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短編2
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階段

昔オレが社会人1年目の頃の話 5階建の団地に1人暮らしをしていた。

周りはとても静かでオレはその場所をとても気に入っていた。

しかし1つ問題があった。

深夜3時頃になると尋常じゃない足音で階段を降りてくるヤツがいた…

姿を見た訳じゃないが、足音の感覚からおそらくまだ小さな子供のような感じがした。

しかもその足音はオレのいる4階のフロアでピタッと止まるのだ。

その時は恐怖感みたいなものはまったくなく、ただうるさいなぁぐらいの感じだった。

足音もそれ1回でなくなるし眠いのもありさほど気にしなかった。

しかし一週間たっても一向にその足音は消えない。決まって深夜3時頃に

ダダダダダダッとものすごい足音で階段を降り、4階でピタッと止まる…

いい加減ストレスも溜まってきたオレは1フロア2部屋の団地の4階に住んでいたので

向かい側の部屋と5階の2部屋の住民に確認しようとその日の夕方訪ねてみた。

しかし向かい側のサラリーマン風の男性に聞いてもめんどくさそうに

そんな足音は聞いたことないといわれた。

おかしいなと思い5階へ上がると2部屋は空部屋になっていた。

その当時幽霊などまったく信じないオレはタチの悪いイタズラ、

または向かいのヤツ怪しいなとか色々考えていた。

そしてその晩も足音はやまず、それから3日目ぐらいにオレのストレスは爆発して

足音が5階から降りてきた時に「うるさいっ!!」と大声で叫んでしまったのだ。

するといつものように足音はオレの部屋の前でピタッと止まった。

さすがに不信に思い玄関ドアののぞき穴から確認してみたが誰もいなかった…

ただその時全身に寒気が走り、背筋が凍りついた感覚は今でもはっきりおぼえている。

部屋中の明かりをつけ、テレビもつけ、その日は眠れなかった。

そして朝になり、仕事にいこうと階段を下りると2階に住む80過ぎ位のお婆ちゃんに会った。

オレはだれかにこの話を聞いてもらいたいと思い、そのお婆ちゃんに全部話をした

そして、そのお婆ちゃんの話を聞いてオレは絶句した…

オレがこの団地にくる20年程前に5階に夫婦2人、

子供2人の4人家族が父親の手により、無理心中したというのだ…

そのとき母親と姉を殺されたとこを見たまだ幼い男の子が、

逃げ出す途中に階段で足を踏み外し、4階フロアで頭を強く打ち亡くなったと言うのだ。

しかもその時間が深夜3時頃…

その話を聞いたときは恐怖感で本当に気を失いそうになった…

それから会社の同僚の部屋に泊めてもらい、すぐそこから引っ越すことにした。

あの4階向かい側に住んでるヤツ大丈夫かなぁ…

Concrete
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