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短編2
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music:1

これはもう10数年も昔の出来事。

私がまだ小学生だった頃の話です。

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私の家は土地柄なのか偶然なのかは分かりませんが心霊現象の類が頻繁に起きていました。

廊下の角を逃げるようにすり抜ける髪の毛。

私の寝室前を必ず左から右へと歩いていく死装束の女。

様々な者が私の家にはいましたが特に嫌悪感を覚えることはありませんでした。

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しかし、この時ばかりは私も我慢ができませんでした。

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とある夜、私は風呂に入り髪を洗っていました。

いつものようにシャンプーの泡を洗い流した後、目の前の鏡を見ると

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私の後ろ2mほどの位置に浅黒い少年の足が一本だけ静かに佇んでいました。

膝から下だけ、性別の分かるような部位は全く見えていないのに私にはそれが少年の足だとはっきり分かりました。

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思わず私の目線はその足に釘付けになってしまいました。

そしてそんな時、鏡の中の足に変化が現れたのです。

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土に塗れたような浅黒い肌から無数の小さな白い虫が湧き、どす黒い紫色に変色した肉がみるみるうちに腐り落ちていったのです。

ズルズルと肉の崩れ落ち、骨が見えていく様子に私は吐き気を我慢することができませんでした。

胃の中身が空っぽになり、やっとの思いで顔を上げた時もうその足は影も形もなくなっていました。

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music:1

それから祖母に聞いたのですが、

私の見た足は「おそらく昔の石灰岩の採掘場で事故に遭った子供のものなのではないのか」とのことです。

その昔、我が家の近くにある石灰岩の採掘場で採掘に使うダイナマイトが暴発し少年1人がバラバラになって亡くなったと祖母は少年の祖父から聞いたそうです。

今度目にした時はゆっくりとお経の知っている部分だけでも唱えてあげようと思ったのですが

あれ以来、私があの少年の姿を見ることはありませんでした。

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足の腐敗していく様子がリアルで良い意味で気持ち悪かったです。

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