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車に憑いてる素敵なあなた〔マヤと私と。1〕

中編5
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車に憑いてる素敵なあなた〔マヤと私と。1〕

music:4

初めまして、雅と申します。

文章が読みにくいかもしれませんが、ご了承下さい。

私がまだ16歳の時にバイクに興味を持ち、ガソリンスタンドでバイトを始め17歳で400ccのバイクを購入。ずっとメンテナンスをし、楽しく乗って過ごしていました。 ・・・二年前のあの日まで・・・。

仕事もそこそこ、休日にはバイクの生活が続き、私が23歳になった頃のお話。

たまの休日に当ても無くフラフラ走っていると、とある車の中古車販売店(A店とする)の中古車の中に一台、ヘッドライトが点灯している車があった。

周りに人は居ないのに、ライトだけが点いてる。

「何だろ?バッテリー上がっちゃうよ・・」

と思ったが、その先の本屋に行きたくなったのでスルーした。

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帰り道、やっぱりA店のあの車のライトが点いてる。

親切心からか、「まだあの車ライト点いてるよ・・・よし、A店の人に教えてやろう」と、A店の駐車場にバイクを停め、店に入った。

music:5

中古車が50台近く有るのに、店内には従業員が1人だけ。男性で60歳位のおじさんが座っている。

「こんにちは」と一声かけると、そのおじさんは「いらっしゃい」と小さく言った。

・・・A店は車屋だ。バイクウェアにブーツ着用、ヘルメットを片手に店に入る私を、この人はどう思っただろう。

(・・・気まずい)そう思った私は要件だけ済ませて帰るため、「すいません、あの車のライトがずっとONになってますよ」と言うと、男性はため息をつき「あぁ、またあいつか」と言った。

「あいつ?」「まぁ来れば解るさ」と言い、車の方へ歩き始めた。

前を通った時は気付かなかったが、ライトが点いてる車の横の二台も同じ車種で、その二台は「109万円」と値札が付いていた。

ライトが点いている車は「29万円」の値札が。(おかしい・・・同じ車でこうも値段が違うとは・・・まさか事故車か?)と思っていると、おじさんがライトの点いている車の運転席のドアを開けた。

「さぁ、座ってみなよ」

・・・え?いやいや車を見にきたんじゃなくて、ライトをね?あ、消せば良いのか、私が。

ハンドルの横にあるライトスイッチをOFFに・・・あれ?OFFになってる?でもライトは光りっぱなし・・・壊れてんの?

「いいから、座ってみなよ」とちょっと強めに言われたので、「じゃあ」と言って座ってみる。

(あ、これマニュアル車か、イスも変わってるし、いろいろイジってあるんだな、内装もキレイで・・・・・・・・・・ん?)

music:3

「どうだい?この車、イイだろ?」と言うおじさんに、「はぁ・・・良いんですけど・・・助手席にいるこの女の子は誰ですか・・・?」

車の状態は良いのかもしれない、値段も良いのかもしれない、値段の理由が解ったかもしれない・・・。

music:4

女の子の容姿は中学生くらい、長い黒髪、白のワンピースで肌は白く華奢、顔は可愛く、二重のパッチリした目。

ここまでは大丈夫、問題なのは、足がちょっと透けてる事だ。

「あの・・・この子は?」という疑問に、「ライトの正体はこいつの仕業よ」という答えが返ってきた。

(いやいやいや!そうじゃなくて!この子は幽霊ってやつですか!?)などと考えていると、左手にヒンヤリ何かが触れた。

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恐る恐る振り返ると、女の子の顔が目の前にあり「うわぁ!」と私の変な声が車内に響いた。

女の子の冷たい手が、私の手に重なっている。(ヤバい!取り憑かれる!)と思い手を払い除けようとすると、『待って』と女の子は困ったように言った。

『あなたを待っていたの。あなたがここを通るたびに、この車のクラクションを鳴らしたり、ライトを照らしたりしたけど、ようやく気付いてくれたのね』

状況が理解出来ないが、どうやら私を待っていた・・・?でもどうして、私を待つ理由って何?

聞きたい事は山ほどあるが、泣きそうな彼女を見た私はひとつだけ、「何故、私なんだ?」と聞くと、『あなたのバイクがいつも幸せそうだったから。ピカピカに磨いてもらってキラキラしてて、羨ましかった。その手入れをしてるあなたと、一度お話がしたかったのよ』と言う。

しかし彼女は『あ〜ぁ、いろいろお話しようと思ってたのに、久しぶりに生きてる人の手に触れたら、話の中身がどこかに行っちゃった』

そう言えば、私の左手を彼女は握っていて、感触は私の方にも伝わっている・・・が、これは・・・震えているのか?

『今日はね、とっても素敵な日。あなたが私に気付いてくれた、話してくれた。本当に・・・ありがとう・・・』と言った彼女は、少し悲しげな表情をした。

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理由なら解る。私がここから居なくなればまた、彼女は1人だ。

だが、その表情を見た私の心は既に決まっていた。

「あ、そう言えば名前聞いてなかった!私は雅、君は?」

『・・・マヤ、でも幽霊だから、名前なんて・・・』

「・・・マヤ、行こう」

『・・・え?』

「・・一緒に、行こう!」

後悔はなかった、彼女をこのままここに縛れば、私は一生後悔する事くらい解っていた。

『でも・・・私なんかと一緒じゃ雅さんに迷惑だし、それに・・・』と、また泣きそうになるマヤ。

「遠慮しなくていい。それとも、行きたくないのか?」

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『・・・たい』

「聞こえないなぁ」

『行きたい!』

「よし、決まり!さっきのおじさんに言ってくる!」

車を離れ、店に入りおじさんに

「あの車、売ってほしいんですが!」と言うと、「そう言ってくれると思ったさ、お金は納車の時でいい、急遽準備するよ」と言った後、小さく「彼女を頼んだよ」と言ったみたいだったが、私は彼女の元へ急いだ。

車に戻ると、マヤが外に立っていた。

「マヤ、これからよろしく!」と言うと、マヤは私に抱きつき、『グスッ・・こちらこそ・・!』と言った。

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数日後「納車の日」

A店に朝イチで向かう。と言っても、バイクと車を両方維持するのが難しいため、あんなに大切だったバイクを手放した。

貯金とバイクを売ったお金であの車を買う。

電車とタクシーでA店に着くと、おじさんが待っていた。

「納車おめでとう、これが車のキーと必要書類。くれぐれも安全運転で頼むよ」と、おじさんからキーと書類をもらい、車に積む。

そして代金を支払った。(結局29万円に、保険やら何やらでもっと高かったが・・・)

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手続きを全て終えた私は、運転席に乗り込んだ。

助手席にはマヤが座っていた。

「さぁ、行こうか」とマヤに言うと、マヤは嬉しそうに『うん!』と言って微笑んだ。

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車を発進させ、「どこに行きたい?」と聞くと、『あなたとなら、どこまでも』と言うので、これまでにバイクで行った景色の綺麗な所を、彼女に少しずつ見せてあげるつもりでいる。

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これから先、ずっとこの車で、マヤと一緒に。

Concrete
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怖くは無いけど、こういう話も好き。

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kkさん、コメントをありがとうございます♪
これからも頑張りますので、ご指導、ご感想をお願いしますね♪

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マヤちゃんのアドバイスとかで怖い幽霊と友達になったり、成仏のお手伝いとか、アイデアが広がりそうですね。

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初投稿です。
もし良いな、と思われた方は感想を頂ければ幸いです。
今回のお話は、怖いと思わない物かもしれませんが、続編も今考案してます。(怖いやつを)

「怖話」を通じ、皆様に怖がって頂ける作品を目指して精進して参ります。

これからもよろしくお願い申し上げます。

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