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短編2
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蹴っていたのは。

これは私が高校3年生の時に体験した話です。

当時は高校最後の夏休みで、私は毎日夜遅くまでゲームをしたり漫画を読んだりして過ごしていました。

その日も夜中の2時過ぎくらいまで自分の部屋でゲームをしていたんですが、途中でトイレに行きたいと思い部屋を出ました。

私の家の正面には少し大きな公園があるのですが、家の構造上、トイレの小窓からその公園のグラウンド全体が見えるようになっていました。

トイレに入り用を足していると、外で物音がしてきたのです。

なんだろうと気になり小窓を開けて外を見ると、公園の街灯に照らされて、走っている誰かの後ろ姿が見えました。

さらに、ただ走っているだけではないということがわかりました。

その人物は、何かを蹴りながら走っていたのです。

そのとき私は、蹴りながら走っているということから、サッカーの練習でもしているのかな?

と思っていました。

しかし冷静になって考えると、こんな夜遅くに一人で練習なんておかしいと思い、改めてその人物を観察しました。

しばらく観察して、何もないからもう部屋に戻ろうかと思ったとき、その人物がこっち方面に走ってきいるのに気づきました。

そしてまた街灯に照らされ姿が見えたとき、その蹴っている物の正体がわかりました。

サッカーボールだと思っていたそれは、犬だったのです。それも小型犬でした。

その人物はずっと犬を蹴りながら走っていたのです。当然その犬はもう死んでいるようでした。

蹴っている物が犬だとわかったとき私は少し呆然としていましたが、すぐにトイレの電気を切り、急いで部屋に戻ってその日は徹夜しました。

それから私の身に何かあったという訳ではありませんが、初めて人の異常な行動を目にしたので、この体験はこの先ずっと忘れられそうにないなと思っています。

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小さな犬を蹴るなんて…!
そんな奴、地獄行きですよね…

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