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今回みなさまにお話させて頂く話は私が大学時代に実際、体験したことです。
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当時、私は実家を出てマンションに一人暮らしをしていました。
部屋の間取りは1LDK。
広さはベッドと小さなコタツ、テレビを置くと部屋の空きスペースはほとんど無くなるくらいでした。収納はというと備え付けのクローゼットの中に放り込んだり衣類はベッドの下にある引き出しへ。
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狭い部屋でしたが学生の一人暮らしには十分でした。また女子学生専用ということもあって建物全体の壁面側に網を張ったりマンションの玄関は電子ロック式(各部屋は鍵)で部外者が安易に入れないようにしてありました。
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あれは確か12月のこと、冬の寒い最中でした。
その夜、私はいつものようにベッドに潜りウトウトしていた時です。もうすぐしたら、寝てしまいそうなそんな時…………
足元になにか違和感を感じました。
まるで人が居るようなそんな気配です。その気配はベッドの影に隠れて寝ている私からは見えない状態です。
気配に気づいた次の瞬間、もぞもぞとその気配は、ベッドの上に這い上がって来ました。その気配の体(らしきもの)から考えるとそれは大人の男性くらいの大きさです。
その気配は、ゆっくり這い上がってきて私の体の上に乗り掛かって来ようとした時です。
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ボコッ!!
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蹴りました。
とても眠くて眠くて仕方がなかった私は、その得体の知れない気配に向かって足を蹴り上げていました。
私の眠りを邪魔するな、と。
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そのまま私は寝てしまいました。
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その後、この気配を感じることはなく大学を卒業するまで4年間何事もなく、この部屋で過ごしました。
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一体、あの気配は何だったのでしょう。
私が住む前にこの一部屋だけ火事が起きたのだそうです。
大家さんは、特に怪我人も死人も出なかったと言ってましたが……。
(そんな曰く付きの部屋でしたが私はリフォームされた真新しい部屋に惹かれそこに決めたのです(笑))
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それから幽霊って、蹴ることが出来るのでしょうか?
蹴り上げたとき、確かな手応えはありましたが……?
作者鮎川日日日
実話です。