足柄のサービスエリアに森永のレストランがあるんだ。
高校卒業してすぐに親友と2人で住み込みで働くアルバイト始めたんだ。
サービスエリアだから24時間営業で、俺たちは夜間、ウェイターとして働いた。
夜間に働く人達は仮眠時間が貰えて、確か2時間仮眠が取れた。
そこにあった仮眠室での話。
三畳一間に二段ベッドが置いてあって、上のベッドで寝た時に、いきなり金縛りにあった。
キーンって耳鳴りがしたかと思ったら、ラジオから英語みたいな音が聞こえる。
ピーガーピーガー言う中で、かすかに英語で何か話してる。
自分ではわからなかったけど、かなり大きな声でうなされていたらしく、
たまたま仮眠室に来た先輩に揺すり起こされて助かった。
汗だくになってた。
親友に話したら鼻で笑われた。
金縛りにあった事は店の皆に 話した。
親友以外の人達は皆口を揃えて
「やっぱり?出るんだよあそこ」
とあっけらかんとしてた。
俺はそれ以来仮眠室で寝ることはしなかった。
それから3ヶ月して、俺は店を辞めて東京に戻った。
親友は残って働いていた。
1年後位に久し振りに親友に会って話していた時、すっかり忘れていた仮眠室の話になった。
親友曰く
「あ!そう言えば俺も金縛りにあった!なんかラジオから英語でガーガー聞こえて来てさ…」
ラジオのクダリは誰にも話さなかった。
鳥肌立った。
作者退会会員