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「ねぇ美月!うちの近くにある、
平○の滝って知ってる⁉」
私の家には、親友の夏子、遥が来ていた。
急に夏子が怖い話を持ちだし、
怖い話の苦手な私と遥は、硬直していた。
だって、平○の滝は有名な心霊スポットだからだ。
「知ってるけど…」
「ねぇ、平○の滝いこうよ!!
本当に霊いるか確かめてみなくっちゃ」
「嫌よ!!!私は絶対いかない!!」
遥が声を張り上げて叫んだ。
「そう言わないでさ〜。
いこう?」
「私も嫌よ」
私は、ふんっとそっぽを向く。
「じゃあ、霊がいたら、鈴木くんと中山くんの好きな人教えてあげる♪」
「「い、行きます!!!」」
恋愛とは、自分から恐怖に飛び込んで行かす。
私たちは不安に思いながらも、
平○の滝に向かった。
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山の中にある滝なもので、
木々が揺れてゴウゴウと音のなることまでもが怖い。
ゆっくりと、先頭を歩く夏子のあとを歩く。
「だいたい何で私が後ろなの⁉」
遥が悲鳴のような声を出す。
「しょうがないでしょ?ジャンケンなんだから」
夏子は、そう答えるとさらにずんずんと進んで行く。
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「ついたー〜!滝!!」
遥が何事もなかった…と安堵の息を漏らす。
「……あれ」
急に夏子が一点を見て首をかしげた。
「と、登山者かな……」
その言葉に寒気を感じた。
「やだ!早く帰ろう…!」
私は夏子の腕をひっぱったが、
夏子は動こうとしない。
shake
じっとその一点を見つめて、
「ひっ…」
shake
と短い悲鳴を上げると、全速力でもと来た
道をかけていく。
私と遥も追いかけようと足を動かした途端、二人同時
shake
に転んだ。
気のせいなのか、そのとき足首には冷たい
手の感触があった。
作者花音