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中編3
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卑猥なる生き霊

「お姉ちゃん…」

私の三歳年下で高校二年の妹が、何やら浮かない顔をして私の部屋に入ってきた。

「美鈴、どうかしたの?」

読んでいた雑誌を閉じ、優しく訊くと美鈴は目に涙を浮かべ、今にも鳴きそうな表情になった。

「何かあったの?話してみな」

美鈴は小さく頷き、ベッドにゆっくりと腰掛けた。

詳しく話を訊くと、こういう事だった。

数日前から寝ている時に変な現象が起きる。それも毎日。

その変な現象というのが、これがまた卑猥な内容だ。

急に金縛りに掛かったと思うとすぐに体が重くなる。そして部屋の入り口から寝ているベッドまで足音が聞こえてくる。目だけは開けることが可能なため、恐る恐る目を開けてみると足音の正体は全く見えないそうだ。

ぐぐっ、ぐぐっとベッドが軋み、誰かがベッドに乗っかる気配がして、一瞬静寂に包まれる。

この時の静けさが堪らなく怖いらしい。

しばしの静寂の後いきなり荒々しく胸を揉まれ、叫ぼうとするも声がかすれて上手く声が出せない。

そして、徐々にその手は下の方へ移動し、撫で回すかのように敏感な部分を触り続けるという。

「それで?」

「最後は気を失っちゃって、気が付くと朝になってるの」

私は美鈴の肩を優しくさすった。

「美鈴…それって発情しすぎか、極度の欲求不満なんじゃないの?」

「そんなんじゃないもん!」

美鈴は顔を真っ赤にし、息を荒立てた。

「冗談冗談。そんなに怖いんじゃ、今日寝る部屋を交換してあげようか?」

私の提案に美鈴は弾ける笑顔で頷いた。可愛い妹のため、怪奇現象の正体を暴こうではないかと私は意気込んだ。

夜になり、美鈴のベッドに横になるとすぐに眠りについた…

「うっ…」

あまりの体の重さに目が覚めた。全身金縛りに掛かってしまっているのか、指先さえ動かすことが出来ない。

暗闇の奥から小さく足音が聞こえてくる。その足音は徐々に大きくなり、私が寝ているベッドのすぐそばで止まった。

ぐぐぐ…ぐぐぐ…

誰かがベッドに乗っかってくるのが感じ取れた。目を開けるとそこには人影らしきものが見えたが、はっきりと確認することができない。

『ひゃあ!』

声を発することは出来なかったが、心の中で叫んでしまった。急に私の胸をそいつは揉んできたのだ。揉まれる感触は、パジャマを着ているのに直に触られている感じがする。

私は必死で金縛りを解こうとしようと全身に力を入れるが、私の体が動き出すことはなかった。

そしてそいつの手は少しずつ下に下がってゆく。足先から頭の天辺まで鳥肌が立つのが分かった。

私の秘部を、弄ぶように触ってくる。

背筋に酷く悪寒が走る。

遂には、熱くなっているものが下に当たり、私の中に入ってこようとするのが感じられた。

「美鈴…」

耳元でそいつに囁かれた。

「バチン!」

怒りの感情が高ぶり頭に血が上ると、私の右手はそいつの左頬を激しく弾いた。

金縛りは解け、ベッドから体を起こすとそいつの正体がはっきり見えた。

私はもう一度右腕を大きく振りかぶり、力一杯ビンタを食らわせてやった。

するとそいつの姿は煙のように消えていった。

恐怖から解放された私は、再び深い眠りについた。

朝起きるとすぐに私の部屋に戻り、美鈴を叩き起こした。

眠気眼な美鈴にお構いなく、気になったことを質問した。

「あんた最近健二君と別れたでしょ?」

「何で知ってるの?」

美鈴は驚いた表情で私を見る。

「しかも、一方的な感じで振ったんじゃない?」

美鈴の表情は曇り、静かに頷く。

「まぁ、これ以上余計な事は訊かないけど」美鈴は少し安心した表情に変わる。

「怪奇現象の原因は健二君の生き霊よ」

「えっ?!」

「でも大丈夫!ひっぱたいといたから多分もう変な現象は起きないわ。男には気を付けなさいね!」

私は美鈴を無理やり起こし、強制的に部屋から出した。

全く男って生き物は…

私はその後いつも通り大学へ行く準備をした。

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兎さん、それ想像しただけで鳥肌立ちました(^_^;)
もう一発ビンタしなきゃダメですね(笑)

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生き霊の人は逆に毎晩夜這いしてる夢を見てるってことなのかなww

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ロビンさんの仰る通りですね!後腐れないのが一番です(^_^;)

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きもいぃ~ やっぱり、きれいに別れないとね!

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嫌ですね…、そんな経験…。。

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