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短編2
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宅配便で~す。

先ず自己紹介をするならば、俺はニートだ。

ボロアパートに、住んでいる。

何をするにもうんざりしてきた。

親からは、もう半年は連絡が来ていない。

俺は今、テレビのニュースを見ている。

『新着ニュースです。最近、【宅配便】を装って、特に一人暮らしをしている自宅に侵入し、暴行を受ける、という事件が続出しています。しかし、犯人と接触したにも関わらず被害者さえ犯人の顔は覚えていない、と言うのです。ですから、十分に窓や玄関口の鍵を閉め、対処するよう日頃心掛けて下さい。』

ふーん、物騒な事件もあるもんだな。

俺は念入りに窓や玄関口、あらゆる鍵を全部閉めた。

まあ、こんなボロ屋に泥棒が来るはずも無いが、万一来たなら俺がぶっ飛ばしてやる。

何だか俺は無駄な正義感に満ちあふれていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピンポーン

それから数時間後、宅配便が来た。

マジで来たのか!?俺は半信半疑で、玄関へ向かった。

何故か俺には恐怖感というものが、まるで無かった。

「ピザ○ッ○でーす。」

何だピザかよ。

俺は、数分前にピザを発注したところだった。

それにしても、はえーな。

俺はあの、玄関穴っつーの?外が見えるヤツ。

から外を見たが、やはりピザ○ッ○に違い無かった。

それらしい男が立っていた。

「はーい、ちょっと待ってー。」

俺は金を取りに、手前の部屋に戻った。

そして、鍵を開ける前に玄関穴から再確認をした。

あれ?いねぇ。

さっきまで、いたはずの男がそこにはいなかった。

何だよ。何処行った?

その時、何処からかまた声がした。

「ピザ○ッ○でーす。」

え!?

声の音源はすぐ背中越しから聞こえた。

俺は、とっさに後ろを振り返った。

さっきの男が満面の笑みで、俺を見ている。

俺は、さっきとは違う恐怖感に包まれた。

こいつ、どっから入ったんだ!?

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