怖い話とゆうか、後味の悪い話って感じ。
俺が高2のときだった。
同じクラスにドラえもんがすごく大好きなAという奴がいた。
そいつはオタクっぽくて、話し方もモゴモゴしているような感じで友達は1人もいなかったそうだ。
やっぱりそういう奴がいるといじめの対象になるらしく、物を隠したり、すれ違いざまに罵倒したりと陰湿ないじめを受けていた。
ある日いつものようにいじめようとしてる奴らがいた。
その時たまたまAが携帯をいじっていて、待ち受けを見るとドラえもんだった。
「高校2年にもなってドラえもんが好きなのかよ」
と面白がって携帯を取り上げたところ、珍しくAが追いかけてきたので、トイレに駆け込んで便器に携帯を投げ入れた。
するとAは躊躇なく便器に手を突っ込み携帯を拾い上げた。
もちろんAの携帯は水没していた。
「ドラえもんが。ドラえもんが。」
そう呟きながら足早にトイレを出て行った。
その日から彼は学校に来なくなった。
夏休みが終わってすぐの
9月3日の朝のHRで担任が
「Aくんが公園のブランコで首を吊って自殺していたのが今朝発見されました。」と言った。
特に遺書も残されておらず、いじめは問題にはならなかった。
その後俺らは普通に高校を卒業し仕事についた。
そして最近になって高校の友達から電話がかかってきた。
友達は今テレビで、ドラえもんの誕生日スペシャルがやっていると言う。
だからなんだ?と思ったがそのときAのことを思い出した。そんなやつもいたなぁなんて思っていたら、
「Aが死んだのって今日なんだよ。そんで今日はドラえもんの誕生日なんだよ。偶然かなぁ?」
まじか。と思った。Aの顔が思い浮かんで来て怖かった。
その時思い出したんだけど、Aが生きてる時に
「そんなにドラえもんが好きなのかよ」
と言ったら
「ドラえもんになりたいんだ。」と呟いたのを思い出した。
Aはドラえもんの誕生日の前の日に死んで、
ドラえもんになりたかったのかなって思った。
作者ラピスポンス
本当に実体験です!
コピペとかじゃないです