wallpaper:158
初投稿ですみません☆懐かしかったので再投稿です(笑)
私の初体験..聞いて下さい
小学3年の夏休みの話です。
私の夏休みのイベントと言えばプール、夏祭り、鹿児島のじいちゃん家への疎開だった。
うちは両親が共働きなので、友達と遊ぶ以外のイベントは姉ちゃんと(あーちゃん)一緒じゃないと駄目ときつく言われていました。
ある夜 昔お世話になっていた保育園の園長先生から電話があり、林間学校にMとあーちゃん一緒に来ませんか?とお誘いがありました
私達が入ってた保育園は、お寺が経営する保育園で、保育園の運営時間が終わると、親が迎えに来るまで園長先生のいるお寺で遊んでいました。
可愛がって貰っていたし、何より園長先生にも久しぶり会えるのもあって、両親に許可を貰って二人で林間学校へ行く事になりました
父「他のお寺さんの卒園生も集まるらしいから、周りの人に迷惑をかけない事、林間学校が終わったらじいちゃん達に迎えに来てもらうから..」
夏休みの家の手伝いからの解放感からか、話し半分で二人で声を揃えて
Mあ「「はーい♪」」
を連呼していた。
待ち合わせた場所で父は園長先生と話したあと、小さくペコリと頭を下げて、私達が園長先生の車に乗り込んで手を振るまで見送ってくれた
林間学校の場所は、熊本と鹿児島の県境に近かったと思う
はしゃいでいた私達は、最初の2時間を過ぎると到着までみんな車酔いでダウンしていた。
園「もぅすぐ到着だよー」
先生の声でみんなの寝癖頭が座席のシートからポコポコ見えた
車は山道のガタガタした道を走り、目的地の看板が見えてきた
昼間の森の中、窓から顔を出すと木々の緑のキラキラした感じがまたワクワク感を誘う
進行方向に目をやると、キラキラの森とは裏腹に、灰色の所々黒い筋の入った建物が目に入った。
あ「マジ..?何かボロくね..?」
M「あ、でもあーちゃん、駐車場の横にプールがある!!」
全ての不満はプールで解消された
車を止めると建物へと続く階段を上がり、中にはいると部屋に案内され
部屋の中には50人位の子供達でひしめきあっていた。
その日はオリエンテーションがあり、知らない子達と仲良くカレーを作って1日が終わった。
次の日は流石お寺の住職達
午前中は写経と、お経の練習
園長先生も本職の正装をし、前の方で剥げたおっさん達の中でお経を唱えていた。
昼からは自由行動で、私はあーちゃんとプールを満喫した
夕食後のキャンプファイヤーと花火を楽しんだ後、部屋に戻るとすでに布団がズラリと並んで敷かれており、枕無げをしたり、怖い話をしながらいつの間にかみんな眠りに付いた。
その夜の事
M「寒..」
山の中だからなのか、エアコンが効いているのか、寒くて目が覚めた
隣の布団ではあーちゃんが半口を開けて寝てる
縦4列、横10数例に並んだ布団を頭を上げて見回して気付いた..
窓際の一番奥
誰か起きてる..
月明かりが窓から差し込み、その「誰」が大人の人である事はなんとなくわかった
波平さんの部屋着みたいな格好して、正座してる
ヤバい..起きてるのバレたら怒られちゃうかな
でも、ハァーって息を吐くと息が白い
エアコン..ってエアコンを見ると動いてない
体が寒さで震える
静かに頭を下げて寝た振りしようと、さっきの「誰」をチラッと見た瞬間
一気に目が覚めた
一角だけ..布団の敷かれていない畳の上に キチッと正座して、手を膝の上に置いてる 「誰か」には..
頭がない
最初は月明かりの影で見えないだけかと思っていた。
寒さではなく体が震える..歯が噛み合わない
自分の歯がガチガチ鳴っているのが「誰か」に聞こえないか、心臓のドッドッドって早鳴りしてるのも聞こえるんじゃないか
私はパニックになった
M「あーちゃん..あーちゃん..」
小さな声で、「誰」から目を離す事が出来ずに、足であーちゃんを蹴り起こそとしたが、あーちゃんは起きない
恐怖で涙が出てきた、ガチガチしてる歯をなんとか喰いしばって、小さく 小さく呼吸する
鼻水をすすると音がする、とっさに枕で鼻水を拭い、「誰か」を見た瞬間
こっちを向く..?
そう思った
ヤバい..ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!
座ってはいるものの、明らかに肩が..肩が少しずつ動いてる..
私の布団は縦4列中の1列目、入り口の真ん前、「誰か」は縦4列の反対側の端
ここに..居たくない
泣きながら、震えながら ここじゃない何処かを頭を低くして見回すと、「誰か」のいる列の反対の角に、布団が敷いてはいるものの、空いてる所を見つけた
その横には小さな神棚のような物がある
何故かそこに行かなきゃ..と直感で感じた
枕は汗と涙と鼻水でグショグショに濡れている
こっち向くな こっち向くな こっち向くな
必死に心の中で唱えながら、
冷たくなった震える手をギュッと握ると匍匐前進を始めた
もぅ、「誰か」を直視する余裕はない
M「助けて..」
その間も、「誰か」がこっちに体を向けようとしているのがわかる
見ないで..見ないで
胃が上に上がってきたような、そんな気分の悪さと、自分の頬を伝う涙が顎の下で冷たくなっているのを感じながら
私は端までたどり着いた
そして気絶したのか、眠ったのか、目の前が真っ暗になった
あ「おーい」
あーちゃんの声が聞こえる
あ「あんた寝相悪すぎー!」
ハッ!!
起きたらちゃんと布団で寝ていた。
見るとみんな布団をたたんで押し入れに無理矢理詰め込んでいる
あ「ご飯食べに行くよー♪」
あーちゃんに目をやると着替えて隣に座って私を見ている
その後ろには
神棚..
M「あーちゃん..あーちゃん..あのね、昨日の夜ね..」
あ「あんた、寝相悪すぎやん、なんでこんな所で寝てんの?」
M「違う..うち、うち昨日..」
思い出しただけで涙が溢れた
あ「ご飯食べに行くよ!」
あーちゃんは私の頭をポンと叩いて立ち上がった
私は何も言えずに黙って布団をたたんで、顔を洗いに行った
ご飯の後、園長先生に昨日の事を話しに行ったが、剥げ達との交流が忙しそうで、あまり話せなかった。
昼まで写経とかお経を唱えて、私達はじいちゃんが迎えに来るから現地解散となった。
今でもハッキリと覚えてる私の「見ちゃった」初体験 ある意味一夏の経験でした。
前置き含めて長々と目を通していただけた事に感謝を込めて 乱文失礼致しました
作者MEG
私の恐怖「初体験」
これを体験してから色々な事を感じたり体験したりするようになりました..
最初の恐怖が、こんなにも忘れられない思い出になるとは、思ってもいませんでした。