これは私が昔付き合っていた彼氏から聞いた話。
彼は幽霊やお化けといったものが見えてしまう体質で、よくデート中に「あそこにいるよー」なんて言って私を怖がらせていた。
彼曰く、幽霊が近くにいると急に悪寒がするそう。また、目が合うとあんまり良くないらしい。たまに、こいつは本当にヤバイというのにも出くわすらしい。
そんな彼だが、幽霊が見えるようになったのは小学2年生の時らしい。
その時の話を…
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彼は家族と従兄弟家族と温泉旅館に泊まっていた。
夜、いつもと違う環境でなかなか寝付けない彼は、皆が寝ている和室から出て、部屋の入り口前の廊下で1人ゲームボーイで遊んでいた。
しばらく経った頃、不意に皆が寝ている部屋の襖が音もなくスーっと開いた。
彼は親か誰かがトイレに起きてきたのだろうと思ったが、そこに立っていたのは
白い着物を着た長い髪の女だった。
女に眼球はなく、黒い空洞があるだけ。
彼はその女を見るやいなや、鼻血を吹き出し倒れてしまったそうだ。
目が覚めた時は、旅館の部屋の布団に寝かされていた。
両親曰く、鼻血だけでなく耳からも出血していたらしい。
それから彼は2、3日高熱にうなされた。
これが彼の初めての霊体験。
彼はその体験後、その着物の女につきまとわれているらしい。
その話を教えてくれたあとに、彼が私に言った。
「実は、今もそこの窓から覗いているんだよね」
たまに視界の隅に、白い着物のすそが見えたり、窓の外からから眼球のない女が部屋の中を覗いているらしい。
私は心底怖かった。
幽霊が見えない体質で本当に良かった。
作者こんこんたん
私が体験した話ではないですが、実話です。