に遊んでいて周りからも仲良し三人組なんていわれたりしてた
この先大人になってもずっと友達でいようね...
ある夏の日、私達三人は海にきていた
普段海に行く事なんてあまりなかった私達はいつになくはしゃいでいた
Mは活発でお姉さん気質な性格で、Tはどちらかと言うと控え目で地味なタイプ
MはいつもTをいじる様に接していて、Tもそれを全然嫌がってなくて本当に気があってて時々羨ましいって思ってた
Mがどんどん沖の方に向かって行く
Tはそれ以上行ったら危ないよって感じで後をついていってた
そんなTの忠告を全くきかずMがどんどん沖に進んで行った次の瞬間、突然すごい大きい波が押し寄せてきた
私とTは慌ててMのもとに近づいたんだけど、間に合わずMは波にのまれてしまった
私は急いで周囲を見渡す
すると水の中からMがブッハーって感じで勢いよく飛び出してきた
どうやら無事だったようだ
よかった...
Mの無事が確認できたことを喜ぼうとTの方をむくと、今度はTがいない
私とMはその場でTの名前を叫んだ
けど全く反応がない
しばらくあたりを見渡していると、私達から見て10メートルくらい沖の方でTが溺れてるのが見えた!
私が慌てて助けに行こうとするとそんな私を押しのけ、MがTの方に向かっていく
私はただ見てる事しかできなかった...けどMなら絶対にTを助けてくれるって信じてた
もう少しでTに手が届く!
Mが思いっきり手を伸ばし手と手が触れ合ったとき、あろう事かまた大波にTが飲まれてしまった
...結局Tは助からなかった
私たちはそのあとも日がくれるまでTを探した
警察の人もきてて一緒にさがしてたんだけど、警察の1人に今日はもう遅いから帰ってなさいって言われ、しぶしぶ帰ることになった
もう諦めるしかなかったんだ...
それから私達2人はかなり落ち込んでしまって、何日も何日もTのことを思い出して泣いてた
それから何年も月日が流れ、私たちはTの存在を忘れつつあった
次の瞬間、私はハッと我に返る
なんで急にこんなこと思い出したんだろう?
理由はわかってた
さくらが私達に発した訳のわからない言葉の一つ一つが、彼女をTに当てはめるとすると、恐ろしくつじつまがあってしまうからだ
でもそんなわけはない
何年も前に亡くなった友人がゲームの中で現れるなんてあり得るはずはない...
次の日、また学校でMと話していた
内容はもちろん昨日のさくらのことだ
昨日落ちたあと、私はTの事を思い出した事を話した
するとMも同じ事を考えていたらしい
私たちはもうさくらの事で頭がいっぱいになってしまっていて、さくらの言葉の意味を知りたくて仕方なくなっていた
その日の夜、私たちはゲームを始めた
でも今日ゲームを始めた目的は、単純にゲームを楽しむ目的ではなくさくらの事を調べるためだ
私たちは一時的にさくらのブラックリストを解除し、さくらが現れるのを待ち続けた
するとしばらくして見慣れた名前が現れる
ポテトだ...
ポテト「やふー♪元気かい?」
すっかりうざいテンションに戻ってる
M「悪いんだけど、今日私たちはミッション行かないよ」
ポテト「ふえ?どうしたんだパードゥン?」
私「今日はちょっとさくらと話したくてオンしてるだけだから」
ポテト「やっぱりさくらちゃんとなんかあったん?」
M「いや、それを確認するためなんだよ」
ポテト「え?何この仲間外れ感(・ω・)いったいどうゆうことなんだい?」
こいつは全て話さないとしつこい...そう思った私は仕方なくさくらの言葉の意味とTのことをポテトに話した
ポテト「要するにだ、君たちは幽霊とゲームをしていたかもしれないとつまりそうゆうことかいベイベー?」
すぐにこいつに話した事を後悔した...
でも次に、ポテトがすごいことを話しだした
ポテト「君たちそんなに気になるならIDからさくらのこと調べちゃろか?
M「そんなことできるの?」
ポテト「うーん、まあ本来違法なんだけどやろうと思えばできる」
私「じゃあお願い」
意外なところで役にたった...
それから30分くらい経ち、私もMも待ちくたびれていた。
早く事の真相を知り、実は私たちの考えすぎでしたってゆう展開を期待していた
そしてやっとポテトが喋り出した
ポテト「なんだよ...それ」
M「結構時間かかったね。なんかわかったの?」
ポテト「ごめん待たせた。いやでも、そんなわけないんだよ」
私「え?どうゆうこと?」
ポテト「いや、おかしいんだよ」
ポテトはおかしい、おかしいと言うばかりで中々教えてくれない
M「もったいぶらないで早く言って!」
Mが口調を強めると、ポテトは話し出した
ポテト「えっと...その、IDを調べたんだけど、おかしいんだ」
私「何がおかしいの?」
ポテト「いないんだ...そんなユーザー」
私「え?」
ポテト「いや、そんなID自体このゲームに存在してないんだ...」
M「それってつまりどうゆうこと?」
ポテト「俺たちはこの世に存在しない得体のしれない者と連日ゲームをしてたってこと...」
背筋が凍りついた...
キーボードを打つ手が震えている
と、そのとき
どこからともなくさくらが...きた...
私は恐怖のあまりリアルでも大声をだしてしまった
さくら「また遊んでくれる?」
私とMは何も言葉を発することができない
さくら「ずっと近くにいたのに、気付いてくれなかった」
私「ごめん、悲しませるつもりはなかったんだけど、私たち忙しくてさ!それで一時的にブラックリストに入れちゃってたんだ」
さくら「そう。もう逃げたりしない?」
M「うん、ごめんね」
さくら「本当に逃げたりしない?もう○○ちゃんとMちゃんに気付いてもらえないのはいやだよ...
私は震えがとまらなくなった...
なぜなら今確かに一度も話していない私たちの本名を呼ばれたからだ
さくらがTとしか考えられなくなった...
それ以来さくらは無言になった
私たちが何を言っても反応がない
まるで、もうここで話す事はないと言っているかのように、ずっと黙っている
私はその無言にたえきれず、パソコンの電源を強制的に落としてしまった
すると電源を落とし真っ暗になったパソコンのモニターごしに何かが見える...
見てはいけない
これは絶対に見てはいけない...
背中に今まで感じた事がないような寒気がする
次の瞬間肩をポンっと叩かれた勢いで、私はとっさに振り返ってしまう
そこには私の顔と5センチくらいの至近距離にTの顔があり、私の顔を両手で掴みこう言った
wallpaper:533
「ヤットキヅイテクレタ...」
作者遥-2