最近、私の周りで不幸なことが続く気がする。
幼い頃から可愛がってくれていたおばさんが亡くなったり、バイクで走っていた友達がトラックと衝突したり。
私の周りの人が毎日のように怪我をする。
しかも、全部私と会った直後に起こるのだ。
なんかおかしいと思って、事故を起こした子に聞いてみた。
すると
「なにかに取り憑かれたのかも」
とその子は言った。
「事故起こす前にね、見えたの。私を睨む赤い目が。だから、怖くなってスピード上げたら、ぶつかって……」
真っ青な顔して、「ねぇ、ウチどうすればいい?」と相談されても私は半信半疑で「お祓いとか行ってみたら?」とそんなことしか言えなかった。
家に帰ると、母が松葉杖をついて帰ってくるところだった。
驚いてたずねると「階段を下りようとしたら、足を滑らせちゃったのよ」と笑いながら話す。
でも、私は気になって母に聞いてみた。
「もしかして、赤い目が見えなかった?」
「なんで知ってるの?そうなのよねぇ、見えるはずないのに階段に目があって……」
母はただの気のせいだと思ったようだが、私はなんだかすごく不安になって、落ち着かなかった。
その日の夜。
私は、寝苦しさを感じて目を覚ました。
水でも飲もうと立ち上がったところで、視線を感じて振り返る。
でも、そこには何もいない。
気のせいだと思ったが、どうしてもそこにある窓に気になった。
あれ、おかしいな。窓、閉めてたはずなのに少し開いてる。カーテンなんか全開だ。
ジッと見つめていると、私は窓の隙間からこちらを見つめる目に気づいた。
目、以外の部分はどこにもない。
真っ赤に充血している目を見た瞬間、私は恐怖で気絶したらしい。
あれは、一体なんだったのか。
作者AO